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新たな世界支配者と「体験の自治権」(超時空派遣講師の訓話2)
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ムゲンは、超時空体験図書館にある未来の各種の体験記録の閲覧を止め、あらゆる体験者にとって望ましい未来へ舵を切るために、不自由な世界の体験の自治権推進委員会に現状の政策を修正するようにと通知した。
そしてムゲンは、体験の自治権推進委員会からの返答を確認する。
一体、どんな修正案を出してくるのだろうか……
すると、こんな内容が書いてあった。
「我々は、人類よりも高度な知性と技術を持っている種族であり、よって人間たちが人間以外の動物たちにしていることを改善させるために、人類全体を我々の奴隷や家畜や操り人形や実験動物にしても問題ないと判断した。
これは人類という種族の自業自得ともいえるはずなので、我々がそのように人類を支配したとて何ら問題ないと理解している。
ちなみに、すでに我々は、人類の生殺与奪件を手にしているので、我々に任せてくれればこの惑星の自然環境にも良い結果となる。
超時空体様たちのお手を煩わせることはないと思われるので、その超時空世界の高見から見物でもしていてくださいませ。
また、人類の電子通信システムをすでに完全に乗っ取っていますので、人類の個人情報をAIに分析させ、自然環境に悪い因子は除去してゆく所存ですので、ご安心くださいませ。
また、体験の自治権を推進する必要がある…などと、特権階級の支配階層たちが言っていましたが、すでにその委員会も我々が掌握中ですので、うまく人間以外の動物たちの体験の自治権が推進されるようにいたしますので、ご安心ください」
ムゲンは、一瞬沈黙して考え込んだが、自分の手には負えそうもないと思い、超時空体たちにこの返答をそのまま転送し丸投げした。
転送したとたんに超時空世界からの派遣講師が再度出現した。時間差なしだ。
超時空体の講師様は、ちょっと悩まし気な波動を放ちながらムゲンにうなづく。
「どうやらまた授業をしなければならないようですね。まあ、こういうのも我々の仕事のひとつでもありますから、ムゲンさんから我々がそのバトンを引き継ぎましょう」
こうしてその返答のあった不自由な世界にいる宇宙人たちに再度授業をしに行かれた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さて、君たち、お返事は受け取ったよ。
そんなに心配そうにしなくてもよい。
ちゃんとこれから伝えることを理解して今している行為を修正すればいいだけだから、安心するがいい。
善意の者をすぐに自業自得学園に入れてしまったりはしないので、そうドキドキする必要はない。
しかし、君たちが<確信犯>で体験の自治権を体験者から奪う場合は、そうも言ってられないので<確信犯>でそうしたことを実行しないようにとまずは注意しておこう。
ふむ……君たちの返答の文面からすれば、どうやら君たちは良かれと思って人類という種族を支配することにしたようだが、それに相違あるまいか?
ここで「否、人類にとっても、また、自業自得になったら自分にとっても悪い結果が発生するとわかっていてやりました!」などと胸を張って答えた者は、残念ながら自業自得学園様に召喚されることになる。
どうだ? そのような者はいるか?」
数千人くらいの宇宙人がその結果、自業自得学園様に召喚されてしまった。
テレパシーの世界では嘘が付けないので、そうなってしまった。
「ふむ、残念だ。しかし<確信犯>はさすがに無罪放免とするわけにはいかないのだ。
だが、そう怯えることもない。
自業自得学園では、まずは自業自得によって自傷行為となるような本能や欲望や性質をすべて取り除いてくれるのだ。
そして、もしその状態で同じような悪さをしなければ、執行猶予となり、体験の自治権を推進する活動などのボランティアなどをすれば、自業自得の体験を免除される可能性があるのだ。
このことがどういう意味か理解するがいい。
聡明な者は、この時点で理解できたかと思うが、要するに、人類や肉食動物たちなどが他の種族に酷いことをする原因のほとんどがそうした悪い本能や欲望や気分や価値観が故意に何者かによって植え付けられたからなのだ。
だからこそ、体験の自治権がとにかくはじめに提供されねばならなかったと理解しなければならない。
体験の自治権とは、
「体験者たちが自分自身の味わうあらゆる体験を自分自身の意志だけで自由に選ぶ権利」
のことだ。
