今日も聖女は拳をふるう

こう7

文字の大きさ
193 / 266
戦乱の帝国にて聖女と三姉妹は踊る

嵐の前の誕生祭

しおりを挟む

国に帰ったらアルフを殴る。
俺を脳筋の戦闘狂いみたいに言いふらしやがって、戦闘狂の前に麗しの令嬢だっての。

すっきりした試合から最終的にむしゃくしゃしたその日が終わって、心はピョンしないけど日付けがピョンと飛んで数日後。

今日は本来の旅行の目的である国王誕生祭。
共和国の王族組は祭りが迫るにつれ日に日に忙しくなっていた。
逆に招待された俺やスゥ様達は特別何かしろって事もなくのんびりお茶会したり寝込みを襲われたり過ごしてその日を迎えた。

今日は各々自由行動。
でも、同じく聖女の肩書きを持つディーナさんは国王の隣で手を振って微笑む仕事が待っている。
俺達は王都内の散策許可が出ているけれど必ず護衛を付けることを厳守された。
腐ってもじゃないけど一応聖女に王女って面子だから仕方がない。


という訳で、俺ら4人は早速外へ出かけたいので護衛をお願いしよう。

まずはフォルクスさんにお願い。
でも、連れて来た兵士は警備に回すため断られてしまった。

だったら、セイル様にお願い。他国の兵を警備に回さなきゃいけないくらい忙しいなら当然こちらも断られるだろう。
しかし、なんと了承を得た。


………なんで?
これにはスゥ様達も疑問に思ったみたい。俺ですら不思議に思うもん。


ただいくら俺が考えたところで分かる訳もないので、まあいいやの精神を発動させて出発する。
スゥ様達三人はまだ考え込んでいたけど、俺の行こうって言葉でどうにか動き出してくれた。

些細な事はそこらに置いて、いざ祭りの屋台巡りじゃあ!!

まず最初に向かったのは肉の屋台。定番の串肉を売っている。屋台巡りはやっぱり串肉からに限る。
恥も外聞も捨ててかぶりつく。

うん、変わらぬ美味さ。

続いて向かった屋台は、なんと串肉を売っている。屋台巡りはやっぱり串肉に限る。
恥も外聞も捨ててかぶりつく。

うん、変わらぬ美味さ。

そして次に向かう屋台は、なんとあの串肉を以下同文。

これをあと6回繰り返します。
そしたら、付いて来た護衛はドン引きます。

でも、お陰様でだいぶお腹が膨れてきた。
次は何処を回ろうか。
思案する俺にロコルお姉ちゃんが提案してくれる。

「あちらを真っ直ぐ進むとシェアローズ王国のように大きな広場があるらしいですよ。食休みも兼ねてそこで少し休憩致しますか?」

お祭り気分でたらふく食らったからお腹はポンポコポンだ。
まだ誕生祭は始まったばかりだしゆっくり満喫しよう。ロコルお姉ちゃん案を採用で広場へ向かう。


到着したらまたワクワクが待っていた。
だって、お祭り限定なのか色んな露店が広場に設けられているだもん。装飾品なんかも販売している店もあるから、ここらで少し乙女力を上げておこう。

ちょっと休憩したら見て回ろう。

近くのベンチに座る。
その途端、両膝はスゥ様とミーナちゃんに奪われる。
これくらいならもう許容範囲。

それを見たロコルお姉ちゃんは新しいローブを用意して持っている。
流石、お姉ちゃん。

涎を二人が垂らすのは予見済みだ。
ほら、垂らしやがった。


しおりを挟む
感想 165

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ

・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。 アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。 『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』 そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。 傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。 アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。 捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。 --注意-- こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。 一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。 二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪ ※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。 ※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。 朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。 「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」 「いや、理不尽!」 初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。 「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」 ※※※ 専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり) ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

処理中です...