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第73話 花嫁は奪った※
会場が次第にざわつき始める。花嫁が来ない事に焦りや不安、不穏と言った負の感情が教会内に充満していく。
「エミリア嬢が現れない?」
「何かあったのか?」
「なんだなんだ?」
すると、閉じられていた教会の扉がばんっと勢いよく開かれた。振り向くとそこにはアダン様と見知らぬ男性に純白でふんわりしたシルエットのウエディングドレスを着用したエミリアの3人が立っていた。
「お、王太子殿下!」
「エミリア嬢もいるぞ! それにあの方はクルワット子爵ではないか?」
「王太子殿下とクルワット子爵?」
アダン様の右隣にいる茶髪のやや華奢な体格をした中性的な美青年がクルワット子爵。もしかして、エミリアと婚約をしていたが破棄された相手だろうか?
エミリアは震えながらも、両脇を男性陣が守るように立ってくれているので、目線はしっかりこの教会内に向けられている。
「皆さん。この王太子の話を聞いてくれるかな?」
そうアダン様が大きな声で叫ぶと、招待客のほとんどがはいと答えた。勿論私達もはい。と返事をする。
「では話そう。この結婚は無効である! 婚姻届のサインとこの紙を見てくれ。明らかに筆跡が違う! エミリア嬢曰くこれは父親が勝手に書いたものらしい!」
そう高らかに語るアダン様の話を受け、教会内は更にざわめきが高まる。そのざわめきをジョージは慌てながら見ていた。エミリアの両親は唇を苦々しく噛んでいる。
「偽造って事か?」
「そうよね……?」
「それなら罪に当たるんじゃ」
「それにエミリア嬢はこのクルワット子爵と当初婚約していたが、破棄された! そしてヨージス家へと嫁がされる事となったのだ! 諸君、この事に対してどう思うかい?」
「王太子殿下! これは不当な結婚です!」
私が無意識に立ち上がってそう叫ぶ。すると、その叫びが他の招待客にも次々に伝染し、同じように次々と口走っていく。
「これは不当な結婚式ですわ!」
「エミリア嬢とクルワット子爵がかわいそうです!」
「この結婚は認められません!」
「ふむふむ、そう言ってくれると思ったよ。俺は父上である国王陛下の名代としてこの場へとやってきた。そしてこれが国王陛下より賜った、この結婚は不当である事を示すものだ」
アダン様が掲げる紙は国王陛下の命令書。勿論国王陛下の直筆のサインがばっちりと記されている。招待客の視線が一斉にその命令書にくぎ付けになった。
「なっ……」
エミリアの両親はうつむきもはや何も言えないでいた。アダン様の後ろから駆けつけてきた憲兵によって取り押さえられていずこかへと連行されていった。おそらく今から宮廷で尋問を受けるのだろう。
ジョージと両親も気が付けばその場から消え去っていた。もしや逃げたのか。
「という訳でみんな。帰っていいよ」
アダン様のこのお言葉で、招待客は続々と席から立ち上がり帰宅の途に就き始める。これ以上教会にいても何にもならない。結婚式はこれでお開きと言った顔で帰っていく。
「私達も帰りましょう」
そうハイダが告げた時。いきなり爆発音が聞こえ、更に視界が白く不明瞭になった。これは煙幕か。
「!」
誰かに私の口元を口を押さえられた所で、私の記憶はそこで途絶えてしまう。次に目を覚ました時、私の視界には黄色い見知らぬ天井が飛び込んでくる。
「ここは……」
「気がついたか?」
「なっ、ジョージ!」
「薬師なら様をつけて呼ぶんだな。ジャスミン」
ジョージの生意気な声が、部屋中に派手にこだまする。私はベッドから起き上がると、私の右横にジョージがいやらしい笑みを浮かべながら立っていた。それに私の両手は赤いシルクの布で頑丈に縛られている。
「なんであなたがここに……」
「君をさらった。エミリアとの結婚が白紙になるなら、もう君と結婚する。そう決めたんだ」
「お断りします」
「もう何度君がそう言おうが、それは無理だ。ああ、やはり最初からジャスミンと結婚すればこんな事にはならなあかったんだ。ああ、ジュナと結婚したのは失敗だった……」
なぜこの男は私にここまで固執しているのだろうか。優柔不断なのかそれとも単にバカなのか。どちらもあり得そうだが。
「なんで私なの? 他にも令嬢は山ほどいるじゃない」
「やっぱりジャスミンじゃないと、ダメなんだよ……」
そう陰気に笑うジョージがゆっくりと近づき、私を押し倒した。ここで私を強引に犯そうとしているのは明白である。だが、両手を縛られている事と妊娠しているというのもあってどう抵抗すべきか思いつかない。
(私、どうしたら!)