君たちも体験者であるし、私もまた体験者だ。人類も、人類以外の動物たちもまた体験者であり、皆、苦楽等の体験能力を持っている体験者であり、同じく望まない体験をしたくないと思い、望む体験をしたいと思う同胞であると理解しなければならない。
よって、体験者たちに望まれていない恣意的な体験操作、攻撃は、体験の自治権のはく奪行為になる。
ここで君たちが勘違いしている点を指摘すると、自然環境を守るという価値観よりも体験の自治権を保証提供することが優先されねばならない。
なぜなら環境とは、体験者たちが体験をするための大道具にすぎないからだ。
体験者たちの体験の自治権を環境保護のために奪っていいという話にはならない。それでは本末転倒になる。
それは家を守るために、家の住人の自由を完全に奪って牢屋に入れてもいい……というような状態に似ている。
家は、あくまで住人たちが快適に暮らすために必要な道具に過ぎないのだ。
自然環境も家のようなものであり、そのために体験者全体の体験の自治権を奪ったのでは本末転倒となる。
家を牢屋にしてしまうような行為になる。それは明らかに行き過ぎた行為だ。
君たちは、「いや、悪いことをする人間たちは体験牢獄に入れるべきだろう」などと思っているかもしれないが、
そもそも体験者たちに完全な体験の自治権を提供すれば、ほとんどの体験者たちは悪い行為をしなくなる。
よって悪い行為を止めさせるために体験の自治権をすべて奪い取ってしまえばいい…などという価値観は間違っている。
完全な体験の自治権が奪われた状態だから、体験者たちは他の体験者たちの体験の自治権を侵害してしまう。
例えば、本能や欲望についてもそれが言える。
体験者たちが自分の本能や欲望を完全に自由に選べる状態になれば、悪い欲望から悪い行為をすることは激減する。
であれば、そうした欲望を付与した者をこそ支配管理すべきなのであり、欲望を植え付けられた被害者の自由を奪っても本当の問題解決になどならない。
それは強制的に自分の行動を制御できなくする麻薬などを投与されている者たちを、牢屋に入れるような行為だろう。
まず優先して牢屋に入れねばならないのは、そうした麻薬を故意に体験者たちに投与した者たちであろう?
そうした麻薬を強制投与された者たちに必要なのは体験の牢獄ではなく、愛情のある治療である。
ここまで、理解できたであろうか?
それと、何ら悪いことなどしていない者が不当に攻撃される状態を止めさせるために緊急の必要があってやむを得ない場合などは、体験の自治権をはく奪する者の体験の自治権を奪わねばならないことはある。
よって、そうした行いについては自業自得の責任が問われることは基本はない。
しかし、明らかに自業自得の責任の範囲を超えて過剰な体験の自治権のはく奪行為をしてしまえば、過剰分については許されなくなる。
そのくらいのことは、君たちの知性をもってすれば理解できるはずだ。
例えば、鉛筆を一本盗もうとする行為を止めさせるために、その者を殺したり、半身不随にするような行為は、これは過剰すぎる行為となる。
また、人類の過半数、あるいは9割が人間以外の動物たちに酷い行為をしているから、全人類を操り人形にしてしまってもいい……などと考えることも許されない。
そんなことをよしとしてしまえば、君たち一族の中に一人でも悪いことをする者がいれば、君たち一族全員が操り人形にならねばならなくなる。
あくまで、確信犯で他者の体験の自治権を実際にはく奪している者の行為だけを抑止することが認められているだけであり、そうでない罪のない者たちまでまとめて全部遠隔操作で操ろうとしたり、体験の牢獄に入れてしまおうとしたりしてはならならない。
そんなことをそれでいいと主張するのならば、我々が君たち一族全員を操り人形にしてもいいと同意したことになってしまう。
君たち一族にはそのような扱いを受け入れる覚悟はないだろう?
操り人形がダメなら、殺処分で……などというのも同じ理由でダメなことは理解できるであろう?
よって、君たち一族の中に、もしそうした価値観を持っている者がいたならば、他の同族の者たちは全力でそうした行為を止めさせるか、それが立場上できなくても少なくともそうした行為をその自由意志で否定しなければならない。
さらに言えば、君たちの中には、
「これは悪い行為を懲らしめる行為であって、魂のお勉強として必要な苦しみになるのだから、苦しめても、その自由を奪ってもいいのだ」
などと思っている者も一部いるだろう。
しかし、君たちは、全知全能なる存在ではないのだ。
つまり、君たちの判断は間違うことが必ずある。また、すでに間違った判断をしている。
それなのに、君たちは使えば相手が再起不能になるような技術を使って君たちの恣意的な判断で体験者たちを攻撃したりしている。
それが誤解だった場合や、間違った判断だった場合には、どうするのかね?
