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闘技大会と‥
お茶会と盗さ‥
しおりを挟む先程の出来事がまるで無かったように姫さまは笑顔でソファに座る。
あのドレスに付着したものがすごく気になるけど怖くて聞けない。
姫さまに懐いてたヴァルさんも新たな一面に気づいてしまい打ちひしがれている。
この世の現実は常に残酷であると念話から聴こえる。
そうだね、僕もそう思うよ。
お茶会が始まり、僕は話を振られないように目の前のお菓子に集中するけど、彼女たちは許してくれない。
好きな女性のタイプ?
目を合わせず無口で距離を置いてくれる人です。
僕の心労ゲージが溜まっていく。
ここは撮り貯めたもふもふ写真を見て癒されよう。
もしかしたら、写真の方に興味が行ってくれるかもしれない。
取り出した写真を見始めると、アリシアさん、姫さま、ララお姉ちゃんの順で釣られていく。
よし、上手くいった。
この世界に無いものだから興味津々。
僕はテーブルに100枚以上の写真を置いていく。
最初は材質が紙であることに驚き、そこに写るリスさんやうさぎさん達に驚いている。
「これは魔道具なんですか?でも、この紙には魔力を感じませんね。」
「えっと、魔力を込めることで紙にこの覗き穴から見た光景を念写出来るんです。」
「す、凄いですわ。こんな魔道具みたことございません。少し使わせてもらえませんか?」
ふんふんと鼻息の荒い姫さま筆頭に残りの2人も使用許可を求めてくる。
特に問題ないのでどうぞどうぞ。
代わりばんこにお互いを撮り合ったり、外の景色や身近にある家具を撮ったりしている。特に僕の頭の上でくつろぐチビうささんやヴァルさんを多く写真に収めていた。
その度に鼻血を垂らしているけど大丈夫ですか?
「くへへ、この写真は家宝にいたしますわ。」
チビうささん達は可愛いもんね。
分かります。
3人全員とも成果を得たとばかりに鼻血を流している。
でも、撮った写真を頑なに見せてくれないのはどうしてでしょう?
こうして非常に長く感じたお茶会が終わった。
3人はこのまままだお話をするそうで、僕はさっさと退散しよう。
このまま泊まりませんかと聞かれたけど勿論お断りした。
以前と違って案外すんなりと引いてくれた。やっと僕の気持ちが通じたんだね。
ふふふと笑う声が聴こえたけど、王城から出られる喜びであまり気にしませんでした。
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