雨が止むとき、人形は眠る

「雨の日に人が突然倒れる」という不可解な事件が、金沢で続発していた。

冥府庁調査課の神崎イサナと黒野アイリは調査の末、ひがし茶屋街に佇む老舗の人形店「蓮月堂」へ辿り着く。
そこでは“誰も作った覚えのない人形が、夜ごと少しずつ増えている”という奇妙な噂が立っていた。

病に伏す人形師・桐生誠士は、異変の真相解明を二人に託し、さらに姿を消した元弟子の人形師“斎宮”を探してほしいと願う。
増え続ける人形、曖昧に濁される証言、消えた記録。静かな雨音の下で、隠された想いが少しずつ輪郭を帯びていく。

これは、失ったものを手放せなかった人間の執念が引き起こす、じわじわと心を侵す怪異の物語。



※無断転載・無断利用を禁止します
24h.ポイント 0pt
103
小説 220,683 位 / 220,683件 ホラー 8,216 位 / 8,216件

あなたにおすすめの小説

水底の幽影

秋初夏生
ホラー
夏の終わり、都内で奇怪な「水無き溺死事件」が連続発生する。密閉された室内で発見される全身ずぶ濡れの遺体、死因は溺死——しかし周囲に水源は一切ない。 オカルト雑誌の記者・岡部圭太は、この事件に超常現象の匂いを嗅ぎ取る。古びた革ジャンに身を包み、胸ポケットの黒いノートを片手に、今度こそ決定的な証拠を掴もうと息巻いている。 一方、民俗学者の松嶋瑛人は、区の教育委員会から地域の古い水路と伝承調査を依頼され現地入りしていた。人畜無害そうな外見とは裏腹に、合理的な思考を貫く学者肌の男である。 怪異専門調査機関の紹介で現場で合流した二人。岡部は「これは深きものどもの仕業だ」と確信するが、松嶋は「合理的な説明がつくはず」と冷静だ。 現場調査で発見される濡れた人型の足跡、住民たちが証言する「マンホールからの潮の匂い」、防犯カメラに映る不可解な人影——。 古い資料館で見つけた江戸時代の地図には「藍蛇の祠」という水神信仰の跡が記され、事件現場はすべてその古い地下水路網上に位置していることが判明する。 真相を求めて地下水路に潜った二人が目にしたものとは——? ※無断転載・無断利用を禁止します

怪蒐

糸世朔
ホラー
旧題: 怪蒐師 第8回ホラー•ミステリー大賞で優秀賞を受賞しました。ありがとうございました! ●あらすじ 『階段をのぼるだけで一万円』 大学二年生の間宮は、同じ学部にも関わらず一度も話したことすらない三ツ橋に怪しげなアルバイトを紹介される。 三ツ橋に連れて行かれたテナントビルの事務所で出迎えたのは、イスルギと名乗る男だった。 男は言った。 ーー君の「階段をのぼるという体験」を買いたいんだ。 ーーもちろん、ただの階段じゃない。 イスルギは怪異の体験を売り買いする奇妙な男だった。 《目次》 第一話「十三階段」 第二話「忌み地」 第三話「凶宅」 第四話「呪詛箱」 第五話「肉人さん」 第六話「悪夢」 最終話「触穢」

吉野の山の桜閑話 -冥府庁異聞-

秋初夏生
ライト文芸
春の訪れとともに、吉野の山に“奇妙な眠り”の噂が広がっていた。 夜桜を見に訪れた人々が、翌朝目を覚まさない——。 発見された彼らはまるで深い夢に囚われたように静かに眠り続け、 七日後、目覚めた者たちは決まってこう言うのだ。 「……なにも、覚えていません」と。 冥府庁・調査課の神崎イサナと黒野アイリは、この不可解な現象を調査するため、 奈良・吉野の山奥へと向かう。 そこで彼らが辿り着いたのは、地図にも記されていない場所—— 誰にも気づかれず、誰かを待ち続ける一本の桜の木だった。 春の風、桜の香り、胸の奥を締めつけるような懐かしさ。 そして、神崎の中にある“消えかけた記憶”が、静かに目を覚まし始める。 これは、春に取り残された小さな約束と、ひとつの優しい別れの物語。 ※無断転載・無断利用を禁止します

【1分読書】意味が分かると怖いおとぎばなし

響ぴあの
ホラー
【1分読書】 意味が分かるとこわいおとぎ話。 意外な事実や知らなかった裏話。 浦島太郎は神になった。桃太郎の闇。本当に怖いかちかち山。かぐや姫は宇宙人。白雪姫の王子の誤算。舌切りすずめは三角関係の話。早く人間になりたい人魚姫。本当は怖い眠り姫、シンデレラ、さるかに合戦、はなさかじいさん、犬の呪いなどなど面白い雑学と創作短編をお楽しみください。 どこから読んでも大丈夫です。1話完結ショートショート。

私の体験談!!

八乙女 忍
ホラー
私の名前は光、二十五才の女子だ。私は小さい頃から不思議な体験をしていた。人に言っても信じてもらえないけど、怖い経験もしている。記憶がなくなった事もあるんだけど。その体験を皆と共有したい。だから、私は思い出していく。私にとってはあまり思い出したくないこともあるが、皆に知ってもらいたいと思う。

怪奇蒐集帳(短編集)

naomikoryo
ホラー
この世には、知ってはいけない話がある。  怪談、都市伝説、語り継がれる呪い——  どれもがただの作り話かもしれない。  だが、それでも時々、**「本物」**が紛れ込むことがある。  本書は、そんな“見つけてしまった”怪異を集めた一冊である。  最後のページを閉じるとき、あなたは“何か”に気づくことになるだろう——。

猫の島 ー冥府庁異聞ー

秋初夏生
ライト文芸
《琵琶湖・猫のいる島》 ——静かな湖に浮かぶ小さな楽園で、猫と過ごすひととき。 普段、怪異と向き合ってばかりの冥府庁調査課の神崎イサナと黒野アイリ。 滋賀のある事件を解決したあと、少し現地で休暇を取ることになった二人は、神崎の希望で沖島に向かう。 今回は特別編として、ホラーでも事件でもない、ほのぼのしたオフシーンをお届けします。 ※無断転載・無断利用を禁止します。

きさらぎ駅

水野華奈
ホラー
親友から電話があった。 きさらぎ駅という場所にいるらしい… 日常の中の小さな恐怖が今始まる。 触れてしまったが最後。 二度と戻れない。