20 / 38
溝端悟
20××年6月18日13:46
しおりを挟む化学の授業で席替えをした。化学の授業は化学室で行われていた。
一つの机に三人ずつ座れて、俺は机の真ん中で左は古川さん、右は一哉になった。
古川さんは前の席では一哉の隣で、その前は俺の隣だったから話しやすかった。
それもあってか、授業中も勉強を教えあったり、進路についての話などたくさん話していた。
一哉は普段はクールだがいじると意外とおもしろいと古川さんが気付き、俺に一哉をくすぐるように言って、ちょっかいをかけていた。
この日の授業中も油断した隙にくすぐった。すると避けようとした一哉がバランスを崩し、俺の方に抱きつき、頬に一哉の唇が当たった。
俺と一哉は驚いたような顔をしていて、古川さんは笑っていた。おそらく古川さんからは抱きついただけに見えたのだろう。
一哉は姿勢を戻し、何事もなかったように振る舞っていたが、耳が赤くなっているように見えた。
そして、俺はこの日から一哉を意識するようになっていた。
俺は今まで彼女がいたことはないが、好きな人がいたことはあった。それは全部女であって、男を好きになったことはなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる