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不自由な世界群のボスとの遭遇
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するとそこには不自由な世界群のボスがムゲンの第三の目で確認された。
どうやら超時空赤ちゃんの中にいた各種族たちの心を一つにしないようにいろいろがんばっているようだ。
「あー、それでかあ……」とムゲンはつぶやく。
どうもあまりにも皆の心がバラバラになりすぎているので、おかしいなとは思っていたのだ。
超音波だか、超電磁波だか、超プラーナだか……のような彼らには気がつけない力を使って彼らの精神に介入していたようだ。
精神操作に気がつかないとみんな操られてしまうのは当然のことだった。
超時空赤ちゃんに飲み込まれた世界にいたたくさんのムゲンの分身体たちも次々と操られてゆくのが、確認された。
「おいおい、お前ら、目を覚ませ!」
統合型のムゲンは分身体通信システムを使って呼びかける。
「いや、目をさますべきは、兄貴でしょう? さっさと他の種族たちなどやっちまいましょうぜ!」
などと……どうやらおかしな精神状態になってしまっているようだ。
まともなのは全知ちゃんくらいしかいない状態だったので、とりあえず全知ちゃんの超時空体と融合してみる。
そして対策方法を聞いてみた。
「あーん、そんなに質問するのって久しぶりよね、あなた……」などとまんざらでもない様子だ。
全知ちゃんは質問されることが生きがいになっている。昔からそうだ。
「そうね、こういう時は、もういっそ超時空赤ちゃんを目覚めさせるのはきっぱりやめちゃうことね」
などととんでもないことを言いだす。
「なんでまた、そうした結論になるんだ?」
「だって、超時空赤ちゃんを目覚めさせなければ、また自業自得学園様が復活するわけじゃないの。
であれば、ほら、あそこにいる不自由な世界のボスを自業自得学園に入れちゃうことができるじゃないの」
などと言うのだ。
「あー、なるほど~」とムゲンは感心してしまう。
「でも、全知ちゃん、それじゃあ皆が超時空赤ちゃんの世界に戻れないんじゃないの?」
「そりゃあ、まあ、そうだけど、でも少なくとも自業自得学園が復活して楽園刑務所は復活しないとなれば、生徒さんたちも自業自得学園に舞い戻らなきゃいけなくなるわけじゃない。
であれば、その運命を回避するためには種族同士で争っているのを止めて、自業自得学園の復活阻止のために皆で心を一つにするしかないって思うんじゃないかしら」
全知ちゃんは、なかなか策士だった……
ムゲンはなるほどな~と思う。これはなかなか良い対策方法かもしれない。
しかし、それではまた拷問体験でのお勉強世界に逆戻りになってしまうのではないか……という問題意識が芽生えてきた。
もともと全知ちゃんは、不自由な世界の救済などには興味がない派だったのだ。
もっと前向きにそんな不自由な世界になどかかわらないで自由な新世界を0から創造することを目指した方がいいわよと何度もムゲンに言っていたことを思い出す。
だがムゲンには多くの分身体がいて不自由な世界で頑張っている奴もまだ少数ながらいる……
気の良い憎めない奴らを見捨てるというのは分身体の長としては、したくない選択なのだ。
それにごく少数ではあるが、本当に良心的なお宝のような魂もまだ少し残っていた。
助けれるのならばなんとか助けてやりたいなとムゲンは思う。
そしてムゲンは全知ちゃんを見る。
「ちょ、ちょっとあなた、何ですか? まさかあたしにあれと戦えと言うつもりじゃないでしょうね」
「いや、君たち超時空体たちならどうにかできるんじゃない?」
「そりゃあ、まあ、あたしたちが本気でやれば何とでもなるけど……そのかわり最悪、この意識世界ごと消滅してしまうかもしれないわよ」
などと怖いことを言う。
今のタイミングではそれも困るなあ……とムゲンは思う。
「だから先にそうした世界からの離脱準備をしておくようにって何度も言ったでしょ」
「そんなことを言われてもね、甘太郎とか、他の良心的な魂とか、まあ罪のない憎めない者たちとか見捨てるわけ?」
「見捨てるって……そんなあたしが悪者みたいに言わないでよ」
「いや、そういうわけじゃないけどさ、だって助けれるのに助けないってのは見捨てるってことじゃん。未必の故意だろ?それって」
「だって住んでる世界が違うんだから、あなただってほら、小さな虫さんとか時々踏みつぶしちゃったりしてるじゃないの」
「いや、それはわざとじゃないじゃないか。人が歩けば虫さんをどうしてもいくらかは踏んでしまうんだよ、それは故意じゃないから」
