廃課金ゲーマーの異世界ライフ〜何処へ行っても課金は追ってくる〜

こう7

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最初の解放

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どれほど経ったのだろう。
沢山頑張って配下達と稼いだお金がゼロ。

あまりのショックに泣いてしまった。涙が流れる事にしみじみ現実であると教えてくれる。
この世界に運営か神様かが送り込んだなら酷すぎる対応だ。もし連れて来た奴が現れたら絶対この手で殴り飛ばしてやる。

しばらく呪詛を撒き散らしてようやく平常心を取り戻す。


あらかた確認を終えれたと思う。アイテムボックスの中身もお金以外はそのままだから武器防具に関しては困る事は無い。
ステータスもどれぐらいこの見知らぬ世界に対応出来るか不明だけれど初期レベルに戻されていないだけ良い。

あとは、ずっと初回無料がチラついていた配下の解放に移るとしましょう。


右も左も分からない世界。
文章的に次の配下からは金が掛かる仕様っぽい。序盤から頼りになる配下を選んだ方が良さそう。
ただ色々不安はある。
異世界だと断定したとして配下達はどう行動してくれるのか。
またはちゃんと俺に付いてきてくれるのか。
それに最初は万能型にするかもしくは何かの特化型を選ぶか悩みどころだ。

配下一覧を改めて見る。
初めて作成した筆頭配下のアイリスが一番目に来ている。多分、俺が作成した順番なんだろう。
やっぱりこの子を解放しようか。

でも、表情一切変わらなかったゲーム世界と違ってここは異世界。表情とか感情とかしっかり生まれている可能性が高い。
そう考えると俺の理想で創り上げたアイリスと対面して平常でいられるだろうか。
ここから近い町までは間違いなく野営生活になる。
そんな中で自分の理想像と夜を過ごすなんて緊張で胃を壊しそうな気がする。

でも、すぐに会いたい気持ちも大きい。

配下キャラ画面でカーソルが己の葛藤で彷徨い続ける。


うん、自分で造ったキャラに緊張するなんてありえない。堂々と堂々と共に過ごせばいい。
長考に長考を重ねた上で俺は最初に解放する配下を決定した。


照準を合わせてポチッとな。


すると、ユウの目の前に厨二病時代何度も見掛けた魔法陣が浮かび上がった。
その魔法陣はまだお空が明るいにも関わらず眩い光を周囲へ照らす。

目を細めて状況を見守る主の目の前に跪きながら最初の配下が姿を現す。

「旦那、お呼び頂きありがとうございます。第六位配下のクロコ見参致しやした。御身に従いやす。」

「クロコ、顔を上げて。」

「へい!」

やや特徴的な口調と敬語が混じっているのはそういう風に設定したから。
顔を上げたクロコは黒髪に紅い目でセーフティアの時と変わらない。
体格も少年寄りの俺に比べて三十代くらいの格好いい兄ちゃんのまま。
少し違うとしたら俺を見つめる紅い目がキラキラと忠犬のように輝いている。
クロコの種族は影狼。
人の姿に狼耳と尻尾が付いている。耳をピクピクっとさせて尻尾をフリフリさせて本当に忠犬みたい。

なんで散々悩んでたアイリスではなくクロコを選んだか。決してヘタれたからじゃない本当だよ。

理由は影狼という種族の特徴&スキルにある。
影狼は名にもあるように影を利用する。主な利用方法は隠密や索敵、そして暗殺。

俺自体は種族自由人の恩恵で器用に遠近中距離のオールラウンダーみたいなもの。
クロコには俺のフォローについてもらうつもりだ。

ひとまずヘタレで選んだんじゃない説明を終えたら未だ跪くクロコに質問。

「クロコ、クロコはこの世界が何処か分かる?セーフティアの世界?」

「すみません、あっしにも分からねぇっす。気付けば旦那の目の前でしたので…申し訳ないでさぁ。」

本当に申し訳なさそうに眉を八の字にしている。
やっぱり配下には感情が宿っているようだ。

「いや、とりあえずの確認だから気にしなくて良いよ。それとクロコは獣化出来る?」

「へい、出来やす。」

「この世界の情報が全く無い現状だからね。人にケモ耳があるのはここでは問題かもしれないから獣化しておいてくれ。」

「へい、かしこまりやした。」

元気良く返事をしたと思えばポンッて音と共に煙が立つ。
その煙が晴れればさっきまで人の姿であったクロコが黒い大きな狼になっていた。

でも、この大きさで町に行ったら確実に止められそう。

「クロコ悪いけどもう少し小さくなれる?可能なら俺の肩に乗るくらいまで。」

お安い御用と言いながらシュンシュンと小さくなっていき最終的に子犬サイズまで小さくなってくれた。
もう狼ではなくわんこだな可愛い。


まずは町を目指す前にこのわんこを愛でるとしよう。

「だ、旦那?」

「ちょっとだけ……ね?」

「ねって…あ…。」

この後、めちゃくちゃモフモフした。

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