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1章
優秀な夫人
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本館に移された私たちの部屋から執事長の部屋までは3分位
執事長の部屋はここか…結構立派だな
コンコンコン
「失礼します、アイザック様」
「どうぞ」
「こちらを届けに参りました」
紙を手渡す
「まさかもう決まったのですか?」
「まずは面接したいということでありますが」
ペラ
「それは当然です。しかし…なぜこの人選なのか伺っても?」
「はい。ハイリ令嬢はワミャーの生産地なので…復興できるかと思いまして」
「…これは驚きですね。旦那様が候補に入れてみろと仰った時にはなぜだかわからなかったのですが…」
「私ではありませんよ」
バレてはいけない。少しだけ優秀なメイドでいいのだ
「奥様ですか?優秀な方がここにもいるのですね」
「ええ、ラナ様は優秀な方です」
「でしたら貴方の助けなど必要ないですか?」
アイザック様がボソリと呟く
「え?なんておっしゃいましたか?」
「いえ、2日後の夜9時に応接間に来ていただけませんか?奥様のことで」
「かしこまりました」
「おかえり!」
「ラナ様、ただいま帰りました」
「受理された?」
「はい」
「じゃあ公爵夫人として仕事しないとね」
「いや、1回お茶にしませんか?」
「いいわよ」
「厨房にていい匂いがしたので貰ってきちゃいました」
ローズティーを見せる
「まあ、これ!早速やりましょ」
「クッキーも焼いたの貰ってきたので…食器はどこですか?」
「あっちの1番上の棚よ」
「では、この食器を…あっ!」
手が滑り食器を落としてしまった
「申し訳ございません!ラナ様」
ラナ様に頭を下げる
「あら…珍しいわね。マリーがそんなミスするなんて」
「如何な…」
「しないわよ!それよりマリー怪我してない?」
ラナ様が近づいてくるので私は慌てて制よスリッパ履いてるんだから」
「私が片付けるので少々お待ちください」
これは確か…アンリお坊ちゃまからの…
どうしよう。間違いなくあの方はお許しにならないだろう
「どうしたの?マリー」
「すみません!では今度こそ食器を」
ゆっくり慎重にとる
「どうぞ」
「うん!美味しいわ」
「良かったです…ラナ様!」
クッキーを持ったラナ様の手が私の口元に向かう
「ふふ、美味しいでしょ」
「…美味しいです」
執事長の部屋はここか…結構立派だな
コンコンコン
「失礼します、アイザック様」
「どうぞ」
「こちらを届けに参りました」
紙を手渡す
「まさかもう決まったのですか?」
「まずは面接したいということでありますが」
ペラ
「それは当然です。しかし…なぜこの人選なのか伺っても?」
「はい。ハイリ令嬢はワミャーの生産地なので…復興できるかと思いまして」
「…これは驚きですね。旦那様が候補に入れてみろと仰った時にはなぜだかわからなかったのですが…」
「私ではありませんよ」
バレてはいけない。少しだけ優秀なメイドでいいのだ
「奥様ですか?優秀な方がここにもいるのですね」
「ええ、ラナ様は優秀な方です」
「でしたら貴方の助けなど必要ないですか?」
アイザック様がボソリと呟く
「え?なんておっしゃいましたか?」
「いえ、2日後の夜9時に応接間に来ていただけませんか?奥様のことで」
「かしこまりました」
「おかえり!」
「ラナ様、ただいま帰りました」
「受理された?」
「はい」
「じゃあ公爵夫人として仕事しないとね」
「いや、1回お茶にしませんか?」
「いいわよ」
「厨房にていい匂いがしたので貰ってきちゃいました」
ローズティーを見せる
「まあ、これ!早速やりましょ」
「クッキーも焼いたの貰ってきたので…食器はどこですか?」
「あっちの1番上の棚よ」
「では、この食器を…あっ!」
手が滑り食器を落としてしまった
「申し訳ございません!ラナ様」
ラナ様に頭を下げる
「あら…珍しいわね。マリーがそんなミスするなんて」
「如何な…」
「しないわよ!それよりマリー怪我してない?」
ラナ様が近づいてくるので私は慌てて制よスリッパ履いてるんだから」
「私が片付けるので少々お待ちください」
これは確か…アンリお坊ちゃまからの…
どうしよう。間違いなくあの方はお許しにならないだろう
「どうしたの?マリー」
「すみません!では今度こそ食器を」
ゆっくり慎重にとる
「どうぞ」
「うん!美味しいわ」
「良かったです…ラナ様!」
クッキーを持ったラナ様の手が私の口元に向かう
「ふふ、美味しいでしょ」
「…美味しいです」
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