通学路の秘密

南いおり

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櫻井海斗

20××年8月3日18:01

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京香が死んでから、自責の念に駆られていた。

俺が美緒と一緒にいたのがいけなかったのか。

京香が俺を避けていた理由を考えるべきだったのか。

何に悩んでいたのか気づいてあげるべきだったのか。


考えても考えても、後悔しかなかった。
京香とは1年生の冬からずっと付き合っていて、喧嘩もほとんどしたことがなかった。

だけど、それは喧嘩もないほど、本音を話していなかったからなのか。

部活もクラスも一緒だったのに何もわかっていなかった。




そんな時に支えてくれたのが美緒だった。

いつも横にいてくれて、今日だって家に会いに来て心配してくれた。


「大丈夫だよ。海斗は何も悪くない」


その言葉がなによりもありがたかった。

周りの人も俺が原因じゃないかとか言い出して、美緒以外誰も味方がいないのではと思うようになった。




そして、俺は美緒に依存するようになった。
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