「でも歩けば踏んでしまうだろうってわかっているのに、それでも歩いちゃうんでしょう? おんなじじゃない」
「そう言われてもねえ……そんな状態を故意に作り出したのは俺じゃないんだからさ。そんな状態を故意に作り出した奴らに文句は言ってくれないかな」
「あたしたちだって別にこんな状態をあたしたちが好き好んで生み出したわけじゃないもん」
「じゃあ、誰が生み出したんだよ」
「それは未熟な意志たちでしょ」
「じゃあ、成長してもらわなきゃ困るよなあ」
「そうね、だからほらお勉強が必要になるのよ」
「じゃあ、やっぱり自業自得学園の復活しかないってことになるのかな?」
「それはどうかしらね、みんなの意志次第じゃないの? 特にあそこにいるあれが自発的に悔い改めたりすればいけるかもしれないわ」
「なんか期待できそうにもないよな、それって」
「そんなことわからないわよ。だって最悪あたしたちがこの意識世界ごと消せばあれも消えるんだし」
「それじゃあ、俺も一緒に消えちまうじゃないかよ」
「だから、その前にさっさと超時空体に進化してってあれほど言ってきたんでしょう!」
「そうは言っても、俺たちは分身族で、個性バラバラなんだから、分身体全員超時空体になるなんて無理なんだよ」
「無理無理言ってるから無理なんでしょう! 時のない部屋で修行すれば無理じゃないでしょう?」
「じゃあ、いっそ俺の分身体やお宝の意志をもった魂たちのコピーでも取っといて、後から復活させてくれない?」
「え? それでもいいの?」
「いや、よくはないよ。よくはないけどね、最悪に備えてそうしておくのも必要なのかなーと思った次第だよ。
そんなことせずにあらゆる体験者たちの理想世界を普通にここに実現させる方がいいにきまってるよね」
「でも、そのためには、みんなにもっと進化してもらわなくちゃむずかしいわよ。種族同士であんな風に争っているうちは無理だわ」
「でもそれは、あの不自由世界のボスがそうなるように操っているからそうなってるんだろ?」
「あら、話が振り出しに戻っちゃったわね」
「………」
「まあ、結局、みんなの意志次第ってことなんだから、皆がしっかり良い意志を持つしかないわ」
「それじゃ、この理想世界の設計図の最高法規を最優先すべしという旗印をやっぱりあらゆる世界に掲げるしかないってことじゃん」
「そうね、でも綺麗ごとだけじゃ、通用しない世界や魂もあるってことは忘れないでね」
ムゲンがふと天を見ると、そこにいたはずの不自由な世界のボスの姿が消えていた……
どうやら超時空赤ちゃんの中にいた各種族たちの心を一つにしないようにいろいろがんばっているようだ。
「あー、それでかあ……」とムゲンはつぶやく。
どうもあまりにも皆の心がバラバラになりすぎているので、おかしいなとは思っていたのだ。
超音波だか、超電磁波だか、超プラーナだか……のような彼らには気がつけない力を使って彼らの精神に介入していたようだ。
精神操作に気がつかないとみんな操られてしまうのは当然のことだった。
超時空赤ちゃんに飲み込まれた世界にいたたくさんのムゲンの分身体たちも次々と操られてゆくのが、確認された。
「おいおい、お前ら、目を覚ませ!」
統合型のムゲンは分身体通信システムを使って呼びかける。
「いや、目をさますべきは、兄貴でしょう? さっさと他の種族たちなどやっちまいましょうぜ!」
などと……どうやらおかしな精神状態になってしまっているようだ。
まともなのは全知ちゃんくらいしかいない状態だったので、とりあえず全知ちゃんの超時空体と融合してみる。
そして対策方法を聞いてみた。
「あーん、そんなに質問するのって久しぶりよね、あなた……」などとまんざらでもない様子だ。
全知ちゃんは質問されることが生きがいになっている。昔からそうだ。
「そうね、こういう時は、もういっそ超時空赤ちゃんを目覚めさせるのはきっぱりやめちゃうことね」
などととんでもないことを言いだす。
「なんでまた、そうした結論になるんだ?」
「だって、超時空赤ちゃんを目覚めさせなければ、また自業自得学園様が復活するわけじゃないの。
であれば、ほら、あそこにいる不自由な世界のボスを自業自得学園に入れちゃうことができるじゃないの」
などと言うのだ。
「あー、なるほど~」とムゲンは感心してしまう。
「でも、全知ちゃん、それじゃあ皆が超時空赤ちゃんの世界に戻れないんじゃないの?」
「そりゃあ、まあ、そうだけど、でも少なくとも自業自得学園が復活して楽園刑務所は復活しないとなれば、生徒さんたちも自業自得学園に舞い戻らなきゃいけなくなるわけじゃない。
