世界地図書き換えよう! 〜【測量士】の少年は何を測量しているのか・・・測るものは地形だけではありません〜

ばふぉりん

文字の大きさ
5 / 38

昔話

しおりを挟む
 モリスさんが立ち塞がった。

▶︎逃げる
 戦う

「流石はご自身で『ソコソコ強い』と仰るだけはありますな。いくら油断していたとはいえ家長・・・この街の隊長をあぁも容易く組み伏せるなんて・・・その強さの秘密を知りたいところですが、今はそんな話ではありませんね」

 家長を倒された(転倒)お礼?確かにここにきた時のモリスさんの動きには目を見張るものがあったけど、実際は速くなかったけどな・・・

「先程のお嬢様の言葉は多少淑女にあるまじきモノが混ざっておりましたが、市井へ出ればその比ではございません。むしろ、言葉だけで済むかどうかさえも」

 言葉の暴力じゃなくて、本当の暴力ね

「さっきの感じからして、身内から【測量士】が出ちゃったの?兄弟とか母親とか・・・母親だったら順番が逆か・・・」

「ほっほっほ。モーリアさんは慧眼ですな。ここではなんですので、奥の私の部屋へ移動しませんか?」

 まぁ、ここ玄関だしね・・・

「さて、ここなら大丈夫でしょう。門番には先程『モーリア少年は帰った』と言い含めておきましたから」

 流石だね。復活したら間違いなく門番に話を聞きにいくだろうからね

「ここがモリスさんの私室なら、さっきの串肉出しても良いよね?飲み物と乾物もあるから、食べながら話しを聞いても良いかな?」

 そう言って木で作った器やコップを出して、果実酒と豆類・・・干し肉と件の串肉を出した

「・・・器の準備も・・・」

「一人で移動するにしても、食器類は大事でしょ?解体後も調理するわけだし・・・飲み物もね」

「ほっほっほ。全く隙が見当たりませんね。本当に貴方は【測量士】なのですか?疑いたくなりますね」

 ホント、なんでこのJobがここまで迫害されているのかわかんないや。ボクとしては上手く使っているつもりなんだけど

「さて、お腹と喉を潤し、ツノ兎がここまでの美味しさとは、長い生の中で初体験でした。ごちそうさま。

 さて、本題と言うほどではありませんが、くれぐれもこの話は」

「大丈夫。聞かなかった。本来知るべき話じゃないってことでしょ?」

 そうして語られたのは・・・カシューの双子の兄の話だった。要約すると天啓を授かった日、父親に言ったが少しだけ顔を曇らせるだけで特には何も言われなかった兄。そして冒険者登録の日に父親から打ち明けられた【測量士】の秘密。

~~

「そんな話信じられません!私は立派な兵士に!父上の息子として!」

「ダメだ。必ずお前は傷付く・・・だから・・・」

「お兄様?」

~~

「翌朝、勝手に冒険者ギルドへ登録に行った際に、【測量士】である事や、他に何の技能もないことから良いように遊ばれ、結果家に戻った後・・・心も折れて・・・今は離れで養生をされておられます。お嬢様も登録に行かれましたが、逆に持て囃され・・・その前日の笑い話としての事を有る事無い事・・・その結果が・・・」

「なるほど・・・辛かったね・・・それは」 

 双子の兄がそうなったんなら・・・さっきの剣幕はそうだよね・・・あれはからの・・・ボクが傷つく事から護る為の・・・

「アハハハ。カシューは優しい子だね」

「はい。とても・・・お優しい方です」

 Jobもそうだけど、芯から・・・

「じゃぁ、ボクは明日登録に行くとしますね」

「・・・何かお考えでも?」

「そうだね・・・【測量士】っていうJobがなんでここまで迫害されているのかも気になるけど、カシューのお兄さんの敵討ちかな?双子の心はとても似ているからね・・・カシューの心が光なら、その兄も間違いなく・・・是非とも戻ってきてもらわなきゃ」

