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収束3
しおりを挟む王妃様はアイリスに任せて俺はリンちゃん……と思ったら姿が無い。
さっきまで近くでビクビクしていたのにどこ行った?
辺りをキョロキョロ見回すがやっぱりいない。
『旦那、あの嬢ちゃんなら誰かを探しているようで移動しやしたぜ。多分、前に聞いた姫さんじゃありやせんかね。』
姫さん?
確かティアラって名前だったかな。
そういえばあの馬鹿親子は一緒に居たけどお姫様の姿は無かった。リンちゃんの話から察するにまともそうな子っぽいからあれらと関わり合いなんて持ちたくないだろうね。
『お、どうやら発見したみたいですぜ。ただ扉の前に見張りが居るようでして入らせて貰えないみたいっす。』
自分の家なのに見張りが付くっておかしい。
何はともあれリンちゃんが困っているなら助けるのがケモ耳スキーとしては当然の理。
「アイリスまだ話は長くなりそう?」
「はい、もう少しお待ち下さいませ。」
「分かった。じゃあ、ちょっと俺は城の散策に行ってくるね。」
「かしこまりました。こちらの事はお任せ下さいませ。」
可能性は限りなくゼロに近いけどアイリス一人残して万が一があっても困るのでヤオイとメシアを残しておく。
残りのメンバーで少し早歩き気味にリンちゃんの元へ急ぐ。
クロコが既に影で城の中を満遍なく確認している。
そのお陰で迷うことなく最短ルートでリンちゃんに辿り着いた。
クロコの言う通りリンちゃんと見張りが言い争っている。いつもビクつくリンちゃんらしからぬ大声でまだ距離があるのにしっかり聞き取れる。
「どうしてティアラ様を監禁しているのですか!!すぐに解放しなさい!」
「国王陛下の御命令である。」
「陛下はもうそれどころじゃないです!なので、ティアラ様を放して下さい!」
「?とにかく王命である以上私はここを動く訳にはいかない。」
見張りの人はまだ国王が両足を失くしてみっともなく泣き喚いているのを知らないのだろう。
「で、でしたらせめて私を中に入れて下さい。姫様に至急お知らせしたいことがございます!」
「駄目だ。誰も通してはならんとも言われている。だから、幾らティアラ姫の従者であろうと通せん。」
「う、うぅ…。」
困った事に見張りの人も悪くない。
あの馬鹿は無駄に偉いから従わない訳にはいかない。
でも、仕事熱心な見張りさんには退いてもらおう。
「リンちゃん俺が来たからもう大丈夫だよ。」
「え、ひぃ…。」
泣いていい?
「お、怯えないで。おれ、こわくない、いいひと。」
必死に弁明するもそのお尻尾様の震えは止まらない。
ここはもうリンちゃんの為に頑張って挽回しなければ。
「り、リンちゃん俺に任せてね。」
リンちゃんから見張りさんへ方向転換。
「こんにちは。」
「?………こん、いや何者だ?」
「俺が何者かはひとまず置いときましょう。それよりもこんな可愛くてケモ耳が美しい女の子が泣きそうになりながらもお願いしているんです通してあげても良いんじゃないですか。」
「これは陛下より承った任務である。逆らう訳にはいかない。それより貴様達は何者だ?」
全く聞き入れてくれない。
任務なんてサボってこそ任務だろうにお堅い見張りだ。
「俺が何者かはもう一回置いといてどうか通してやって下さい。よし、皆でお願いしよう。せーの、お願いします!」
「「お願いします!」」
「これは陛下より承った任務である。逆らう訳にはいかない。それより貴様達は何者だ?」
また同じ定型文。
おまけとばかりに腰に携えた剣に手を添え始めた。
出来れば穏便に済ませたい。
だから、俺は頑張って交渉を続ける。
「姫様!」
「リン!?無事だったのね!」
二人の少女が久方ぶりの再会に抱き合う。
感動的シーンだね。
そういえば見張りがどうなったかって?
ハハハ。
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