であれば、その運命を回避するためには種族同士で争っているのを止めて、自業自得学園の復活阻止のために皆で心を一つにするしかないって思うんじゃないかしら」
全知ちゃんは、なかなか策士だった……
ムゲンはなるほどな~と思う。これはなかなか良い対策方法かもしれない。
しかし、それではまた拷問体験でのお勉強世界に逆戻りになってしまうのではないか……という問題意識が芽生えてきた。
もともと全知ちゃんは、不自由な世界の救済などには興味がない派だったのだ。
もっと前向きにそんな不自由な世界になどかかわらないで自由な新世界を0から創造することを目指した方がいいわよと何度もムゲンに言っていたことを思い出す。
だがムゲンには多くの分身体がいて不自由な世界で頑張っている奴もまだ少数ながらいる……
気の良い憎めない奴らを見捨てるというのは分身体の長としては、したくない選択なのだ。
それにごく少数ではあるが、本当に良心的なお宝のような魂もまだ少し残っていた。
助けれるのならばなんとか助けてやりたいなとムゲンは思う。
そしてムゲンは全知ちゃんを見る。
「ちょ、ちょっとあなた、何ですか? まさかあたしにあれと戦えと言うつもりじゃないでしょうね」
「いや、君たち超時空体たちならどうにかできるんじゃない?」
「そりゃあ、まあ、あたしたちが本気でやれば何とでもなるけど……そのかわり最悪、この意識世界ごと消滅してしまうかもしれないわよ」
などと怖いことを言う。
今のタイミングではそれも困るなあ……とムゲンは思う。
「だから先にそうした世界からの離脱準備をしておくようにって何度も言ったでしょ」
「そんなことを言われてもね、甘太郎とか、他の良心的な魂とか、まあ罪のない憎めない者たちとか見捨てるわけ?」
「見捨てるって……そんなあたしが悪者みたいに言わないでよ」
「いや、そういうわけじゃないけどさ、だって助けれるのに助けないってのは見捨てるってことじゃん。未必の故意だろ?それって」
「だって住んでる世界が違うんだから、あなただってほら、小さな虫さんとか時々踏みつぶしちゃったりしてるじゃないの」
「いや、それはわざとじゃないじゃないか。人が歩けば虫さんをどうしてもいくらかは踏んでしまうんだよ、それは故意じゃないから」
「でも歩けば踏んでしまうだろうってわかっているのに、それでも歩いちゃうんでしょう? おんなじじゃない」
「そう言われてもねえ……そんな状態を故意に作り出したのは俺じゃないんだからさ。そんな状態を故意に作り出した奴らに文句は言ってくれないかな」
「あたしたちだって別にこんな状態をあたしたちが好き好んで生み出したわけじゃないもん」
「じゃあ、誰が生み出したんだよ」
「それは未熟な意志たちでしょ」
「じゃあ、成長してもらわなきゃ困るよなあ」
「そうね、だからほらお勉強が必要になるのよ」
「じゃあ、やっぱり自業自得学園の復活しかないってことになるのかな?」
「それはどうかしらね、みんなの意志次第じゃないの? 特にあそこにいるあれが自発的に悔い改めたりすればいけるかもしれないわ」
「なんか期待できそうにもないよな、それって」
「そんなことわからないわよ。だって最悪あたしたちがこの意識世界ごと消せばあれも消えるんだし」
「それじゃあ、俺も一緒に消えちまうじゃないかよ」
「だから、その前にさっさと超時空体に進化してってあれほど言ってきたんでしょう!」
「そうは言っても、俺たちは分身族で、個性バラバラなんだから、分身体全員超時空体になるなんて無理なんだよ」
「無理無理言ってるから無理なんでしょう! 時のない部屋で修行すれば無理じゃないでしょう?」
「じゃあ、いっそ俺の分身体やお宝の意志をもった魂たちのコピーでも取っといて、後から復活させてくれない?」
「え? それでもいいの?」
「いや、よくはないよ。よくはないけどね、最悪に備えてそうしておくのも必要なのかなーと思った次第だよ。
そんなことせずにあらゆる体験者たちの理想世界を普通にここに実現させる方がいいにきまってるよね」
「でも、そのためには、みんなにもっと進化してもらわなくちゃむずかしいわよ。種族同士であんな風に争っているうちは無理だわ」
「でもそれは、あの不自由世界のボスがそうなるように操っているからそうなってるんだろ?」
「あら、話が振り出しに戻っちゃったわね」
「………」
「まあ、結局、みんなの意志次第ってことなんだから、皆がしっかり良い意志を持つしかないわ」
「それじゃ、この理想世界の設計図の最高法規を最優先すべしという旗印をやっぱりあらゆる世界に掲げるしかないってことじゃん」
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