 測量をすると、対象までの距離がわかる。その先には・・・その流れの先にあるのは・・・だ。動く方向がわかる。その動いた先の距離も。勿論そこにたどり着くまでは努力が必要だし、それだけじゃない。

「モリスさん。イボールさんはさっき『最後は他人任せ』って言ったけど、実は剣も短剣もどんな武器も使えるんだよ?」

「・・・え?」

「これはボクの勝手な思い込みかもしれないけど、世界にはってあるよね?その地図っていつ誰が作ったのかな?って」

「それは・・・」

「その地図を作ったのって【測量士】なんじゃないかな?自分のいる地点から目標までの正確な距離や高さをしることができる。けど、その間も移動中も常に戦闘の気配はあるでしょ?それらをパーティーを組んで回避していたのかな?もしかしたら自分で解決していたとしたら?それこそ・・・以外・・・」

「もしその仮説が正しければ・・・」

「まぁ、正しかったとしても、現状は中々変わらないと思うよ?それでも一石を投じてみるつもりではあるけどね?」

 昔がどうであったかよりも、今この時間を生きているのはカシューの兄であり、ボク自身だ。その物語の行手を阻む権利は誰にもない。カシューにあんなを吐かせるなんて・・・あっちゃいけないんだ。

「さて、夜も迫ってきております。隣に他の使用人が使っていた空き部屋があるので、今日はそこをお使いください」

「ありがとうございます。それでは遠慮なく使わせてもらいますね。おやすみなさい」

 そう言って隣の部屋に入ると、久しぶりのベッドに飛び込み・・・あっさりと意識を手放した


~~

「大丈夫ですかお父様!」

「なんだ?何が起こったんだ?カシュー!俺に何が起こったかわかるか?」

 モーリアが部屋から出て行った後、暫くは目の前で起こった事象を正しく捉えることができず、呆けていたが

「モーリアがお父様の手を取って・・・気がつけばお父様が倒れていて・・・その喉元に剣が突きつけられていました」

「・・・彼は本当に【測量士】なのか?」

「わかりません・・・私自身が話しと全く違いますから」

「そうだな・・・でも・・・あの様子ならモーリアは間違いなく強い。それこそ『ソコソコ』なんてレベルではないほどにな」

「そうですね・・・モーリアなら・・・」

「カシュー?名前を呼ばれるのもかったんじゃないのか?」

「・・・もぅ・・・わかってて言ってますね?」

「多分後のことはモリスが上手く事を運んでくれていると思うから、今日は休もう・・・串肉の余韻を楽しまずに、きちんと歯を磨いて寝るんだぞ?」

「・・・」

 さて、門番に言い含めなくとも、やはり家長でしたな・・・

~~

 翌朝、モリスが部屋を訪れたときには既にモーリアの姿はなく、書き置きと木皿が置いてあり

『昨夜は貴重なお話ありがとうございました。ツノ兎の肉を気に入られていたようなので、数羽置いていきます。登録が終わりましたらご挨拶に伺わせていただきますので』

 そして木皿にはキンキンに凍ったツノ兎の肉が置かれていた

「・・・まさか・・・魔法も?」


~~

「さって、聞いた通りならこの先に冒険者ギルドが・・・あったあった」

 しかし・・・これは何のマークだろう?剣と・・・羽根?が交差してるけど・・・まぁいっか。きっとのマークなんだろう

「さて・・・受付は・・・」

 中に入ると壁の一部に人だかりができていて、カウンターには男性と女性が二名・・・いや・・・女性とが二名・・・

「・・・筋骨隆々だけど、女性の受付さんと同じ服装・・・何かの罰ゲーム・・・ってわけでもなさそうだな・・・なら・・・」

 と考えていたら目が合ってしまい手招きされた

「・・・行くしかないか・・・」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~

あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。 それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。 彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。 シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。 それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。 すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。 〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟 そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。 同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。 ※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

処理中です...