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第18話 ユングミル城への出立
それから、あの男の子とは一度たりとも会っていない。姿さえ見かける事は無かった。彼の名前も聞いてないので探しようも無いのだ。
だが、あの身なりからして貴族以上の高貴な人物なのは違いないので、もしかしたらしらみ潰しに調べれば分かるかもしれないが。
(元気に暮らしているといいけど)
そんな昔話に思いを馳せながら、私は食堂で夕食を食べるのだった。
今日の夕食は、丸いパンにマカロニが入ったミネストローネスープと小さなシフォンケーキ。ミネストローネスープにはマカロニ以外にも玉ねぎやニンジン、数種類の豆にトマトにベーコンが入っており、具沢山だ。
「うん、美味しい」
丸いパンは穀物だろうか。思ったよりかは食感が柔らかめで少し塩気がある。ミネストローネスープとの相性も良い。
シフォンケーキもバニラ味のクリームが素朴な味わいで甘すぎず、食後のデザートとして食べやすい味だ。
屋敷にいる時は食後のデザートと言えばもっぱら甘ったるい味のケーキばかりだった。ジュナは甘いケーキが大好きなので、いつも喜んで食べていたのを思い出す。
「ジュナ、ケーキあげる」
「お姉様、ありがとう!」
こんなやり取りをしょっちゅうしていたっけ。
「ごちそうさまでした」
食事を終えて、食器類を専用の棚に返却する。その後ハイダらとは分かれて自室に戻り、ユングミル城へ行く準備をゆっくりと進めていく。勿論勉強も欠かせない。
「着替えは前日の夜に入れた方が良いか。とりあえずこれとこれを入れて……」
ある程度トランクに荷物を詰め終わった後は、薬についての勉強をしてベッドに入る。
「疲れた……」
私はそのまま、疲れに身を任せぐっすり眠ったのだった。
そして日が経ち、いよいよ出立の朝が来る。朝早く起きた私はトランクに詰めた荷物の最終確認を済ませてから、部屋を出てしっかりと鍵をかける。
「医薬師長、おはようございます」
「おはようございます。ジャスミンさん」
廊下で同じく荷物を抱えたハイダと合流し、そのまま食堂に向かった。朝の診察は今日は免除されているが王族達より先にユングミル城に向かう関係上、ゆっくり朝食を頂く事は出来ない。
朝食の紅茶とパンに、フルーツを頂くとハイダと共に馬車へ向かう。
「ジャスミンさん。さあ、乗りましょう」
「はい」
私達が乗る馬車は、薬師の物という事もあってか、貴族が乗る物よりかは質素ないでたちである。それに装飾も無い。
しかし馬車の馬は黒黒とした馬体とたてがみに尻尾の毛並みが太陽光に反射して、美しい艶を放っている。目をキリッとしていて中々に美しい見た目の馬だ。
「失礼します」
馬車の中も赤い座席に簡素な窓だけと、装飾の無いシンプルな作りになっている。
こうしてゆっくりと、馬車は動き始めた。
だが、あの身なりからして貴族以上の高貴な人物なのは違いないので、もしかしたらしらみ潰しに調べれば分かるかもしれないが。
(元気に暮らしているといいけど)
そんな昔話に思いを馳せながら、私は食堂で夕食を食べるのだった。
今日の夕食は、丸いパンにマカロニが入ったミネストローネスープと小さなシフォンケーキ。ミネストローネスープにはマカロニ以外にも玉ねぎやニンジン、数種類の豆にトマトにベーコンが入っており、具沢山だ。
「うん、美味しい」
丸いパンは穀物だろうか。思ったよりかは食感が柔らかめで少し塩気がある。ミネストローネスープとの相性も良い。
シフォンケーキもバニラ味のクリームが素朴な味わいで甘すぎず、食後のデザートとして食べやすい味だ。
屋敷にいる時は食後のデザートと言えばもっぱら甘ったるい味のケーキばかりだった。ジュナは甘いケーキが大好きなので、いつも喜んで食べていたのを思い出す。
「ジュナ、ケーキあげる」
「お姉様、ありがとう!」
こんなやり取りをしょっちゅうしていたっけ。
「ごちそうさまでした」
食事を終えて、食器類を専用の棚に返却する。その後ハイダらとは分かれて自室に戻り、ユングミル城へ行く準備をゆっくりと進めていく。勿論勉強も欠かせない。
「着替えは前日の夜に入れた方が良いか。とりあえずこれとこれを入れて……」
ある程度トランクに荷物を詰め終わった後は、薬についての勉強をしてベッドに入る。
「疲れた……」
私はそのまま、疲れに身を任せぐっすり眠ったのだった。
そして日が経ち、いよいよ出立の朝が来る。朝早く起きた私はトランクに詰めた荷物の最終確認を済ませてから、部屋を出てしっかりと鍵をかける。
「医薬師長、おはようございます」
「おはようございます。ジャスミンさん」
廊下で同じく荷物を抱えたハイダと合流し、そのまま食堂に向かった。朝の診察は今日は免除されているが王族達より先にユングミル城に向かう関係上、ゆっくり朝食を頂く事は出来ない。
朝食の紅茶とパンに、フルーツを頂くとハイダと共に馬車へ向かう。
「ジャスミンさん。さあ、乗りましょう」
「はい」
私達が乗る馬車は、薬師の物という事もあってか、貴族が乗る物よりかは質素ないでたちである。それに装飾も無い。
しかし馬車の馬は黒黒とした馬体とたてがみに尻尾の毛並みが太陽光に反射して、美しい艶を放っている。目をキリッとしていて中々に美しい見た目の馬だ。
「失礼します」
馬車の中も赤い座席に簡素な窓だけと、装飾の無いシンプルな作りになっている。
こうしてゆっくりと、馬車は動き始めた。
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