聖女ですが追放されたので、怪しい3人衆と旅をすることにしました。

蒼依月

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第1章

7話

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 ウェストの話が終わると、スイが動き出した。次は自分が伝えるという。

「スイは、人魚。だから本当は海の中に住んでる。鱗、見る?」

 スイが袖を捲って鱗を見せてくる。

(昨日見えたのは嘘じゃなかったんだ。本当にこの子は人魚なのね)

「信じた?」
「最初から疑ってないよ」
「そう……。スイは、裏切られたの。ずっと好きだった先生がいて、その先生に裏切られた。絶対に盗んじゃいけないものを盗んだって、スイはやってないのに、皆からそう言われた」

(私みたい)

 思わずシオンはスイの頭を優しく撫でてあげた。スイは最初驚いたように目を見開いていたが、次第に気持ちよさそうにすり寄ってきた。

「やってないから、やってないって言ったの。そしたら罪を認めないなら海から追い出すって、それで、海からの追放って言われたの。沢山追いかけられて、必死に逃げてたらいつの間にか打ち上げられてた。何度も戻ろうとしたけど、出来なかった。そのうち息が出来なくなって倒れてたら、ガーラが助けてくれたの」

 スイはガーラを見る。

「ガーラは何でもできるの。ガーラに人間にしてもらって、スイは陸上でも生きられるようになった。それからガーラに付いていくことにした。スイの話はこれで終わり。シオンお姉ちゃん、スイのこと分かった?」
「うん。話してくれてありがとう。ねえ、スイは、何歳なの?」
「10歳」
「そう」

(どの種族でも、同じようなことをするのね)

 シオンはこの世の影の一端を見たような感覚がした。
 スイの話の途中でウェストが出してくれたお茶を嚥下する。温かな紅茶だ。良い香りもする。
 シオンは少し落ち着きを取り戻して、最後のガーラに向き直った。

「ガーラさん」
「ああ。僕の話をしよう。その前に、君に確認したいことがある」
「はい」
「君は勇者の存在を知っているか?」
「名前だけ知っています。確か、数年前に異世界から召喚されて、魔王を倒したとか。お会いしたことはありません」

(そういえば最近勇者の噂を聞かないな。魔王を倒した後、どうしてるんだろう)

「僕はその勇者だ。もう、元、だけどな」
「…………え?」

 目が点になるとはこのことかと思うくらい、シオンの思考はしばらくの間停止した。表情も固まって、ただただ目の前のガーラを見つめる。

(え、なに?勇者?この人が?)

「嘘……」
「嘘はつかないと先程誓ったが」
「で、でも、だとしたらどうしてこんなところにいるのですか?」
「それを今から話す。どうか、嘘だとは思わないでほしい」
 
 ガーラの真剣な眼差しに圧倒され、シオンは思わず頷いた。

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