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16話 12月19日(3)
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「レティ、警備員さんが部屋で詳しい話聞きたいって……レティ?」
「ごめんなさい、先生。私、ちょっと用事思い出しちゃった」
呆然と伝えるレティに、深雪は思考を巡らせる。
(そういえばレティはこの大学の学生じゃないんだった)
「そっか。分かった」
軽い気持ちでそう答えると、レティは視線を外したまま頷いた。彼女の表情は窺い知れない。レティは深雪のことを1度も見ずに行ってしまった。
(今日の授業、休講かな)
深雪がそう考えながら警備員に連れていかれた頃、レティは校舎の裏に回る道を進んでいた。ふと立ち止まり、周りに人の気配がないことを確認すると、レティは一直線に飛び上がった。
飛び上がった先にいたのはヘラだ。2人はの戦闘は、初めてレティの先制攻撃から始まった。その表情は憤怒に支配されているようだ。目を見開き、じいっとヘラを見つめながら、大鎌で襲い掛かる。
また、鈍い金属音がした。
ヘラは重たいその攻撃を何とか両手剣で受け止める。
「おーおー、突然どうしたレティ」
「許さない。先生を襲ったこと」
「死ななかったんだからいいじゃねえか」
「そういう問題じゃないわ!あなたね、いい加減に先生の命で遊ぶのやめてよ!私は、ただ」
レティの頬を濡らしたそれに、ヘラは目を疑った。
「ただ先生と一緒に居たいだけなの!」
レティは泣いていた。ぽろぽろと白い頬を涙の雫が伝っていく。そうやって泣きさけんで大鎌を振り回す様子は、まるで癇癪を起した子供のようだった。
「レティ、お前、それを止めろ」
何故かヘラの胸部がざわざわと騒ぎ始める。どうしてか、レティに共鳴するように目頭が急激に熱を持った。
「それを止めろ!」
レティは聞かない。ヘラはいつの間にか、間髪入れずに繰り出される攻撃をかわすことで精一杯だった。
ヘラは苦痛に叫んだ。
「止めろって!」
「止まらないのよ!なんでか分からないけど、これはもう私の意思じゃ止められないの!あなたのせいよ!」
「はあ!?」
「あなたが先生に興味なんて持たなければ、私たちに近付かなければ、私だってこんな風にならなかった。私だって、自分で自分が分からないんだから!」
「お前、言っていることが支離滅裂だぞ!」
「うるさい!全部全部、あなたのせいよ!何がしたいのよ!私たちのことからかって楽しいの?遊んでるつもり?どうせ魂が狩れればそれでいいんでしょう!?いい加減目障りなのよ!もう放っておいて!私たちのことは、放っておいてよ!」
大鎌を振りかざしながら、レティは叫び続けた。その悲痛なまでの訴えが、あるはずもないヘラの心に響いて胸が痛んだ。
ヘラはレティの攻撃を両手剣で受け流し、後ろに数歩引いた。レティが追いかけようと足に力を入れた時、ヘラは両手を上げた。その手にはもうデスロードは握られていなかった。
「分かった。もう消えるから。それでいいんだろ」
ヘラが舌打ちをして言ってきた。
レティは訝しみながら訊ねる。
「何よ、急に」
「お前の近くにいると、俺までおかしくなりそうだ」
ヘラは静かにレティを見下ろす。レティは双眸から涙をこぼしながらも、毅然とヘラを睨み上げる。
「そう。もう二度と現れないで」
「ああ。そうするよ。……レティ」
ヘラが踵を返す。レティを呼ぶときも、こちらを見てはいなかった。
「本当に、気を付けろよ」
それはヘラなりに、レティを案じての言葉だった。
「分かってるわ」
「ならいいんだけどよ」
ヘラはそれを最後に、空中に消えていった。
「ごめんなさい、先生。私、ちょっと用事思い出しちゃった」
呆然と伝えるレティに、深雪は思考を巡らせる。
(そういえばレティはこの大学の学生じゃないんだった)
「そっか。分かった」
軽い気持ちでそう答えると、レティは視線を外したまま頷いた。彼女の表情は窺い知れない。レティは深雪のことを1度も見ずに行ってしまった。
(今日の授業、休講かな)
深雪がそう考えながら警備員に連れていかれた頃、レティは校舎の裏に回る道を進んでいた。ふと立ち止まり、周りに人の気配がないことを確認すると、レティは一直線に飛び上がった。
飛び上がった先にいたのはヘラだ。2人はの戦闘は、初めてレティの先制攻撃から始まった。その表情は憤怒に支配されているようだ。目を見開き、じいっとヘラを見つめながら、大鎌で襲い掛かる。
また、鈍い金属音がした。
ヘラは重たいその攻撃を何とか両手剣で受け止める。
「おーおー、突然どうしたレティ」
「許さない。先生を襲ったこと」
「死ななかったんだからいいじゃねえか」
「そういう問題じゃないわ!あなたね、いい加減に先生の命で遊ぶのやめてよ!私は、ただ」
レティの頬を濡らしたそれに、ヘラは目を疑った。
「ただ先生と一緒に居たいだけなの!」
レティは泣いていた。ぽろぽろと白い頬を涙の雫が伝っていく。そうやって泣きさけんで大鎌を振り回す様子は、まるで癇癪を起した子供のようだった。
「レティ、お前、それを止めろ」
何故かヘラの胸部がざわざわと騒ぎ始める。どうしてか、レティに共鳴するように目頭が急激に熱を持った。
「それを止めろ!」
レティは聞かない。ヘラはいつの間にか、間髪入れずに繰り出される攻撃をかわすことで精一杯だった。
ヘラは苦痛に叫んだ。
「止めろって!」
「止まらないのよ!なんでか分からないけど、これはもう私の意思じゃ止められないの!あなたのせいよ!」
「はあ!?」
「あなたが先生に興味なんて持たなければ、私たちに近付かなければ、私だってこんな風にならなかった。私だって、自分で自分が分からないんだから!」
「お前、言っていることが支離滅裂だぞ!」
「うるさい!全部全部、あなたのせいよ!何がしたいのよ!私たちのことからかって楽しいの?遊んでるつもり?どうせ魂が狩れればそれでいいんでしょう!?いい加減目障りなのよ!もう放っておいて!私たちのことは、放っておいてよ!」
大鎌を振りかざしながら、レティは叫び続けた。その悲痛なまでの訴えが、あるはずもないヘラの心に響いて胸が痛んだ。
ヘラはレティの攻撃を両手剣で受け流し、後ろに数歩引いた。レティが追いかけようと足に力を入れた時、ヘラは両手を上げた。その手にはもうデスロードは握られていなかった。
「分かった。もう消えるから。それでいいんだろ」
ヘラが舌打ちをして言ってきた。
レティは訝しみながら訊ねる。
「何よ、急に」
「お前の近くにいると、俺までおかしくなりそうだ」
ヘラは静かにレティを見下ろす。レティは双眸から涙をこぼしながらも、毅然とヘラを睨み上げる。
「そう。もう二度と現れないで」
「ああ。そうするよ。……レティ」
ヘラが踵を返す。レティを呼ぶときも、こちらを見てはいなかった。
「本当に、気を付けろよ」
それはヘラなりに、レティを案じての言葉だった。
「分かってるわ」
「ならいいんだけどよ」
ヘラはそれを最後に、空中に消えていった。
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