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第一章 日常の中の憂鬱
直人の日常
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四月上旬の香坂大学キャンパスは、新しい季節への期待に瞳を輝かせた新入生たちで溢れかえっていた。在校生たちは慣れた様子でベンチに腰を下ろし、その初々しい光景を微笑ましげに眺めている。
桜並木の下では色とりどりの部活やサークルが勧誘ブースを構え、通りかかる新入生に元気よく声をかけていた。
「ねぇ、もうどこのサークル入るか決めた? よかったらチラシだけでも見ていって!」
「うちのサークルはゆる~いから、友達作る目的で入る人も大歓迎だよ!」
直人は学食の窓際の席で一人昼食を摂りながら、その賑やかな様子をぼんやりと眺めていた。箸を動かす手も自然と緩慢になる。
――僕もあんな風に声をかけられて、軽音部に入ったんだっけ。
音楽が特別好きだったわけでも、楽器を弾けたわけでもない。ただ、一番最初に声をかけてくれたのが軽音部だった。それだけの理由だった。
二年前の春を思い返していると、背後から聞き慣れた声がかけられた。
「直人くん、ちょっといい?」
振り向くと、同じ文学部の矢野美月が立っていた。ショートカットの髪を軽く揺らし、いつものようにどこか困ったような表情を浮かべている。彼女はなぜか直人によく恋愛相談を持ちかけてくる。
「何?」
美月は遠慮も何もなく、直人の向かいの席にストンと腰を下ろした。
「ちょっと相談があるんだけど……」
またいつものパターンだ。直人に解決できるとは到底思えないが、とりあえず聞くしかない。
「うん」
「実は……バイト先の先輩に告白されちゃったんだけど、どう思う?」
そんなことを急に聞かれても、直人には何と答えればいいのかまるでわからない。告白してきた相手がどんな人なのかも知らないのだから。
「え、ええっと……その人のことは、好きなの?」
とりあえず「恋愛相談」らしい言葉を絞り出してみる。
「うーん。悪い人じゃないけど、恋愛感情っていうのは……ないかなぁ」
だったら断ればいいのに。
直人は心の中でそう呟いた。適切なアドバイスなど、思いつくはずもない。
「じゃあ、とりあえず友達として相手のことを知ることから始めたら? 仲良くなったらその人のいいところが見えてくるかもしれないし」
「もうっ! そんなありきたりなアドバイスじゃなくて!」
美月の声が少し大きくなり、周囲の学生たちがちらりとこちらを見る。彼女は声を潜めると、直人の目をまっすぐ見つめて言った。
「直人くんって恋愛経験、ないでしょ?」
胸に矢が突き刺さったような痛みが走った。美月の言葉は完全に図星だったからだ。二十一歳にもなって、まともな恋愛経験がない。それどころか、誰かを「好きになる」という感覚すら味わったことがない。
だからなのだろう。友人が恋人の話をしている時、直人はいつも置いてけぼりを食らったような、疎外感に似た寂しさを感じる。まるで自分だけが違う世界に住んでいるような気がして。
「……ごめん」
直人は素直に恋愛経験がないことを美月に詫びた。
「あ、ごめん。そういうつもりじゃなくて……」
美月は困惑した面持ちで立ち上がると、「じゃあ行くね」とそそくさと席を立って行ってしまった。
やっぱり恋愛経験がないというのは、おかしいことなのだろうか。
美月は恋愛経験も豊富で、この年になれば恋人がいるのが当たり前だと言っていた。
直人には恋人はいない。人を好きになるのってどんな気持ちになるのだろう。少し知りたいと思った。
時計を見ると、軽音部の練習時間が迫っていることに気づいた。食器を片付け、リュックを背負って急いで部室へと向かう。
軽音部の部室は大学の古い建物の三階にある。決して広いわけではないが、適度に掃除が行き届いて清潔だし、楽器と仲間たちの笑い声の絶えない居心地のいい空間だった。
階段を上がるにつれて、楽器の音が徐々に大きくなっていく。先に来ている部員が練習しているのだろう。ベースの重低音が廊下まで響いている。
「お疲れ様です」
直人はドアを開けると礼儀正しく頭を下げて部屋に入った。中には数人の部員がいて、その中に健の姿もあった。来ている人数が少ないのは、新歓ブースに駆り出されているからだった。
直人は楽器が弾けるわけではないので、部活ではマネージャー的な役割を担っている。ライブの企画からライブハウスの予約、販促までをこなす。音楽的才能はないが、細々とした雑務を引き受けることで居場所を見つけていた。
「うーっす」
部室にいる部員たちが、いつもの覇気のない挨拶をする。
