カゾクカイダン(11/17更新)

狂言巡

文字の大きさ
10 / 24

子供

しおりを挟む
 明らかに人が起こす事が不可能な事件が頻発しているので、村長が懇意にしている拝み屋から魔除けの札が配られた。家計の足しにもならないのですぐに燃やした。思い通りにならない娘が家から居なくなったと思えば近所の子供が姿を消し始めた。やはりストレスは健康の敵だ。





 押入れに向かって「お前なんか怖くない!」と叫ぶ妻。旅行に行くから閉じ込めてたら勝手に死んでたガキが出るのは風呂場なのに。





 子供ができる種を買って植えた。待ちきれず蕾を弄ったせいなのか、収穫した子供の目は潰れていた。





 実家の窯に捨てられていた赤子をこれも何かの縁だと育てる事にした。至って良い子なのだが、妙に火と縁がある、気がする。訪れた建物は大小問わず火災に見舞われるのだ。元カノをこっそり燃やした因果だろうか。





 確かに、出張中に怪我で入院したのは妻の親から聞いた。

「姉妹よ。双子なの」

 ちょうど結婚したのと同時期に閉鎖された病院から退院した妻があやしている赤子は、自分達の……いや人間の赤子なのか確信が持てない。





「ただいま~」

 いつも迎えてくれる妻がいない。最近息子の夜啼きが激しい、離乳食を食べてくれないって嘆いてたもんな。そっとしといてやろう。なるべく音を立てないように廊下を進み、居間の扉を開ける。散らかされた妻の家着に埋もれて、何だか見慣れた、それでも妙に大きな頭が動いて……。





 妻が最近寝不足のようなので獏の絵を買って枕に差し込んでおいた。明くる日、妻は私と子供の事を忘れて家を出たきり帰ってこなくなった。





「……なあ、何で兄貴の子供達さっきからなんもねえとこジッと見てんの?」
「さあ……あまりに夢中だから逆に聞きづらいんだよ……」





 庭で遊んでいる我が子、それから甥っ子と姪っ子達の輪の中に、五十センチ程度の大きさで、目が書かれた白い布を被った何者かが混じっている。

「「おいお前んとこの子供が連れてきた白い布の塊、あれ何だよ」」
「「は?」」



 披露宴で家族の思い出を記録した映像を流す事にした。地下室らしき暗い部屋に柱に縄で縛られた十数人の子供がいて、その中から若い両親が選んだ子供こそ、今の僕だった。





 娘が早く結婚して子供をうみますように。息子がもっと給料の高い仕事に転職しますように。こんなにしんどい思いをしてきたんだから、この先は楽に生きさせてよ。願いを乗せて浮かべた船はすぐに沈み、子供達の訃報が届いた。





 息子が心霊スポットに行ってきたらしい。

「××の廃屋なんだけどさ。子供が住んでたんだよ。慌てて通報したよね」

 興奮気味の息子の説明に、今の夫に結婚する前、内縁の夫の子供を置いてきた事を思い出した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

雨が止むとき、人形は眠る

秋初夏生
ホラー
「雨の日に人が突然倒れる」という不可解な事件が、金沢で続発していた。 冥府庁調査課の神崎イサナと黒野アイリは調査の末、ひがし茶屋街に佇む老舗の人形店「蓮月堂」へ辿り着く。 そこでは“誰も作った覚えのない人形が、夜ごと少しずつ増えている”という奇妙な噂が立っていた。 病に伏す人形師・桐生誠士は、異変の真相解明を二人に託し、さらに姿を消した元弟子の人形師“斎宮”を探してほしいと願う。 増え続ける人形、曖昧に濁される証言、消えた記録。静かな雨音の下で、隠された想いが少しずつ輪郭を帯びていく。 これは、失ったものを手放せなかった人間の執念が引き起こす、じわじわと心を侵す怪異の物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

きさらぎ駅

水野華奈
ホラー
親友から電話があった。 きさらぎ駅という場所にいるらしい… 日常の中の小さな恐怖が今始まる。 触れてしまったが最後。 二度と戻れない。

洒落にならない怖い話【短編集】

鍵谷端哉
ホラー
その「ゾワッ」は、あなたのすぐ隣にある。 意味が分かると凍りつく話から、理不尽に追い詰められる怪異まで。 隙間時間に読める短編ながら、読後の静寂が怖くなる。 洒落にならない実話風・創作ホラー短編集。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

処理中です...