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王都でのんびり
王城通路=校舎裏
しおりを挟む異世界に来てから自業自得を含めて災難続きだったけど、ようやく日の目を見る日がやって来た。
王都の中心で勝訴と書かれた大紙を広げて喜びたい。
これで非ぬ疑いも無くなった訳だしサルサでの失敗を活かしてもう少し大人しく生きよう。
目標は、清楚で可憐でいたいけで意図しなくてもまつ毛をふるふるさせて保護欲をそそらせるようにしたい。こう花と蝶々を愛する女の子いや美少女的なね。
『無……いえ、夢を持つのは誰だって自由です。せいぜいその目標を持つだけ持って生きて行きましょう。』
そこはかとなく馬鹿にされているような。
いや、なっちゃんがそんな事する訳無いか。
一人有頂天になる私を引き戻すように王様が話し掛けてくる。
「色々疑って悪かったな。そうだ、娘がそなたと改めてのお礼と話がしたいそうだ。良かったら付き合ってやってくれるか?」
「はい、もちろんです。」
そう言うと王様は退出していく。
それと私のお店に関してはちゃんと良さそうな物件をいくつか探してくれるらしい。
複数の候補から私好みを選んで良いんだって、やったね。
王様が居なくなって私もフローラ様の元へ向かう事に。騎士様が案内してくれる。
そんで姫様の所へ向かう途中。
通路にまるで待ち伏せするように待機していた女性が。
確か王様の奥さんのアンドレア王ひぃっ!?
唐突な壁ドン。
女性同士だと殺戮&殺伐。
壁に追いやられた私に王妃様が告げた一言はただ一つ。
「旦那、手出すとコロス。いーい?コロス分かった?」
凄い淡々。
目の奥が氷河期時代。やべぇ8割冗談の私の恋心が完全に見抜かれている。
そんな何処からか取り出したりんごを手だけでジュースにしないで。
分かったから分かってますから。
私をそのりんごと同じ運命にしないでね。
「も、もももももちろんでしゅ!もちのロンです!見ない触らない嗅がない、絶対遵守します!!」
それは見事な敬礼じゃった。
軍に所属した事のない少女にも関わらず軍歴十数年は越えたであろう風格を漂わす敬礼。
それだけの行為に及ばすほど王妃いや女王様は怖かった、正にチビる3秒後だよ。
騎士様と一緒にビクビクガクガク膝を震わしながらお姫様の元へようやく到着しました。
姫様の笑顔が眩しすぎて泣いちゃったよ。
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