廃課金ゲーマーの異世界ライフ〜何処へ行っても課金は追ってくる〜

こう7

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収束

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手のひら返し。
自分の立場がすぐにでも有利になったらコロッと態度を変えてきやがった。
こんな王様がトップでよく仕えているな騎士達は。

「お前達よく来てくれた!早く、早く!」

「陛下、お任せ下さい。我々が来たからにはもう安心ですぞ!」

馬鹿に関わるとやたら茶番劇を目にする。
アイリス達も飽き飽きしているのか白けた表情だ。

「ご主人様、面倒ですので全員の足を失くしますね。」

「あ、はいどうぞどうぞ。」

アイリスは注目を一身に集める為、大きく柏手を打つ。
単純な思考ばかりが揃っているお陰ですぐに視線が集まる。

「では、皆様『両脚の消失』しなさい。」

アイリスのスキル技に慈悲は無いようで脚を失った痛みをしっかり伝えたみたい。
一瞬の静寂の後に響く阿鼻叫喚が凄まじい。

「痛い痛い痛い痛い!!今度は脚がぁ…助けて、助けてくれぃ!」

アイリスの力は騎士達だけでなくまたしても王様達にも影響させていた。
律儀に注目しちゃうからそうなるんだよ。
でも、今度はすぐに治してあげない。
あっさりササッと前言を撤回されたら幾ら何でもムカつく。アイリスも主人の意をしっかり察してくれてリリーに指示する気配が見られない。

「頼む、頼むから治してくれ!もう嘘はつかないから頼む!王様嘘つかない本当!」

そんな薄っぺらい弁明されても困ります。
もうしばらく反省タイムにします。


しばらくの間これらは放置するとして、その間どうしようか。

時間にしておよそ十分、未だ泣き喚く声が部屋を充満させる中またしても開かれる扉。
このお城で働く料理人さんに王宮料理を作ってもらおうかなんて考えが浮かんでいたところだったのに。

今度は誰?



振り向くとそこには天使が居た。
ピンと緊張で立つケモ耳。
何処からか吹く風で靡くお尻尾。


そうリンちゃんだ!

「リンちゃん!」

「ひ、ひぃ…。」

なんで会って早々怯えているの?
あぁ、この部屋の惨状を見たら仕方がない。
泣き叫ぶ声に加えて貴族や騎士の中には痛みで下半身が緩んだのも居る。
お陰でアンモニア臭がすこぶる不快。

「リリー、私達の周囲の匂いを遮断して下さい。」

「俺からも頼むよ。」

「ん、了解。」

よし、これで臭くない。
さぁリンちゃんこっちへおいで。
手を広げて出迎える。

「ひぃ…。」

まだ怯えるマイエンジェル。
困ったなぁ、ちょっとリンちゃんにはこの光景は刺激が強すぎたか。

「ヤオイ、あれを召喚してくれる。」

「はい、かしこまりました!我が命により召喚せよ、いでよ『過激表現に対してぼかす者』!!」

過激表現に対してぼかす者、要はモザイクです。
ぼやけてて分かりにくいけど、おそらく俺達の前で跪いている。でも、その位置だと丁度正面から見ると俺達の下半身にモザイクが掛かっているみたいで止めてほしい。

「貴方達に命じます。周囲の不快な存在共を覆いなさい。」

モザイク達は返事をしない。その代わり行動できちんと示す。
泣き喚く騎士貴族王様王子全てを覆い隠していく。
周りに撒き散らされた涙や涎、鼻水すらにもちゃんとモザイクが掛けられている。


これで匂いも視界も良好。
もうリンちゃんが怯える要素は皆無だ。

さぁリンちゃんカモン!

「ひぃ…。」

なんで?

『旦那、周囲の惨状よりもそれをしでかしたあっしらに怯えているだけですぜ。』

…………くっ、王様達がこんな馬鹿じゃなかったらリンちゃんに怖がられなかったのに。

俺は膝から崩れ落ちて床に拳を打ち付ける。
ケモ耳美少女に嫌われる、それはどの世界でも共通の絶望である。

そうでしょう?


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