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第二章
第十七話
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途端、恭介は荒く呼吸をすると一度性器を抜き、今度は背面座位になるように座らせる。
紬はわけもわからずに揺すぶられ、自らも腰を動かし、気がつけば潮を吹いていた。
律動が激しくなる。
恭介はぐっと紬を抱きしめ、汗に濡れた項に舌を這わせる。
襲ってくる快感と噛まれるという緊張感に紬は心臓をドキドキさせて、逞しい腕をキュッと掴んだ。ゴクリと唾液を飲み込む。
「か、噛んで……っ」
恭介は躊躇うことなく項に噛み付いた。
「──っあ……!」
「っ!」
紬は目の前を真っ白にさせ、ビュッと潮を吹いた後、力なく恭介にもたれ掛かる。
恭介も奥深くで射精し、自身にもたれかかって意識を飛ばした自分の番の唇にそっとキスをした。
■
意識を無くしていた紬はふと目を覚まし、丁度温かいタオルで自身の体を拭いてくれている恭介と目が合った。
恭介は申し訳なさそうに視線を逸らした後、「無理させてごめんね」と小さくなって謝る。
「項、すごく血出ちゃって……痛いよね。手当はしたんだけど……」
何故か深く反省してる恭介に『大丈夫だよ』と伝えたくて声を出そうとしたら、声を出し過ぎたのか喉がガラガラしていて上手く音にならなかった。
「あ、水持ってくる……!」
パタパタ走っていく。
そんな後ろ姿を眺めながら、項からズキズキと感じる痛みに『あの人と番になったのか』と実感する。
ポロポロ、涙が溢れた。
自分と子供をとても大切にしてくれる彼と、ようやく番になれて。
戻ってきた恭介は、紬が号泣しているのを見て『まさか後悔しているのでは』と思い水を棚に置きながら「大丈夫……ですか……」と戸惑いながら声をかけた。
そんな恭介に飛びついて、何度も何度も唇を重ねる。
普段こんな風に紬からキスしてくれることは無いので、きっと後悔をしているのではないと分かり、嬉しくなって抱きしめ返し、またベッドに寝転がった。
「番になってくれてありがとう」
「っ、ん!」
紬は幸せそうに頷いて、恭介の胸に顔を埋めた。
絶対にこの人と子供と幸せになるんだと心に決めて。
END
紬はわけもわからずに揺すぶられ、自らも腰を動かし、気がつけば潮を吹いていた。
律動が激しくなる。
恭介はぐっと紬を抱きしめ、汗に濡れた項に舌を這わせる。
襲ってくる快感と噛まれるという緊張感に紬は心臓をドキドキさせて、逞しい腕をキュッと掴んだ。ゴクリと唾液を飲み込む。
「か、噛んで……っ」
恭介は躊躇うことなく項に噛み付いた。
「──っあ……!」
「っ!」
紬は目の前を真っ白にさせ、ビュッと潮を吹いた後、力なく恭介にもたれ掛かる。
恭介も奥深くで射精し、自身にもたれかかって意識を飛ばした自分の番の唇にそっとキスをした。
■
意識を無くしていた紬はふと目を覚まし、丁度温かいタオルで自身の体を拭いてくれている恭介と目が合った。
恭介は申し訳なさそうに視線を逸らした後、「無理させてごめんね」と小さくなって謝る。
「項、すごく血出ちゃって……痛いよね。手当はしたんだけど……」
何故か深く反省してる恭介に『大丈夫だよ』と伝えたくて声を出そうとしたら、声を出し過ぎたのか喉がガラガラしていて上手く音にならなかった。
「あ、水持ってくる……!」
パタパタ走っていく。
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ポロポロ、涙が溢れた。
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戻ってきた恭介は、紬が号泣しているのを見て『まさか後悔しているのでは』と思い水を棚に置きながら「大丈夫……ですか……」と戸惑いながら声をかけた。
そんな恭介に飛びついて、何度も何度も唇を重ねる。
普段こんな風に紬からキスしてくれることは無いので、きっと後悔をしているのではないと分かり、嬉しくなって抱きしめ返し、またベッドに寝転がった。
「番になってくれてありがとう」
「っ、ん!」
紬は幸せそうに頷いて、恭介の胸に顔を埋めた。
絶対にこの人と子供と幸せになるんだと心に決めて。
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