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戦乱の帝国にて聖女と三姉妹は踊る
閃光の信者網
しおりを挟むなんやかんやで共和国のお姫様であるノルン様とトワレ様、ついでとばかりにセイル様まで一緒に王国へ向かう事となってしまった。
ここでやっと気付いたのは旅路の合間であれば信者の光景を目撃しないで済むという事。
町や村、都市だと隠れていた信者達がうじゃうじゃと何処からともなく現れる。
ようやく発覚した真実だ。
その代わり夜と朝と時々昼間にお姫様達による夜這いや朝這いや時々昼這いがあるけれども…。
でも、信者数百を相手取るより変態数名の方が対処しやすい利点がある。
首を締めて落とすか鉄鎖で縛りあげるだけの簡単な作業だ。
そんな夜這れ夜這られの繰り返しと町や村での信者達による信者達の為の歓迎を経てついにシェアローズ王国王都へ俺達は舞い戻って来れた。
途中の魔物や盗賊との遭遇を物ともせず辿り着いた。
てっきりフォルクスが兵を待機させていたりするかと思ったのに拍子抜けだ。
それかもしかしたらあのおっさんは俺達が亡くなっているとでも思っているのかもしれないな。
予測を立てつつ王都へ続く検問の列に並ぶ。
「お姉様、私達は並ばなくとも通れますよ。」
「えっ…。」
まさか俺を女神と無理矢理崇め奉る連中が強引に通してくれるつもりなのか。
「お姉様よくよくこの面子を見てください。王族4名にアリス教の大司教2名、そして女神様ですよ。普通はそういった方々をお待たせ致しませんわ。」
…………なるほど、アリス教の大司教と女神様はともかく王族っていう国の頂点家族を待たせるのはいけないか。
実際その通りのようで俺達の馬車に気付いた衛兵の一人が急いでこちらへ駆けてくる。
そして、何故か俺の前で跪く。
おいおい、お姫様は隣だよ。
なんなら御者は隣国の王子様だぜ。
「我らがいと尊き女神様、無事のお戻り心よりお喜び申し上げます。すぐに門を開けますのでどうぞお進み下さいませ。おい、急ぎこの方々を…女神様と付き従う使徒様方をお通しせよ!!」
あれれ~俺の耳はここ最近ずっと可笑しいのかな?
どうしてもう王国にまで完全な女神認定されているのかなぁ。
帝都からシェアローズ王国まで距離はある。
そう早く情報は伝わらないはず。
……………はっ!
スゥ様達を見る。
「ま、まさか…。」
「フフお姉様、私達アリス教信者の情報伝達力は光を超えます。帝都でのご活躍その他諸々内容をこれでもかと大きく膨らませてお広めさせて頂きました。」
なんて憎たらしい笑み。
これが可愛いから余計にだ。
王国でも勝手な神格が進んでいたのは以前から把握していた。
でも、まだ大丈夫だと思っていた。
「「「せーの……。」」」
大丈夫じゃなかった。
「「「女神様のお帰りだあぁぁ!!!女神様バンザーイ!!女神様バンザーイ!!」」」
門が開かれ映った景色は白い服を身に纏う沢山の信者達でした。
アリス教総本山が出遅れる訳が無かったのだ。
「……………ちなみにフォルクスは?」
「フフフ、既に捕らえておりますよ。お父様達にご挨拶したら会いに行きましょう。」
「うん…。」
神様どうか俺の神格化を止めて下さい。
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