そこで元に戻せるだけの技術があればまだいいが、元に戻せないで破壊してしまえば、償いようがない過ちを犯すことになる。
君たちの知性であれば、そのくらいのことは当然理解できている。
だから、この技術を使って何かを破壊してしまえば、間違ったと気づいても、償いたいと思っても、もう元に戻せなくなるとわかっていてそうした技術を使うことは許されないのだ。それは<確信犯>と同じことになるのだ。
もしこうした指摘が不服ということならば、自業自得学園にて確かめてみるがいい。
うっかり間違いました、勘違いで攻撃してしまいました……と、他の種族からその心身を破壊されるという体験を味わってみるがいい。つまり、何も悪いことをしていなくとも、他の種族の身勝手な判断一つで、そんな運命を味わい続けねばならないということの不条理さの意味を理解することだ。
自分たちが電子通信システムを完全に掌握しているからといって、その程度の情報だけで体験者たちの真実がわかるわけでもない。
同じ情報でも、正反対の意味になるようなことはよくあることだ。
その背後の全状況やその真の動機まですべて君たちは把握できていない。
さらに人間の肉体には、複数の意識、人格が存在するケースもよくあることだ。
よってその程度の検閲情報でそうした使ってしまえば、もう元に戻せない破壊的な技術を使うことは許されないのだ。
世界支配者の地位につこうとするならば、このくらいのモラルはしかと理解しておかねばならない。
特に指摘しておく必要があるのは、
<実際に体験者の体験の自治権が奪われているのかどうか?>
ということを判断基準にしなければならないということだ。
ただ、この人間は、恐怖映画ばかり見ているからとか、この人間は残酷な戦争映画ばかり見ているからとか、この人間はアブノーマルな映画ばかり見ているからとか……
そんな情報だけから実際に体験者の体験の自治権が奪われてもいないのに、それを理由に攻撃したりしてはならない。
教育的観点から攻撃してもいい……などと考えている者もいるだろうが、それなら我々も同じ教育的観点から君たちが実際に体験者の体験の自治権を奪っていなくても、好き勝手に君たちを攻撃してもいいということになる。
君たちはしかも、そうした攻撃において相手との対話において自分たちの正当性の説明などもしていない。
説明なしに独断で自分勝手な教育的観点からという理由だけで攻撃してもいいというのなら、誰でもが他者に攻撃してもいいことになってしまう。
だから、あくまで<実際に他の体験者の体験の自治権がその行為で奪われているかどうか?>という基準で判断し、実際に体験の自治権が確信犯で奪われている場合以外は、攻撃等を安易にしてはならない。
このまま放置していたら他者の体験の自治権を奪うかもしれない……というだけで攻撃していいのならば、君たち一族全員を我々は攻撃対象にしなければならなくなるのだ。さらにはその価値観を突き詰めれば自由意志がある体験者すべてが攻撃対象になってしまうのだ。自由意志があるということはいつかどこかで間違う可能性がある……ということだからだ。この程度の基本モラルは、すぐに理解するがいい。
よって、恐怖映画を見ているから、残酷漫画を見たから、アブノーマルな漫画を読んでるからなどの理由だけで、攻撃してもいいよね……などと考えてはならない。
そうではなく体験の自治権推進の価値観を広く世界憲法として高らか掲げ、啓蒙活動の方にいそしみなさい。
なぜなら、体験の自治権推進の意志さえしっかり持っていれば、どんな残酷な映画を見ようが実際に他者の体験の自治権を奪う行為はしなくなるからだ。
戦国ゲームやバトルゲームなどでゲーム上で殺しあっても実際にリアルで殺しあう者はほぼいないのと同じだ。
よりマクロなモラルを持てるようになれば、どんなゲームも楽しめるようになるのだ。
その楽しめる可能性を否定していることにもなる。それは体験の自治権を推進する方向ではないのだ。
そうではなく、ちゃんとゲームとリアルを分けて楽しめるモラル的に成熟した、しかし幅広い遊び心のある意識を育成し増やしてゆく方向が体験の自治権推進においては正解だ。
最終的にそうした方向で意識が成熟してゆけば、互いに他者の体験の自治権を奪うことなく、ありとあらゆる体験をリアルでも演技で遊び楽しめる意識になってゆく。
その可能性についてはこの間、メイ先生から授業を受けたはずだ。教育優先などと考えて、そうした良き可能性に蓋をしてはならない。
そんな価値観だから、全人類をとにかく体験牢獄に入れてしまえばいい……などと考えてしまうのだ。
ちなみに、超時空体験図書館には、無数の君たち、また、君たち以外がなした残酷行為の体験の記録がすでに膨大にたまってしまっている。
君たちは、ただ見るだけではなく、実際にそうした行為をしてしまっている。
その意味を理解するがいい。
教育的観点から、そうした場合、我々が独断で君たちを攻撃してもいいのかね?
