7 / 9
小鳩と吸血鬼【外出】
しおりを挟む
「ミハイさん、国際会議に行きましょう。申し込みはちゃんと済ませてありますから、後は荷造りするだけですよ」
いつの間にか、親戚一同は異世界の人族の味方になっていた。部屋に引き籠もっているというより、魔電子の世界に住んでますと言わんばかりのミハイを強制的に外に引っ張り出してくれる婚約者(暫定)は実に得難い存在であるらしい。しかも行き先が学術的な国際会議(研究内容発表等あり)とあって、喜んでミハイを引き渡した。難関の日差しも、現在は遮断魔法や日焼け止めの薬が発達しているので問題ない。
空いた時間には予約が必要なお洒落なカフェのアフタヌーンティーだ。この世界はインターネットがあるので簡単に予約できる。悩む楽しさもある豊富なメニューに、期間限定のスイーツも入っている。だからお喋りしながら或いはしなくても、時間をたっぷり潰せる。
ミハイとしてはキラキラの巣窟に連れて行かれるよりは多少マシだが、どう考えても多種族人が溢れているしいつメディアに突撃されるか判らない場所に行きたいとは思わない。しかも有名な観光地近くだ。『会議に出席して、ついでに観光もエンジョイしてね!』という主催者と自治体、観光協会の意図が痛い程に伝わってくる。当然ながら「イヤダァァァ!」と拒否したが、聞き入れられる事はなかった。
――数時間後、偶然シルクと一緒に転移した者達と鉢合わせし、あまりにも横柄な言動と態度に久しぶりにキレ散らかしてしまい、それが新聞記事半分を占める事をミハイは知る由もない。
いつの間にか、親戚一同は異世界の人族の味方になっていた。部屋に引き籠もっているというより、魔電子の世界に住んでますと言わんばかりのミハイを強制的に外に引っ張り出してくれる婚約者(暫定)は実に得難い存在であるらしい。しかも行き先が学術的な国際会議(研究内容発表等あり)とあって、喜んでミハイを引き渡した。難関の日差しも、現在は遮断魔法や日焼け止めの薬が発達しているので問題ない。
空いた時間には予約が必要なお洒落なカフェのアフタヌーンティーだ。この世界はインターネットがあるので簡単に予約できる。悩む楽しさもある豊富なメニューに、期間限定のスイーツも入っている。だからお喋りしながら或いはしなくても、時間をたっぷり潰せる。
ミハイとしてはキラキラの巣窟に連れて行かれるよりは多少マシだが、どう考えても多種族人が溢れているしいつメディアに突撃されるか判らない場所に行きたいとは思わない。しかも有名な観光地近くだ。『会議に出席して、ついでに観光もエンジョイしてね!』という主催者と自治体、観光協会の意図が痛い程に伝わってくる。当然ながら「イヤダァァァ!」と拒否したが、聞き入れられる事はなかった。
――数時間後、偶然シルクと一緒に転移した者達と鉢合わせし、あまりにも横柄な言動と態度に久しぶりにキレ散らかしてしまい、それが新聞記事半分を占める事をミハイは知る由もない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる