異世界転移した処女看護師と竜人公爵様の子作り契約婚

二位関りをん

文字の大きさ
13 / 78

第12話 痛いんだけど! ※

しおりを挟む
今話のように※印の話には性描写が含まれます。ご了承ください



 浴槽には白い入浴剤が入れられ、さらに麻袋に入った暖色中心のポプリがぷかぷかと浮いている。ポプリの香りは思ったよりも強烈だ。

「はあ……」

 脱毛は昨日したし、髪はさっきメイドさん達が高級そうなシャンプー剤とトリートメント剤を使って洗ってくれた。後は汗を流すだけ。アルグレートとエッチするのはまだ嫌な気持ちがあるけどさっさと子供作って帰りたいから我慢しないと。てか今からでも元の世界に帰りたい。
 
「オトネ様。そろそろお湯から上がられた方がよろしいかと」

 外からメイドの小さい声が響いてきたので湯船から上がって脱衣所に向かう。身体をバスタオルで拭き用意された黒いランジェリーを身に着けた。
 するとランジェリーを着た私が鏡に映っているのが視界に入る。とりあえず黒にしておいてよかった。これがド派手な赤とか紫とかだったら絶対に直視できない。

「……なんだか、自分とは思えないや」

 ランジェリーの上からバスローブを着用するとメイドが魔法のかかったタオルを頭にかぶせて髪を乾かしてくれる。それが終わると両手両足の爪を綺麗に磨いてくれながら髪をブラッシングされるのだ。
 ここまで丁寧にしてくれるとは。まるでお姫様だ。

「オトネ様。そろそろお時間でございます」

 少し緊張した面持ちのツォルグさんが戻って来た。手入れが全て済むと潤滑油などをメイドが持ちツォルグさんが先導する形でアルグレートのいる寝室へと歩き出す。なぜだが心臓がバクバクと言っていてうるさいけど、止まりそうにない。
 ツォルグさんにより、茶色い重厚感のある扉が開かれると、その奥のど真ん中に黄金色の天蓋付きベッドが鎮座していた。キングサイズよりも大きいかもしれない。
 そしてベッドの左に座っているのが私と同じくバスローブを身に着けたアルグレートだった。

「アルグレート様。オトネ様を連れてまいりました」
「ご苦労。では、皆下がると良い」

 メイドとツォルグさん達がお辞儀をして足早に去っていく。いつの間にか潤滑油の入った瓶が、ベッドの右脇にある小さな机にひっそりと置かれていた。

「……アルグレート」
「オトネ。君は初めてか?」
「うん、そうよ」

 痛みを軽減する為にも、ここは正直に処女である事を告げた方が良いはずだ。アルグレートはこくりと首を縦に振る。

「俺も初めてだ」

 でしょうね。いや、マリアとはした事ないんだ……。いや、この事は言っちゃだめだな。

「さっきはすまなかった。あのような所を見せてしまって申し訳ない」
「マリア様との事ですか?」

 ちゃんと眉を下げて反省の態度を示してくれてはいる。でも正直どこまで理解できているのか? と怪しがる自分もいた。

「ツォルグから気を付けるようにと言われたのでな。だからすまなかった」
「私こそ、気を付けます」

 初夜という事もあってアルグレートをこれ以上責める気持ちにもなれない。
 するとアルグレートは私を抱きしめた。明らかに力がこもりすぎていてガチガチになった感じ。不慣れな様子が見て取れる。そしてそのまま彼は私の身体を押し倒した。

「はあ――っ……」

 彼の顔は赤く染まっている。そんなに欲と色気のある表情も出来たのかと関心してしまうほどだ。

「おい、触るぞ」
「は、はい」

 う~んこの有無を言わさず的な空気。ここは私がバスローブを脱いだほうが良いよね。自ら脱いでランジェリー姿になると、アルグレートはごくりと唾を飲み込んだ。

「似合ってるな」
「そう?」
「うん……」

 なんだこの気まずいやり取りは……。私はアルグレートに潤滑油を渡すと、彼はそれを500円玉くらいの量を手にとる。

「……脱ぐから」

 正直童貞のアルグレートは当てにはならない。なので自分からもある程度アプローチしないと。パンツを脱ぐと彼は私の割れ目に潤滑油を塗りたくる。

「ひっ」

 潤滑油が思ったより冷たくて、思わず変な声が溢れてしまった。それにしてもここまで雰囲気が事務的っぽくてなんらムードも無い。お互いに初めてだから仕方ない気もするけど……。

「指、いれるぞ」
「どうぞ」

 すると固く閉ざされた割れ目へアルグレートのゴツゴツした指2本がめりめりと膜を突き破ってきた。
 痛い! すんごい痛いんだけど! しかもヒリヒリするし……!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。 そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!? 貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!

泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

処理中です...