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王都でのんびり
私にトイレは要らない
しおりを挟む難易度高めの依頼をこなしてギルドに戻って来た私。
そして、何故か報酬金を直接ギルドマスターのマルコって人が渡してくれる事になってしまった。
なっちゃんの謎の助言のせいでとても行きたくない。でも、金は欲しい。
震える足をどうにかぶっ叩いて受付嬢の案内に従い付いて行く。
通路を渡って少々、一番奥の部屋の前で受付のお姉さんが停止。
「ギルマス、カエデ様をお連れ致しました。」
「おう、そうか入ってくれ。」
ノックしながら声を掛ければ中から聞こえるおじさんの返事。
これでお姉さんとはお別れ。
こっからは私一人で行かないといけないらしい。
出来れば一緒に来て欲しいけどお姉さんはまだ仕事の最中だから致し方ない。
去っていくお姉さんの背中を惜しみつつ、恐る恐る扉を開く。
すぐに目は合わなかった。
だって、覇気のある眼力よりもデコがなんともその…広くてその…おハゲになられてらっしゃるのがとても目に入ってしまいましたごめんなさい。
「おい、いきなりそっちに目を向けるのはどうかと思うぞ。あと、いきなり頭を下げないで俺だって泣くぞ。」
はっ…私はいつの間にか無意識に謝罪をしていたらしい。
ごめんなさい。
「し、失礼しました。つい個性的でいらっしゃったので…。」
「なぁお前喧嘩売ってる?本当に泣くよ?」
やべぇ、どんどん眼光が鋭くなっている。
急いで謝って話題を逸らさないと。
「ご、ごめんなさい!そ、それでわざわざギルドマスターが直々に報酬金を渡すなんて私に何か御用でしょうか?」
「………まあいい。わざわざここに来てもらったのは冒険者なりたての低ランクがワイバーンやサラマンダーを単独で討伐したって聞いたからな。どんな奴か気になった訳だ。」
「は、はぁ…。」
「まさか報告通り女の子だと思わなかったが…。それでだ、一つ聞きたい。本当に嬢ちゃんが一人でワイバーンやサラマンダーを倒したのか?」
いえ、倒したのは私の頭の上のフワ子です。
『ご主人様、ここはフワ子様ではなくご主人様が倒した事にした方がよろしいかと思います。フェンリルだとバレたらあらゆら方面から狙われる可能性がございます。』
それは絶対嫌だ面倒くさい。
「はい、私が魔法を駆使してなんとか倒しました。」
「ふむ、そうか……………少し試させてもらうぞ。」
「え?」
我ながら間抜けな声が漏れちゃった。
『ご主人様、動かないでビビらないで下さい当たりませんから!!』
さっきまで机を挟んで距離もあったのにもうギルマスが目の前までやって来てた。
あれ拳も私の顔にやって来ていない?
鼻に触れるか触れないか。
それくらいギリギリの所でギルマスの拳は止まった。
「ほぅ…怖がる事も驚く事もしないか肝が座っている。ワイバーンを倒したのも嘘ではなさそうだな。」
「……………。」
ちょっと漏れました。
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