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1章
マリーガール
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「ラナ様、本当によろしいのですか?」
マリーは自分の来ているシルクのドレスを見る
淡い黄色のドレスにピンク色の花の刺繍がされていて…間違いなく高価だ
何しろこれはラナ様が結婚式用に持ってきたドレス
「もちろんよ、マリー…マリーがマリーガールって」
ラナ様はふふと笑いをこぼしたが、その目はどこか寂しそうで
「マリーガールは親戚がやるものでしょう?」
「今回お父様もお母様も誰も来ないの」
ラナ様が俯く
「どうしてですか?」
「ジョン叔父様知ってる?」
「えっと伯爵家の…?」
確かメイドにも気を使える人で、奥様がなくなってからは独り身の…
「そう…ジョン叔父様が亡くなったの」
「え…」
まだ若かったよね?
「それで葬儀があるから…私も帰りたかったけど帰っても葬儀は既に終わってるでしょうから」
「そんな…」
「私ね、ジョン叔父様が校長を務めているウァハール学園の聖堂で家族に見られながら好きな人(ルイ様)と結婚式をあげるって信じてやまなかったの」
「ラナ様」
「大丈夫泣かないわ」
ラナ様はその言葉の通り気丈な顔をしている…ように見える
「…」
「終わったら思い切り泣いていい?」
「どうぞ」
「じゃあ行きましょう?」
「はい」
ドアノックの獅子を持つと、騎士が中にいるであろう閣下に声をかける
「閣下!ラナ・リッテン・アーテン令嬢がいらっしゃいました」
「公爵閣下。ラナ・リッテン・アーテンです」
ベールを被った閣下はとてもかっこよくどこか「彼」に似ていた
そのエイムズ公爵家の紋章が入ったベールも似合っている
「…好き」
思わず零れた一言が誰にも聞こえていないと安心するなんて
「とても美しい」
「…」
「…忘れてくれ」
閣下はラナ様がお好きなのか…
「行きましょう…か」
ラナ様が閣下をチラリと見て遠慮がちに声をかける
「そうですね」
閣下もマントを翻し、ドアに向かったが
その耳は…赤かった
「ほら、マリー置いてくわよ」
「すみません」
もしラナ様が閣下の事を好きだと言ったら私はどうすればいいの?
バカね…彼と閣下は別人なのに
「閣下はマリーボーイはどちらになさったのですか?」
ラナ様が閣下に質問する
「アイザックです」
アイザック?血の繋がりがあるの?
「親類では無いのですね」
「いないもので、ラナ嬢は?」
「マリーです。家族が来れず申し訳ございません」
「聞きました。大丈夫ですよ…私もいないので」
「そういえば今日皇帝陛下がいらっしゃるとか」
皇帝陛下?
「ええ」
一瞬だけ閣下の顔が曇るが、すぐに「笑顔」になる
「それは…ミスしないか怖いですね」
「ラナ嬢なら大丈夫ですよ」
マリーは自分の来ているシルクのドレスを見る
淡い黄色のドレスにピンク色の花の刺繍がされていて…間違いなく高価だ
何しろこれはラナ様が結婚式用に持ってきたドレス
「もちろんよ、マリー…マリーがマリーガールって」
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「え…」
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「そんな…」
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「ラナ様」
「大丈夫泣かないわ」
ラナ様はその言葉の通り気丈な顔をしている…ように見える
「…」
「終わったら思い切り泣いていい?」
「どうぞ」
「じゃあ行きましょう?」
「はい」
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「公爵閣下。ラナ・リッテン・アーテンです」
ベールを被った閣下はとてもかっこよくどこか「彼」に似ていた
そのエイムズ公爵家の紋章が入ったベールも似合っている
「…好き」
思わず零れた一言が誰にも聞こえていないと安心するなんて
「とても美しい」
「…」
「…忘れてくれ」
閣下はラナ様がお好きなのか…
「行きましょう…か」
ラナ様が閣下をチラリと見て遠慮がちに声をかける
「そうですね」
閣下もマントを翻し、ドアに向かったが
その耳は…赤かった
「ほら、マリー置いてくわよ」
「すみません」
もしラナ様が閣下の事を好きだと言ったら私はどうすればいいの?
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ラナ様が閣下に質問する
「アイザックです」
アイザック?血の繋がりがあるの?
「親類では無いのですね」
「いないもので、ラナ嬢は?」
「マリーです。家族が来れず申し訳ございません」
「聞きました。大丈夫ですよ…私もいないので」
「そういえば今日皇帝陛下がいらっしゃるとか」
皇帝陛下?
「ええ」
一瞬だけ閣下の顔が曇るが、すぐに「笑顔」になる
「それは…ミスしないか怖いですね」
「ラナ嬢なら大丈夫ですよ」
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