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終末のダンジョン

呼ばれて飛び出て王ちゃん

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助けて欲しければ結婚しな。

神様の自作自演からの脅迫状もとい婚姻届。
僕はぶるぶると震える手が止まらない。
こんな圧倒的高い位置からの脅迫、なんて卑劣で卑怯なんだ。さすがは神様、そこに痺れないし憧れない。

「ふふふ、どうしたんですかどうしたんですかー。早く旦那様を助けたいのです。そこに名前を書いて下さいよー。ほらっほら。」

これみよがしに煽ってくる駄目神。
悔しくて悔しくてつい目を合わせるのが苦手な僕でも神様を睨んでしまう。

「そ、そんな熱烈な…。やだ、もう妊娠しそう…。」

もう嫌だこの神。
お腹を触って変な事を言う。
こんな危ないものに迫られているなんて涙が出そう。あ、もう出てた。

「さぁ、早く。さあさあさあ。」

「うぅ…。」


誰か助けて。
僕の心の叫び。

「ようやく出番かのう。早く呼ばんか遅すぎじゃ。」

届いた。
倒れる僕らの前に降臨した小さな女神。その小さな身体に秘めた母性は大きく世界一。
一度その優しさに触れればもう虜。
その姿を見るだけで頼もしくて涙が止まらない。

「お、王ちゃん…現れましたか。」

歯軋りを起こし唇を噛む神様、まさに悪役外道。

「お主、やり過ぎたのう。」

妖精王さんは淡々と言葉を発する。

「ちっ、愛ゆえですよー。」

「それが愛じゃと?ふ、随分と笑わせてくれる。このたわけが!」

で、出た女神様の説教。背景に雷が刺す。

「ひ、ひいっ!」

「愛する者を泣かして何が愛じゃ!今回の折檻は今まで以上に扱いてやるからのう。」

「ぐ、王ちゃんの折檻ですか…。ですが、私の悲願まであと一歩。幾ら王ちゃんとて止めさせはしません。私の覇道の邪魔をするというなら容赦しないですよー。」

「ほう、変態兼ストーカー兼盗撮魔でおまけで神様やってるお主が言うではないか。」

「ちょ、それは言い過ぎでは!」

「やかましい!いざ尋常に勝負せい!」


僕らの女神が邪神に拳を構えた。
ついに戦況は佳境へと歩み始めた。

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