仮面を被った彼女は公爵邸でもう一度恋をする

ARIA

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1章

好きになってくれてありがとう

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「私は貴方のお気持ちには答えられません。ごめんなさい」

深々とではない。マリーだけど『ユリ』を好きになってくれた彼に嘘偽りは見せられない

私は20度、故国…私の身分における最大限の礼をした

「ああ、やっぱりそうか。何故か聞いていいか?」

「はい。私には好きな人がいるんです」

「こっちでか?」

「はい」

「付き合ってないのか?」

「雲の上の方ですから」

「そうか。公し、いや時間をくれて」

何か言いかけてから少し照れてからオリバーおぼっちゃまはいった

「ありがとう。それから俺には遠慮なく接していいし、そいつに振られたら来てもいい」

「ありがとうございます」

でも告白する事はないんだろうな

「じゃあ」

「オリバーお…オリバー様最後に私を好きになってくれてありがとう」

これだけはユリの言葉でもいいよね

オリバーおぼっちゃま…いや、オリバー様は振り返って笑顔で言った

「俺の方こそ好きって気持ちを分からせてくれてありがとな」



「…はぁ」

「旦那様、どうなさいました?」

「なんか気を張りつめてたから」

嘘だ

俺は今令息には悪いが安心している

とめないのは俺の信念でもあるが、それでも何故か安心している

「行くぞ」

「は、はい」

マリー、お前は本当にユリなのか

ユリなら俺と…馬鹿な事考えるなユリだとしても今は妻のメイドだ

忘れろあいつ(皇帝)に弱みを見せて何人死んだと思ってるんだ?

忘れるな俺の罪を





昨日遅くまで起きてたからかな?

11時なのにまだ眠い…

「マリー」

「はい、アンリおぼっちゃま」

「今から30分後そっちに行くとラナに伝えてくれ」

「申し訳ございません。ラナ様はお茶会を」

「そうなのか」

「はい」

「じゃあ教えてくれないか」

「何をですか」

「オリバー」

「オリバーおぼっちゃま?」

「昨日から元気がない」

「それ、は」

そりゃそうだよね

「…まあいい。オリバーが元気がなくて困ることは無い」

…分かってる。アンリ様の言ってることは確かにそうだろうなって

でも悲しい

家族なのに元気がなくて困らないなんて

「まあいい。近々会おうと伝えてくれ」

「かしこまりました」

一礼。角度は1度でもずれてはならない

「ああ」


  
「ラナ様」

「マリー、ありがとう」

ラナ様にご招待した皆様に渡すハンカチを手渡す

「皆様、こちら大したものではございませんが」

渡したのはハンカチだ

綺麗な糸のラナ様の得意な刺繍

「ありがとうございます」

「夫人一つ質問をよろしいですか」

「答えられるものなら」

「先日、ウェストリッテン王国でルイ王子が薨去為さったとか」

質問をした夫人は笑っていた

「私も伺いましたわ」

「恋仲だったとか。今のお気持ちは」


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