廃課金ゲーマーの異世界ライフ〜何処へ行っても課金は追ってくる〜

こう7

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クロコ犬の力量

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「だ、旦那?そろそろ動きやせんか?」

「………………はっ!」

犬の肉球ってなんで永遠にフニフニしたくなるんだろう。困った顔のクロコの制止が無ければこのままずっと続けていた気がする。
ペット禁止のマンション住みの弊害がここまで影響するとは思わなかった。
クゥーンと悩ましそうなクロコの黒いモフモフな背中から名残惜しいけど離れる。

「こほん…それじゃあ町を探して移動しよう。クロコの影で周囲を把握出来る?」

ジト目を携えて肩に乗るクロコ。
一言失礼しやすと言うのも忘れない。
そして、忠犬クロ公はジト目だった瞳を閉じた。どうやらスキルを使用しているみたい。
以前のセーフティアであれば何何のスキルを使用したとウィンドウに表示されたのにそんなものは無い。
やっぱり異世界。
スキル自体が魔法のようなものだけどこの世界特有の魔法って使えるのだろうか?
一応、ステータス上にはスキルで消費されるMPはあるけれど…。

俺が少しの考え事に陥っている間にクロコは周囲の探索が出来たらしい。

「旦那お待たせ致しやした。周囲10キロ圏内には町や村はございませんでした。その代わりセーフティアと同様にモンスターなる者達がうろちょろしておりやす。まぁ、旦那の前じゃあ大した敵にはなりやせんがね。」

「そっか近くに町は無しか…ありがとう。こんな乾いた大地にちょっとの緑しかない環境で住む人なんてそうそう居ないだろうね。だったら、テキトーに方角決めて進みますか。」

「あっしは旦那の御心のままに従いやす。」

そうと決まればアイテムボックスから周回イベントで手に入れた世界樹の杖を取り出す。
それを大地に立たせる。
バランスを失った杖は当然の如く倒れる。所有者にすら予知出来ないのは仕方がない。

進む方角を決める大役をこなした杖はまたアイテムボックスへ強制的にお帰りしてもらう。


「じゃあ、モンスターで自分の力を確認しつつ町を探そう。」

「へい、かしこまりやした!」

急ぐ旅でも無いのでのんびり歩き始めた。
砂漠って程ではないにしろ暑さがなかなかのもの。幸いステータスの高さ故か汗をかいたり疲労を感じたりはない。でも、脱水症状が起きても怖いので人差し指の先にスキルによる水の玉を発生させてそれを飲む。
俺から生まれた天然水悪くない。




しばらく歩き続けて数時間が経った頃。
クロコが何かを感じ取ったのか肩をポンポンしてくる。

「旦那、300メートル先からそこそこの速度でこちらへ迫って来る奴がおりますぜ。」

「んー見えないけど…。」

300メートルくらいなら目視出来る。
けれど、全然姿が見えない。

「下からっすね。地中からこちらへ迫ってますぜ。途中までは偶々みたいですが今はもう完全にこちらを気付いて迫って来ておりやす。」

こうして話している間にも距離は縮まっているようで、次第に地面が大きく揺れる。
これ程の揺れなら本来の身体能力であれば尻餅をついていただろう。けれど今は安定して立っていられる、このキャラ様々だ。
ただセーフティアだったら左上に敵の名前とレベルそれにHPゲージも表示されていたけど今は何も表示されない。
それだけが不便だ。

「旦那、あっしがこのまま対処してもよろしいですかい?」

「いいよー。」

「ありがとうっす。では失礼して…。」

足元に俺のではない真っ黒な影が円状に広がる。
そして、下で何かが激突する音がしたと思えばそれ以降一切何も起きることは無かった。
ただ広がった影がまた縮まり最後には俺の影だけとなった。

「何をしたの?」

「旦那の足元から丸呑みしようとしていたワームでしたので影で飲み込んでやりました、へへ。」

「そのワームはどうしたの?」

「もちろん後々売る事も考えて影に収納しておりますぜ。」

褒めて欲しそうに尻尾をフリフリさせながら報告してくれる。正体は俺より年上の兄ちゃんなのに愛らしい。
思わず肩から腕に抱きかかえてわしゃわしゃする。

「ちょ、旦那、そこはあぅ!?」

「ありがとうなクロコ。これはしっかり撫でてあげないとな。」

「旦那、あっしはノーマルっすから旦那あぁぁ…わふ。」

観念したクロコを撫でつつ荒れた大地を突き進むのでした。

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