対人恐怖症は異世界でも下を向きがち

こう7

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帝国の城、捕われのクロウ

小話 そして帝国も動き出す

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ここは最近愛する人を奪われた国の軍兵訓練場。
一人の女性が怒鳴りを上げていた。

「よいかお前達、意地でも探し出すのだ!私の愛する夫を連れ去った愚か者共を!そして、我が夫であるクロウを必ずや救い出すのだ!」

ヒステリックに叫ぶ。
普段は凛々しく美しい姫様がこんなにも乱れるなんて、兵士たちは只事ではないと大きく唾を飲む。

しかし、兵士たちの中で一つだけ疑問もあった。
どうしてお姫様でなくてただの元冒険者の男を攫ったのだろう?
普通、逆じゃね。

でも、口には出さない。
黙って命令に従うのみ。
今日も今日とて帝都及び周辺を探し回る。
相手は隠れるのが上手いのか何の成果も得られないけど。


場所は訓練場からある愛の巣もとい地下室へ。
5人の女性が集まっていた。

「くそっ!あの餓鬼めどこに愛しのクロウを連れ去っていったの!」

再度、姫様は喚き散らす。
彼女の側では白髪の女性が彼の遺した形見である下着を嗅ぎながら泣いていた。
離れ離れを悲しむ様に想いの男性の名前を呼び続けていた。


その中でおっとりとした女性がいつもの微笑みを抑えて口を開く。

「……エルザ、私達は間違っていたのですよ、クロウとの歩み方を。」

「な、何を言っているロアナ!」

「今一度、彼の下着は捨てて自分自身を見つめ直す時が来たのだと思います。」

思わぬ味方からの苦言。

「ふざけるな!クロウをしっかりと愛していた、どこに改め直す必要がある?」

所有物を盗られた姫様に同類の言葉は届かない。

「でもよ、俺は気絶したから分かんねぇけどクロウは自分の意思でここから逃げたんだよな?そうだろロアナ?」

「…ええ。」

「だとしたら、俺らは間違ってたんだろうな。」

「おーほっほっほ(……そうですわね。私達は自分の想いを優先し過ぎていたのかもしれないですわ。エルザ様、一度彼との接し方を考えるべきかと思いますわ。今は距離を置くのが最適ですわ。)」

更には残りの面子までもが自分達が間違っていたと思い始めた。
同士達が徐々に減っていき顔を真っ赤にさせていく。
そして、また叫ぶ。


「うるさいうるさいうるさーい!大好きな人をずっと側に置いて何が悪い間違っている?クロウは渡さない絶対に渡さない!いくぞ、フィオナ。」

「うん、クロウクロウクロウクロウクロウ…。」

ギラつく欲望を宿して帝都からも怪物が解き放たれた。



「ロアナお前があいつらを追ってこい。俺達はあのお転婆姫が巻き込んだ騒ぎを鎮火させてくる。」

「おーほっほっほ!(私も国王様に今回の騒動をちゃんと説明してきますわ。ロアナ、貴方にあの方たちをお任せいたしますわ。こちらは任せなさい。)」

「えぇ、償いを込めて連れ戻してくるわ。」



そして、各国のあらゆる怪物達がある一点を目指し始めた。



あ、白髪さんがフィオナって名前です。

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