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のんびりタイム3
しおりを挟むチンピラの数倍先を行く我らがアイリスちゃん。
それに立ち向かうのは鍛冶屋のドワーフのおっちゃん。
「おい、嬢ちゃん。俺は仮にももう何十年もこいつらと向かい合って来たんだ。そいつがこいつらを渡せる実力があるかどうか見分ける目を持っているつもりだ。あまり俺を舐めるなよ。」
ギンと睨みをきかせて怒りに震えている。
そんなおっさんにアイリスは怯むことなく鼻で笑う、なんでこんな子に育っちゃったんだろう?
「なら、その目は腐っておられるかもしれませんね。私達のご主人様は剣を持てばどんな敵だろうと切伏せますから。」
それはステータスとスキルの恩恵でね。
アイリスの発言に当然納得しないおっちゃんは仕返しとばかりに鼻で笑う。
「ふん、ならそのご主人様の実力とやらを拝ませてもらおうか。ちょっと待ってろ。」
またノッソノソと奥へ帰っていくおっちゃん、でもすぐに何かを持って戻って来た。
その手にあるのは剣。
大きさや長さから片手剣かな。
それを地面へ突き立てる。
斬れ味が良いのか欠けることなく綺麗に刺さっている。
「これは俺が丹精込めて作った作品の一つだ。お前さんの崇めるご主人様のご自慢の剣術でこれにヒビでも入れてみろ。そしたら素直に謝って認めてやる、まぁ無理だろうがな。」
「分かりました。ご主人様やってやりましょう。」
分からないのは俺だけか。
見物に来てどうしてこの流れに行くのだろう?
「お前さんの得物はあるのか?」
そう言われてアイテムボックスの中身を確認する。
グラディウスだったりフランベルジェだったりと元の世界のをモチーフにした剣はチラホラとある。
性能に関しては実物以上。
武器破壊が付いてたり空間断絶なんていう仰々しいものまで付与されている。
流石にこれらは使わないほうが良いよね…。
どうしたものか。
「ご主人様、こちらを使わせて頂きましょう。」
アイリスが持ってきてくれたのは模擬用に作られたであろう木剣。
「おいおい、木なんかで鉄が切れる訳ないだろうが。ふざけるのも大概にしろよ。」
店の主人が呆れるのも無理もない。
普通のまともな常識で考えればたかが木で鉄を切るのはありえない。
鉄よりも硬ければどうにかへし折ることまでは可能だろう。
けれど、自分で認めるのも嫌なものだけど俺らのステータスやスキルは非常識を突っ走っている。
剣術系統のスキルが軒並みMAXでドラゴンを素手で殴り飛ばせるこのステータスなら不可能を可能にしてしまう。
それを見越して渡してきたアイリスにジト目を捧げつつ溜息を大きく吐く。
「はぁ…じゃあ、やるよ。」
「お、おい…。」
冗談はよせって続けようとしてくれていたおっちゃんを無視して木剣を立てられた剣目掛けて横一閃に振るう。
木剣は自分の力以上の負担が掛かってしまったせいか振るった後にバキッと切ない音を鳴らして折れてしまった。
振られた剣の方はうんともすんともしていない。
それを見たおっちゃんは何処か安心したような当然だとでも言いたげな表情を浮かべる。
「ふ、ふんやっぱりな。良い振りだったが木剣で鉄の剣を斬ろうなんてえ…。」
おっちゃんの台詞は途切れた。
それも当然。
斬れないだろうって思ってた鉄の剣が目の前でポロリと真っ二つになったんだもん。
切断面は誰の目からも見ても綺麗なものだ。
あり得ないものを見るように唖然とするおっちゃん。
俺は内心漫画で読んだ事と同じ事が出来てちょっとしたウヒョヒョイ祭りになっていた。
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