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瀬川一華
20××年3月30日 16:30
しおりを挟む情報科で取り組むレポート作成のために春休み中だが、学校に来ていた。他のメンバーは私以外に福島陸だけだった。二人しかいないため集中して作業しなければいけなかった。
「…おい、どうしたんだよ」
「え?」
「さっきからずっとぼーっとして、作業もさっきから全然進んでないし」
「ごめんごめん」
「様子も変だし」
「いつも通りじゃない?」
「髪おろしてるからかな?今日どうして髪おろしてるの?2年間ずっと縛ってたのに」
「ちょっと色々あってね」
「大丈夫? 何かあったの?」
「大丈…」
言いながら涙が出てきてしまった。陸は驚いた顔をしていた。
「ごめん…これは…」
泣き止もうとしても、どんどん涙は溢れてきてしまう。その涙を陸は拭ってくれて、私を抱きしめた。
「…りく?…」
抱きしめられた瞬間、頭の中で何かが壊れる音がした。
陸はすぐに我に返ったように離れたが、シングルマザーでその母親も普段から仕事ばかりで構ってもらえず、信頼できる人がいなく、寂しかった私は無意識のうちに彼の腕を引っ張り、キスをしていた。唇を離したら、次は陸からキスをしてくれた。なんども角度を変えながら激しいキスを。
「今夜…親仕事で帰ってこないんだよね。うちに来ない?」
陸の目を見ながら呟いた。彼は黙って頷いた。
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