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収束2
しおりを挟む足を失くした馬鹿たちにそれを行なった俺達。
リンちゃんが怯える要素はいっぱいある。
でも、怖くないよ。
おいで、ほらおいで。
「ひ、ひぃ…。」
くっ、やはり怖がっている。
少しの時間を置かないと厳しいか。
訪れる哀しみに歯を食いしばる。
「あ、あのー少しよろしいかしら?」
突然現れたおば…お姉さん。
俺は気付かなかった。
リンちゃんにしか目が行ってなかったから全く分からなかった。
配下達は気付いていた様子だけども俺は気付かなかった。
癖は人を盲目にするとはよく言ったものだ。
「えーと、どちら様ですか?」
十中八九このお城の関係者だろう。
「は、はい私はこの国の王妃を務めております。この子から夫もとい愚王のしでかした事を聞きつけて急いで参りました。ですが……少々遅かったようですわね。」
阿鼻叫喚の室内を憂いを帯びた目で見る王妃様。
怯えているもののリンちゃん程ではない。王の妻たる為か気丈に振る舞っている。
なんでこんなのと結婚したんだ?
政略、政略なのか。
「まだ生きてはいますよ。こちらとしても最初は話し合いで解決出来ればそれで良かったんですが、どうもそちらは話し合いする気がさらさら無かったようで…。」
話が分かりそうな相手ならちゃんと接する、それが俺の流儀だ。
「馬鹿と馬鹿息子のしでかした愚かな行為はすぐに取り消します。誠に申し訳ございません。」
「え、い、いやそんな貴女が謝らなくても…。」
位の高い方なのにこの真摯な態度。
ここ最近出会った人の中で抜群にマトモすぎてつい動揺しちゃう。
「身内の不始末は身内である私にも責任がございます。ですが…どうか、どうかこの国を滅ぼすなんて考えには至らないで下さい。」
「ん?」
どうして滅ぼす話に?
元々話し合いで来て取り消してくれたらもう終わりって予定だった。
それがどうして?
「主人達の命だけで足りないのであれば私の命も支払いましょう。ですが、ここで暮らす民には手を出さないで下さいませ。」
「ちょ、ちょっと落ち着いて!俺達は滅ぼすとか少ししか考えて無かったので安心して下さい。ちゃんと疑い晴らしてくれたらそれで終わりって話だったので。」
「え?」
拍子抜けというか呆気にとられたというかそんな顔。
この王妃様にどういう風に伝わって行ったのだろうか。
「ではこの国は無事だと?」
「はい。ちゃんと俺達の疑いを消してくれるんでしょう?」
「も、もちろんです。では、許して下さるのですね。」
「えぇ許します許します。なんで落ち着いて下さい。」
「あぁ良かった…良かったぁ…。」
緊張の糸が切れたのか両目の端から幾度も涙が流れる。
それだけこの国を想っているんだね。
本当になんでこんなのと結婚したんだ?
これでようやく犯罪者のレッテルを剥がしてもらえる。
解決したけどこの未だ泣き喚く方々をどうしよう。
リリーなら全員の脚を生やす事も死んだ人を復活させる事もやろうと思えば出来る。
悩む俺にそっと耳打ちするアイリス。
「ご主人様、死者の復活はしない方がよろしいかと進言します。その力を欲してまた余計な者達が動くかもしれません。」
「なるほど。」
さすがアイリスちゃん。
一理どころか百理ある。
ドラゴンを倒しただけでここまで大事になったんだ、死者蘇生なんてしたらもっと厄介事を招くのは間違いない。
「それとあの者共を治すかどうかの話は私からあの王妃に伝えても宜しいでしょうか?」
それは願ってもない。
今更ながら相手が王妃って緊張して来てるもん。
その間、俺はリンちゃんの好感度上げに勤しむ。
「うん頼むよ。ちゃんと治してあげるって伝えてあげて。」
「はい、ありがとうございます。ちゃんと話して参ります。」
そうニヤリと笑ってアイリスは王妃のもとへ。
ん、ニヤリ?
気のせいだな。
さてリンちゃんの所へ行こう。
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