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憤怒と決着 注:長文あり
しおりを挟む女性配下達が奥の手と称して猫耳やわんこ耳や狐耳を装着した。
確かに可愛い。
可愛いけど駄目だ。
「お前ら……やってはいけないことをしたな。」
「ご、ご主人様?どうされま」
「全員正座!!」
「「「ひぅっ!?はい!!!」」」
普段温厚なご主人様。
軽く注意する事はあってもこんな怒鳴るほどの剣幕は見た事がない。
それだけに只事では無いと判断した配下一同はすぐに正座体勢になった。
「どうして俺が怒っているか分かるか?アイリス!」
「は、はい!ね、寝込みを襲おうとしたからでしょうか?」
「はぁ…。」
呆れたように額へ手を当てヤレヤレする。
筆頭が理解していないってことは他の子達も理解していないだろう。
「も、申し訳ございません。考えが至らず…。」
「………俺が怒っているのは揃いも揃って寝込みを襲いに来たことじゃない。俺が怒っているのはそのケモ耳だ!」
「「「へ?」」」
誰が予想出来る?
己の貞操よりケモ耳に怒るなんて。
「まず始めに言っておく、俺はケモ耳が好きだ。叶うならば四六時中触れたり嗅いだりしたい。でもそれは叶わない、どうしてか分かるかシルヴィア。」
「え、え?え、えーと申し訳ございません分かりません。」
「はぁ…それはなケモ耳は生きているからだ。」
(((は?)))
彼女達の脳内を駆け巡るハテナマーク。
理解したいのに理解が追い付けない。
そして、無情にも始まるご主人様の有り難い演説。
「お前達が用意したそのケモ耳は所詮無機物。血の通っていない偽物だ。本物は時にはピクピクさせたり時にはへんにゃりしたり更にはピーンってさせたりする。本物の生きたケモ耳は喜怒哀楽と感情が宿っているんだ。血が通っているから触れば暖かい、偽物のケモ耳は冷たいだろう?それに本物はフワフワで少し獣臭さがアクセントを効かせて癖になる。でも偽物にはそんなのない無味無臭、まぁフワフワはしているかな。触り心地は認めてやらん事も無いけど、それでも偽物は偽物。本物の毛触りには遠く及ばない。それとなお前達がケモ耳を装着してからの所作がなっていない。なんだ、あの語尾にニャンを付けるって?ケモ耳つまりケモノっ子ってのは毎度毎度語尾にワンやらニャンやらつけたりしない。不意に気が抜けた時に意図せず地元弁が出るような感覚で聞けるから最高なんだ。これみよがしのニャンニャンなんてそんなの萌えない。俺はケモ耳のコスプレなんかに興味は無い。興奮するのは生きた躍動するケモ耳なんだ。だからリンちゃんのフルフルと小刻みに震えるあの耳を触りたいんだ。もちろん、ピョコんピョコんさせるココちゃんの狐耳やへにゃへにゃさせるクロコの狼耳もこれからも触っていきたいって思っている。ただ聞いて欲しい、俺は決して普通の耳を否定する気はない。アイリスの耳やシルヴィアやエーロ達の耳も好きだ。だって自分の理想を具現化させたんだからな。でも、一番に好きなのがリンちゃんやココちゃん達のような生きたケモ耳ってだけだ。特に好きなのは大型の犬耳だな。こうひたすら摘んでわっさわさしたい。可能なら鼻を突っ込んで精一杯深呼吸したい。ふぅ…ちょっと短めの説明になってしまったけど分かってくれたか?」
「「「……………………は、はいぃ。」」」
ぐったりする女性陣。
ご主人様愛が尽きることは決してないけど、今日はもう襲う気力なんて残っていない。
アイリスは今回の自分の愚策を呪った。
そして、この場にいる女性陣皆心の中で誓う。
もう決してご主人様に対してケモ耳を装着して貞操を奪いに行かないと。
こんなに精神力を削られても彼女達の野望はまだ潰えない。
でも、今日はもう無理。
これ以上ここに居ればまだご主人様からの有り難いケモ耳道を語られてしまう。
アイリス率いる御一行は更なる演説に進まないよう必死に土下座する勢いで謝罪をして退散した。
ご主人様の強さの片鱗を垣間見た一夜でした。
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