その間にもジョージは私の身体に覆いかぶさり、乱暴に乳房を揉みながら服から露出させ、更に乳首を吸い上げるようにして舐めていく。
「っ……!」
上半身への愛撫をしつつ、彼は私の下着を脱がし、更にそこへ指を入れようとしてきた時だった。バタバタと靴音が響き渡り、部屋の扉がばっと開かれた。そこには兵と剣を携えたアダン様がいる。
「あ、アダン様!」
「ヨージス家の令息が女性を無理やり抱くなんて見苦しいね」
そうジョージに言い放つアダン様の目は鋭くジョージへと向けられている。更に誰が見ても分かるくらいの殺気がほとばしっている。
「エミリア嬢が現れない?」
「何かあったのか?」
「なんだなんだ?」
すると、閉じられていた教会の扉がばんっと勢いよく開かれた。振り向くとそこにはアダン様と見知らぬ男性に純白でふんわりしたシルエットのウエディングドレスを着用したエミリアの3人が立っていた。
「お、王太子殿下!」
「エミリア嬢もいるぞ! それにあの方はクルワット子爵ではないか?」
「王太子殿下とクルワット子爵?」
アダン様の右隣にいる茶髪のやや華奢な体格をした中性的な美青年がクルワット子爵。もしかして、エミリアと婚約をしていたが破棄された相手だろうか?
エミリアは震えながらも、両脇を男性陣が守るように立ってくれているので、目線はしっかりこの教会内に向けられている。
「皆さん。この王太子の話を聞いてくれるかな?」
そうアダン様が大きな声で叫ぶと、招待客のほとんどがはいと答えた。勿論私達もはい。と返事をする。
「では話そう。この結婚は無効である! 婚姻届のサインとこの紙を見てくれ。明らかに筆跡が違う! エミリア嬢曰くこれは父親が勝手に書いたものらしい!」
そう高らかに語るアダン様の話を受け、教会内は更にざわめきが高まる。そのざわめきをジョージは慌てながら見ていた。エミリアの両親は唇を苦々しく噛んでいる。
「偽造って事か?」
「そうよね……?」
「それなら罪に当たるんじゃ」
「それにエミリア嬢はこのクルワット子爵と当初婚約していたが、破棄された! そしてヨージス家へと嫁がされる事となったのだ! 諸君、この事に対してどう思うかい?」
「王太子殿下! これは不当な結婚です!」
私が無意識に立ち上がってそう叫ぶ。すると、その叫びが他の招待客にも次々に伝染し、同じように次々と口走っていく。
「これは不当な結婚式ですわ!」
「エミリア嬢とクルワット子爵がかわいそうです!」
「この結婚は認められません!」
「ふむふむ、そう言ってくれると思ったよ。俺は父上である国王陛下の名代としてこの場へとやってきた。そしてこれが国王陛下より賜った、この結婚は不当である事を示すものだ」
アダン様が掲げる紙は国王陛下の命令書。勿論国王陛下の直筆のサインがばっちりと記されている。招待客の視線が一斉にその命令書にくぎ付けになった。
「なっ……」
エミリアの両親はうつむきもはや何も言えないでいた。アダン様の後ろから駆けつけてきた憲兵によって取り押さえられていずこかへと連行されていった。おそらく今から宮廷で尋問を受けるのだろう。
ジョージと両親も気が付けばその場から消え去っていた。もしや逃げたのか。
「という訳でみんな。帰っていいよ」
アダン様のこのお言葉で、招待客は続々と席から立ち上がり帰宅の途に就き始める。これ以上教会にいても何にもならない。結婚式はこれでお開きと言った顔で帰っていく。
「私達も帰りましょう」
そうハイダが告げた時。いきなり爆発音が聞こえ、更に視界が白く不明瞭になった。これは煙幕か。
「!」
誰かに私の口元を口を押さえられた所で、私の記憶はそこで途絶えてしまう。次に目を覚ました時、私の視界には黄色い見知らぬ天井が飛び込んでくる。
「ここは……」
「気がついたか?」
「なっ、ジョージ!」
「薬師なら様をつけて呼ぶんだな。ジャスミン」
ジョージの生意気な声が、部屋中に派手にこだまする。私はベッドから起き上がると、私の右横にジョージがいやらしい笑みを浮かべながら立っていた。それに私の両手は赤いシルクの布で頑丈に縛られている。
「なんであなたがここに……」
「君をさらった。エミリアとの結婚が白紙になるなら、もう君と結婚する。そう決めたんだ」
「お断りします」
「もう何度君がそう言おうが、それは無理だ。ああ、やはり最初からジャスミンと結婚すればこんな事にはならなあかったんだ。ああ、ジュナと結婚したのは失敗だった……」
なぜこの男は私にここまで固執しているのだろうか。優柔不断なのかそれとも単にバカなのか。どちらもあり得そうだが。
「なんで私なの? 他にも令嬢は山ほどいるじゃない」
「やっぱりジャスミンじゃないと、ダメなんだよ……」
そう陰気に笑うジョージがゆっくりと近づき、私を押し倒した。ここで私を強引に犯そうとしているのは明白である。だが、両手を縛られている事と妊娠しているというのもあってどう抵抗すべきか思いつかない。
(私、どうしたら!)
その間にもジョージは私の身体に覆いかぶさり、乱暴に乳房を揉みながら服から露出させ、更に乳首を吸い上げるようにして舐めていく。
「っ……!」
上半身への愛撫をしつつ、彼は私の下着を脱がし、更にそこへ指を入れようとしてきた時だった。バタバタと靴音が響き渡り、部屋の扉がばっと開かれた。そこには兵と剣を携えたアダン様がいる。
「あ、アダン様!」
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