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第7話 美華の魅力
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「それは……飾らぬ魅力と、奉仕するお心かと存じます」
「なんだと?」
浩明の脳裏に、美華が語っていた言葉が湧いて出てきた。
――私は皇后として多くの民に寄り添い、救いたいという理念がございます。
奉仕する心か……。と浩明は脳裏で繰り返される美華の言葉に蓋をした。
「それで以上か?」
「はい。以上でございます」
「そうか。わかった……皆、下がれ」
家臣達がぞろぞろと退出していくのを玉座から見下ろしながら、浩明は終わった……。と独り言を漏らしながら玉座から降りたのである。
浩明は自室に戻り、昼食を取りながら書類に目を通し始めた。昼食くらいはひとりにしてほしい。そう考えたからである。
「ふむ……軍備の予算も大事だが、他のものにも金を費やさねばならぬ……」
もそもそと白飯を頬張りながら政務についてあれこれ考えていると、家臣のひとりが入ります! と廊下から声を出してきた。
「入れ。如何した」
「失礼致します。申し上げます。宮廷近くの大通りで見世物用の虎が檻から逃げて人々に危害を加えているとの事です」
「虎だと?」
この龍の国には様々な動物が生息している。そんな彼らを捕獲し見世物とする者もいれば、研究の為に飼育したりする者が存在するのだ。
特に虎は人気の動物の一種で、見世物以外にも軍用動物として飼育されている。
「まだ放たれたままか?」
「はい。そのようでございます」
「すみやかに捕獲せよ。兵の動員を許可する。くれぐれも殺さないように」
「はっ、かしこまりました」
浩明はけが人はどれくらいいるのか? と尋ねると家臣は数人いて死者はいないが、正確な数は把握できていないと報告する。
「けが人の手当ても早急に行え」
「仰せのままに!」
足早に部屋を後にする家臣の背中を浩明は目で見送ってから、おかずである野菜のあんがかかった白身魚の唐揚げをひとくち分口に入れた。
「……虎はこわいものだ」
一方、鶴龍殿にいた美華の元にもこの事件の話が耳に届いていた。
「す、すぐに現場に行かなくちゃ!」
「お待ち下さい! 皇后様であろうとも無闇矢鱈に後宮からは出られませぬ!」
後宮入りした妃達は基本、後宮から出る事は叶わない。後宮から出る事が叶うのは皇帝と共に別荘のある避暑地へ向かうくらいになる。
「そ、そうでした……申し訳ありません。では、けが人をこちらに連れてきてくださいますか?」
美華の頼みに女官達は目を合わせるだけだ。美華は再度お願いします! 早くしないと! と頼みながら急かすと女官達は慌てて外へと飛び出していった。
「なんだと?」
浩明の脳裏に、美華が語っていた言葉が湧いて出てきた。
――私は皇后として多くの民に寄り添い、救いたいという理念がございます。
奉仕する心か……。と浩明は脳裏で繰り返される美華の言葉に蓋をした。
「それで以上か?」
「はい。以上でございます」
「そうか。わかった……皆、下がれ」
家臣達がぞろぞろと退出していくのを玉座から見下ろしながら、浩明は終わった……。と独り言を漏らしながら玉座から降りたのである。
浩明は自室に戻り、昼食を取りながら書類に目を通し始めた。昼食くらいはひとりにしてほしい。そう考えたからである。
「ふむ……軍備の予算も大事だが、他のものにも金を費やさねばならぬ……」
もそもそと白飯を頬張りながら政務についてあれこれ考えていると、家臣のひとりが入ります! と廊下から声を出してきた。
「入れ。如何した」
「失礼致します。申し上げます。宮廷近くの大通りで見世物用の虎が檻から逃げて人々に危害を加えているとの事です」
「虎だと?」
この龍の国には様々な動物が生息している。そんな彼らを捕獲し見世物とする者もいれば、研究の為に飼育したりする者が存在するのだ。
特に虎は人気の動物の一種で、見世物以外にも軍用動物として飼育されている。
「まだ放たれたままか?」
「はい。そのようでございます」
「すみやかに捕獲せよ。兵の動員を許可する。くれぐれも殺さないように」
「はっ、かしこまりました」
浩明はけが人はどれくらいいるのか? と尋ねると家臣は数人いて死者はいないが、正確な数は把握できていないと報告する。
「けが人の手当ても早急に行え」
「仰せのままに!」
足早に部屋を後にする家臣の背中を浩明は目で見送ってから、おかずである野菜のあんがかかった白身魚の唐揚げをひとくち分口に入れた。
「……虎はこわいものだ」
一方、鶴龍殿にいた美華の元にもこの事件の話が耳に届いていた。
「す、すぐに現場に行かなくちゃ!」
「お待ち下さい! 皇后様であろうとも無闇矢鱈に後宮からは出られませぬ!」
後宮入りした妃達は基本、後宮から出る事は叶わない。後宮から出る事が叶うのは皇帝と共に別荘のある避暑地へ向かうくらいになる。
「そ、そうでした……申し訳ありません。では、けが人をこちらに連れてきてくださいますか?」
美華の頼みに女官達は目を合わせるだけだ。美華は再度お願いします! 早くしないと! と頼みながら急かすと女官達は慌てて外へと飛び出していった。
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