健はこちらに目を向けることなく、ベースに指を走らせている。楽器を弾いている時の健は、普段の人懐っこい表情を封印して、音楽への愛情をむき出しにした真剣な眼差しを見せる。その横顔は、同性の直人から見てもはっとするほど格好よかった。
健の指が弦の上を滑るように動くと、低く響く音色が部室全体を包み込む。技術もさることながら、音楽そのものを心から愛しているのが伝わってくる演奏だった。
直人は健の横顔を見ながら、自分がこの後輩のことをどれほど知らないかを改めて思った。
曲が終わり、指を止めた健が顔を上げると、偶然目が合った。
「あっ! 先輩、お疲れ様です!」
ベースをスタンドに立てかけて、まるで子犬のように駆け寄ってくる。
「うん、お疲れ様」
健は直人の隣の椅子に腰掛けると、ペットボトルの水を一口飲んだ。顔の周りの明るめの茶色い髪がふわりと揺れている。きっと手触りが柔らかいんだろうな、と見ていると、健と目が合った。
「何かありました?」
三月の卒業式の日、河川敷の橋の上で泣いていた健の姿を思い出したが、その話を持ち出したところで会話が続くはずもない。
「ううん。髪の毛が柔らかそうだなって思って見てただけ」
思っていたことをストレートに口に出してしまい、少し恥ずかしさを覚えた。しかし健は言われ慣れているのか、にっこりと笑った。健は笑うと目が細くなる。
「そうなんっすよ。俺、髪の毛が柔らかくて、ドライヤー当てただけでこんなふわっふわになっちゃうんです」
そう言いながら、前髪を摘んでみせた。その仕草がどこか愛らしい。
「いいじゃん。僕なんて、寝癖がつきやすくて毎朝大変なのに」
ははは、と乾いた笑いを漏らす。
「俺は先輩の髪色、好きっすけどね」
健は微笑みながら直人の髪をじっと見つめた。その視線に少しくすぐったさを覚える。すると、ふと何か思い出したように健が目を見開いた。
「あっ! そうそう。先輩にお願いがあったんだった」
「お願い?」
一瞬、その言葉に身構えたが、何か必要なものの買い出しなどだろうとすぐに思い直した。
「先輩、新歓ライブの司会、お願いできますか?」
その言葉に目を見開いた。
「司会? 僕が?」
確かに直人は楽器を演奏しないので、手が空いている。しかし、こんな口下手な男に任せられるものではないだろう。司会は観客を引き込む手腕が問われるのだから。
「先輩の話し方、すごく聞きやすいんっすよ。落ち着いた声だし、安心感があるっていうか」
「で、でも、人前で話すのなんて得意じゃないよ……」
直人は眉を下げた。しかし健は怯むことなく続けた。
「大丈夫っすよ。俺がしっかりサポートしますから」
そう言うと親指を立ててにかっと笑った。細くなった目を見ると、どうしても憎めない。
「そこまで言うんなら……やってみるよ」
またいつものように、流されて決めてしまった。
桜並木の下では色とりどりの部活やサークルが勧誘ブースを構え、通りかかる新入生に元気よく声をかけていた。
「ねぇ、もうどこのサークル入るか決めた? よかったらチラシだけでも見ていって!」
「うちのサークルはゆる~いから、友達作る目的で入る人も大歓迎だよ!」
直人は学食の窓際の席で一人昼食を摂りながら、その賑やかな様子をぼんやりと眺めていた。箸を動かす手も自然と緩慢になる。
――僕もあんな風に声をかけられて、軽音部に入ったんだっけ。
音楽が特別好きだったわけでも、楽器を弾けたわけでもない。ただ、一番最初に声をかけてくれたのが軽音部だった。それだけの理由だった。
二年前の春を思い返していると、背後から聞き慣れた声がかけられた。
「直人くん、ちょっといい?」
振り向くと、同じ文学部の矢野美月が立っていた。ショートカットの髪を軽く揺らし、いつものようにどこか困ったような表情を浮かべている。彼女はなぜか直人によく恋愛相談を持ちかけてくる。
「何?」
美月は遠慮も何もなく、直人の向かいの席にストンと腰を下ろした。
「ちょっと相談があるんだけど……」
またいつものパターンだ。直人に解決できるとは到底思えないが、とりあえず聞くしかない。
「うん」
「実は……バイト先の先輩に告白されちゃったんだけど、どう思う?」
そんなことを急に聞かれても、直人には何と答えればいいのかまるでわからない。告白してきた相手がどんな人なのかも知らないのだから。
「え、ええっと……その人のことは、好きなの?」
とりあえず「恋愛相談」らしい言葉を絞り出してみる。
「うーん。悪い人じゃないけど、恋愛感情っていうのは……ないかなぁ」
だったら断ればいいのに。
直人は心の中でそう呟いた。適切なアドバイスなど、思いつくはずもない。
「じゃあ、とりあえず友達として相手のことを知ることから始めたら? 仲良くなったらその人のいいところが見えてくるかもしれないし」
「もうっ! そんなありきたりなアドバイスじゃなくて!」
美月の声が少し大きくなり、周囲の学生たちがちらりとこちらを見る。彼女は声を潜めると、直人の目をまっすぐ見つめて言った。
