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1話 シュウ
しおりを挟む「おかえりー」
部活終わり、自分の部屋のドアを開けると俺のベッドの上に幼なじみのアイリがいた。
俺は小さい頃からアイリのことが好きだった。
だけど、アイリは俺のことなんとも思ってない。
アイリの両親が忙しくてなかなか家に帰ってこないことから、昔から家に入り浸っている。
高校生になった今もまだ来ているということはなんとも思われていないということだった。
そんなこともあり、俺も自信がなくてまだ告白出来ていない。
「俺の部屋勝手に入るなよ。入るとしても許可とれよ」
「いいじゃん、小学校の頃から来てるんだから。今更何言ってんの」
「何しに来たんだよ?」
「この漫画の続きが見たくなってきた。もうそろ読み終わる」
「読み終わったら帰るんだぞ」
「えー。別にいいじゃん。ここはわたしの家みたいなもんなんだからさ」
「お前の家じゃない」
「週2ペースで来てるんだから私の家みたいなもんだよ。シュウのママもいつも歓迎してくれるし」
「母さんはアイリのこと大好きだもんな」
「昔から結婚すればいいのにとかよく言われてたなー」
「まだ諦めてないっぽいよ」
「そんなこと言われても絶対結婚とかないのにね。読み終わった!」
そう言い、漫画を本棚の元の位置に戻し、スマホをいじり始めた。
「この子、また彼氏の投稿あげてる。いーなー彼氏欲しい」
「お前彼氏いたことないもんな」
「うるさい!シュウだってないくせに」
「俺はあえてつくってないの」
「欲しいって思ったことないの?」
「ないわけじゃないけど、その人に恋愛対象に見てもらえないからな」
「じゃあ、できないってことじゃん。ていうか好きな人いたんだね、だれ?」
「教えなーい」
「ふーん。ていうか、私も好きな人欲しいな」
「好きな人はつくるもんじゃないよ」
「でも、私の周りって男子いなくて出会いもないんだもん。つくりに行かなきゃ出来なくない?」
アイリの周りに男がいないのは俺がいるからだ。昔からアイリに彼氏ができないように近づけないようにしている。
「俺いるだろ」
「え?」
「俺は、昔からアイリのことが好きだった。俺じゃダメか?」
「え…わかんない…シュウと付き合うとか考えたことなくて…」
「わからないんだったら、わからせてやるよ」
ベッドに座っているアイリの顔の横の壁に両手をついた。
アイリは驚きながらも顔を逸さなかった。
俺はそのままキスをした。
唇が離れてから数秒後、顔を赤くしたアイリはゆっくり俺のことを離した。
「ごめん…今日は帰る」
そう言い、部屋から出て行った。
その後、高校生のうちに俺の家に来ることはなくなった。
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