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狂言巡

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浴室

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 有福セレクトのホテルの浴室は、ドアも室内の接する壁もガラス張りだった。外から全部見えてしまうのがちょっと気まずい。それを除けば浴槽は広いし綺麗。とても気に入った、のだが。

「覗き魔やぁ」
「俺も一緒に入れてもらおうかと思って。許してくれよ」
「嫌やゆーても入ってきはるんでしょ?」
「ぐうの音も出ないな」

 その端正で男らしく綺麗な裸体を惜しみなく晒し、頭からシャワーを浴びた有福は、聖美の体を膝の上に抱きかかえ浴槽につかりフーッと大きく息を吐いた。気持ちは解るけれど、ちょっとオッサンくさい。バスボムを入れていないお湯は当然透明で、色々見えてしまって恥ずかしい。頬にキスされたかと思えば、大きな有福の掌が聖美の腰を撫で、ちゃぷんと音を立てながらゆっくりと優しく乳房を揉んだ。ぐにゅうと形を変える自分の胸が卑猥で「あっ」と小さく声が漏れる。

「ね、ここで? お風呂、」
「君の声が響いて最高じゃないか。大丈夫、ゆっくり優しく抱くさ」
「そー、いう……っんぅ」

 ピンと尖った乳首を指先がつねる。かと思えば、指の腹でてっぺんをスリスリさすって、悪戯に乳輪ごとつまんではむぎゅっと伸ばされた。もう、馬鹿。

「ぁっ、やだぁ、ひっぱんないでぇ」
「嫌いじゃないだろう?」

 有福の首に抱き着いて、意地悪を言う唇にチュッとキスする。すぐに長い舌が聖美の口内へ入ってきて、歯列をなぞられ、くちゅと音を立てた。舌を合わせ、優しく吸い合う。聖美がそっと瞼を上げると、有福はしっかり両目を開けていた。広告のモノクロ写真でも、綺麗だからとそのままカラーで世に出るとびきりのブルーサファイア。聖美の愛しいブルーアイは、情欲にどろりと溶けて、ギラギラとした視線で聖美を舐め回す。この極上に綺麗な雄に、食べられてしまうのだ。
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