「直人くんって恋愛経験、ないでしょ?」
胸に矢が突き刺さったような痛みが走った。美月の言葉は完全に図星だったからだ。二十一歳にもなって、まともな恋愛経験がない。それどころか、誰かを「好きになる」という感覚すら味わったことがない。
だからなのだろう。友人が恋人の話をしている時、直人はいつも置いてけぼりを食らったような、疎外感に似た寂しさを感じる。まるで自分だけが違う世界に住んでいるような気がして。
「……ごめん」
直人は素直に恋愛経験がないことを美月に詫びた。
「あ、ごめん。そういうつもりじゃなくて……」
美月は困惑した面持ちで立ち上がると、「じゃあ行くね」とそそくさと席を立って行ってしまった。
やっぱり恋愛経験がないというのは、おかしいことなのだろうか。
美月は恋愛経験も豊富で、この年になれば恋人がいるのが当たり前だと言っていた。
直人には恋人はいない。人を好きになるのってどんな気持ちになるのだろう。少し知りたいと思った。
時計を見ると、軽音部の練習時間が迫っていることに気づいた。食器を片付け、リュックを背負って急いで部室へと向かう。
軽音部の部室は大学の古い建物の三階にある。決して広いわけではないが、適度に掃除が行き届いて清潔だし、楽器と仲間たちの笑い声の絶えない居心地のいい空間だった。
階段を上がるにつれて、楽器の音が徐々に大きくなっていく。先に来ている部員が練習しているのだろう。ベースの重低音が廊下まで響いている。
「お疲れ様です」
直人はドアを開けると礼儀正しく頭を下げて部屋に入った。中には数人の部員がいて、その中に健の姿もあった。来ている人数が少ないのは、新歓ブースに駆り出されているからだった。
直人は楽器が弾けるわけではないので、部活ではマネージャー的な役割を担っている。ライブの企画からライブハウスの予約、販促までをこなす。音楽的才能はないが、細々とした雑務を引き受けることで居場所を見つけていた。
「うーっす」
部室にいる部員たちが、いつもの覇気のない挨拶をする。
健はこちらに目を向けることなく、ベースに指を走らせている。楽器を弾いている時の健は、普段の人懐っこい表情を封印して、音楽への愛情をむき出しにした真剣な眼差しを見せる。その横顔は、同性の直人から見てもはっとするほど格好よかった。
健の指が弦の上を滑るように動くと、低く響く音色が部室全体を包み込む。技術もさることながら、音楽そのものを心から愛しているのが伝わってくる演奏だった。
直人は健の横顔を見ながら、自分がこの後輩のことをどれほど知らないかを改めて思った。
曲が終わり、指を止めた健が顔を上げると、偶然目が合った。
「あっ! 先輩、お疲れ様です!」
ベースをスタンドに立てかけて、まるで子犬のように駆け寄ってくる。
「うん、お疲れ様」
健は直人の隣の椅子に腰掛けると、ペットボトルの水を一口飲んだ。顔の周りの明るめの茶色い髪がふわりと揺れている。きっと手触りが柔らかいんだろうな、と見ていると、健と目が合った。
「何かありました?」
三月の卒業式の日、河川敷の橋の上で泣いていた健の姿を思い出したが、その話を持ち出したところで会話が続くはずもない。
「ううん。髪の毛が柔らかそうだなって思って見てただけ」
思っていたことをストレートに口に出してしまい、少し恥ずかしさを覚えた。しかし健は言われ慣れているのか、にっこりと笑った。健は笑うと目が細くなる。
「そうなんっすよ。俺、髪の毛が柔らかくて、ドライヤー当てただけでこんなふわっふわになっちゃうんです」
そう言いながら、前髪を摘んでみせた。その仕草がどこか愛らしい。
「いいじゃん。僕なんて、寝癖がつきやすくて毎朝大変なのに」
ははは、と乾いた笑いを漏らす。
「俺は先輩の髪色、好きっすけどね」
健は微笑みながら直人の髪をじっと見つめた。その視線に少しくすぐったさを覚える。すると、ふと何か思い出したように健が目を見開いた。
「あっ! そうそう。先輩にお願いがあったんだった」
「お願い?」
一瞬、その言葉に身構えたが、何か必要なものの買い出しなどだろうとすぐに思い直した。
「先輩、新歓ライブの司会、お願いできますか?」
その言葉に目を見開いた。
「司会? 僕が?」
確かに直人は楽器を演奏しないので、手が空いている。しかし、こんな口下手な男に任せられるものではないだろう。司会は観客を引き込む手腕が問われるのだから。
「先輩の話し方、すごく聞きやすいんっすよ。落ち着いた声だし、安心感があるっていうか」
「で、でも、人前で話すのなんて得意じゃないよ……」
直人は眉を下げた。しかし健は怯むことなく続けた。
「大丈夫っすよ。俺がしっかりサポートしますから」
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