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建設
しおりを挟むケンゾウがクロコの影に潜り込んでから数日が経過した。
俺達は建設の要が戻って来るまでの間、迷宮とのんびり生活を交互に繰り返して過ごしていた。
迷宮では念の為、建築材料が不足しないように鉱石や建築材になりそうな魔物の素材を徹底的に探した。
どれが活用出来るか分からないけれど、かなりホックホクの状態だ。
もし使えなくてもコロックさんが買い取ってくれる。
そして、コロックさんといえばのんびり生活の間でまたドラゴンを買い取って貰った。今回はなんと2体、前回で潤ったらしく倍で買ってくれた。
とは言っても、当然ながら即金で売却金を払ってくれる訳ではない。
今はまた待機中。
前回の2倍だから3億は超えるうへへへ。
それとまたコロックさんから忠告を貰った。
ついに冒険者ギルドやその他の勢力が本格的な調査に力を入れ出したらしい。
何の調査か?
もちろん、ドラゴンを狩ったのは誰だってさ。
俺は名乗る気も無いのでとりあえず静観で成り行きを見守ります。
ケンゾウによる仮拠点が出来るまでは大人しくしてて欲しいな。
大まかにこれまでがここ数日のお話。
そして、今日からいよいよお家を建設していく。
でも、ケンゾウが既に街の中に居るのは問題になる。なので、リリー達同様に外で合流した形にする。
配下全員分の滞在料…。
今はまだ人数少ないから大丈夫、でも今後どんどん増えていくからいつまでも滞在料を払い続けるのは後々重荷になりそうだな。
「なら、支払わなければ良いのです。文句を言ってきたら切り捨てましょう。」
シルヴィアってこんな好戦的というか物騒だったの。
ゲーム時代にやたら戦闘に参加させ続けた弊害かな?
シルヴィアの提案は却下して皆で外に出る。
森まで来たら周囲に人気が無いのを確認して、クロコの影からケンゾウを出してもらう。
「じゃあ、クロコ外に出してあげようか。」
『へい!』
すると、影が広がり徐々にケンゾウが姿を現す。
人が頭からゆっくりと地面から浮かび上がるのはなんだか不気味だね。
ようやく全身が見れた。
「おかえり、ケンゾウ。」
「主よ、ただいまじゃ。影で大量にドラゴンを解体してきたわい。これとその他の建材を組み合わせて最高の家を作るつもりじゃ。」
「うん頼もしいね。俺も手伝うから頑張ろう。いくらでも指示を飛ばしていいからね。」
「むぅ…主に指示を出すのは流石に躊躇うわい。じゃが、主と共に何かを作るのは久しくて嬉しいのう。」
ぶっきらぼうに顔をそらして、照れたように髭をさすっている。
なにこのお爺ちゃん、可愛過ぎるよ。
お爺ちゃん萌えという新たなジャンルを開きそうになるもどうにか押し止め、街へ戻る。
相変わらずモルドさんが門番だ。
やはり門番業はブラックなのか?
「違うぜ。偶々被ってるだけだから、ちゃんと交代してるから。それよりシルヴィアちゃん今日も美しい。どうだいこの後、酒場で「ちっ…。」はい、どうぞお通り下さい。」
モルドさんは今日も撃沈。
最初で懲りたと思ったのに意外とめげない。
いつかシルヴィアが靡く日が来るのだろうか。
真っ白く燃え尽きたように立ちすくむモルドさんを放置して仮拠点の予定地にそのまま向かう。
歩く面子がある意味個性的なせいか街行く人々に見られる。
綺麗に可愛いに渋い爺ちゃんにワンワン、仕方がないね。
数多の視線を乗り越えて到着。
早速取り掛かる前にリリーへお願いする。
「リリー、建築の間俺達の作業を通りすがりの人達に認識されないように出来る?難しいかな?」
多分、一般の建築スピードよりも遥かに速いだろうから絶対注目される。
それは避けたい。
「むふん、主。リリーにお任せあれ。」
自信満々に鼻から息をポフン。
胸を張っているみたいだけど、その…まぁ配下も成長するよね。
既にドヤ顔を気味のリリーは魔法を発動する。
沢山のカラフルなお星様がスキップしながら彼女の周りを踊る。
やがてお星様同士が手を繋ぐようにくっつき、リリーを囲む円となる。
そしてすぐに、その円は土地全体へ広がって行く。
「ん、これでおーけーのバッチリ。主、リリー頑張った。ご褒美を所望する。」
この子は前の一件をもう忘れたのか。
そんなこと言ったらまたシルヴィアが……お、我慢している。
唇を噛みすぎて血が垂れてる。でも、気にせず射殺せそうなほどリリーを睨んでいる。
うん、争ってはギリギリ無い。
なら良し!
ご褒美の件はヘタレじゃないけどひとまず置いといて建築しよう。
ケンゾウ早く!
リリーが上目遣いを使って来てるから!
建築スタート。
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