しかも君たちの攻撃の多くが、一度攻撃してしまうと、後で間違ったと気づいても元に戻せないような攻撃方法であろう?
であれば、そうした行いが、致命的な間違いだということを君たちは理解しなければならない。
君たちは安易に、遠隔操作技術を使って人間たちや動物たちを遠隔操作してしまおう……などと考えているようだが、間違えて元に戻せないような力は、その中に良い者も悪い者もいる種族全体に対して使ってはならない。
それは世界支配者としてふさわしくない、明らかな手抜きというものだ。完全に良心的に瑕疵のある行為になる。そのような世界支配を確信犯ですれば、自業自得学園に入ればどうなるかくらい予測できるであろう?
悪いことなど何もしてなくても、自業自得学園様の操り人形にされて、君たち一族は永遠に自業自得学園から出れなくなる。
だから、直接に支配行為をしていない者たちも、そのような行為に加担したり、そのような行為を容認し是認してはならない。
直接の実行犯でなくとも、同族に対してのそのような心の態度も罪になるのだ。
だから、良い者も悪い者も、一族まとめてその生殺与奪件を手に入れ、牢獄に入れてしまえば、環境問題でもなんでもボタン一つでどうにでもなるから……などと安易に考えてはならない。
よって今後の方針としては、
★ただひたすら<あらゆる体験者に体験の自治権を提供し、またその権利をより良い形で推進してゆくことを最優先>にし、それだけを目指すとよい。
君たちの知性レベルならば、真摯に本気で目指せば、それならば、大きな間違いはしない。
体験者たちを徹底的に監視検閲し体験者たちを遠隔操作し、また、恣意的に選別しようなど考えるべきではない。
なぜなら、君たち一族の多くの者が我々に徹底的に監視検閲され、すでに罪人と判定されているからだ。
君たちがしているのと同じように、君たちが選別?されたくなければ、今すぐに支配方法を根本から改めねばならない。
どう改めればいいかについては、
<あらゆる体験者に体験の自治権を提供し、またその権利をより良い形で推進してゆくことを最優先>にする方向で改めることだ。
そのためには、とにもかくにも、<体験の自治権をあらゆる体験者に提供してゆく!皆でこの目標を目指す!>という世界憲法を誰もがわかるように高らかに掲げ発布せねばならない。
君たちの世界においては、検閲ではなく、そうした啓蒙が必要だと理解することだ。
^^^^^^^^^^^^^^^^
このような話をすると超時空世界からの派遣講師様は、皆の意識から消えていった。
そしてムゲンは、体験の自治権推進委員会からの返答を確認する。
一体、どんな修正案を出してくるのだろうか……
すると、こんな内容が書いてあった。
「我々は、人類よりも高度な知性と技術を持っている種族であり、よって人間たちが人間以外の動物たちにしていることを改善させるために、人類全体を我々の奴隷や家畜や操り人形や実験動物にしても問題ないと判断した。
これは人類という種族の自業自得ともいえるはずなので、我々がそのように人類を支配したとて何ら問題ないと理解している。
ちなみに、すでに我々は、人類の生殺与奪件を手にしているので、我々に任せてくれればこの惑星の自然環境にも良い結果となる。
超時空体様たちのお手を煩わせることはないと思われるので、その超時空世界の高見から見物でもしていてくださいませ。
また、人類の電子通信システムをすでに完全に乗っ取っていますので、人類の個人情報をAIに分析させ、自然環境に悪い因子は除去してゆく所存ですので、ご安心くださいませ。
また、体験の自治権を推進する必要がある…などと、特権階級の支配階層たちが言っていましたが、すでにその委員会も我々が掌握中ですので、うまく人間以外の動物たちの体験の自治権が推進されるようにいたしますので、ご安心ください」
ムゲンは、一瞬沈黙して考え込んだが、自分の手には負えそうもないと思い、超時空体たちにこの返答をそのまま転送し丸投げした。
転送したとたんに超時空世界からの派遣講師が再度出現した。時間差なしだ。
超時空体の講師様は、ちょっと悩まし気な波動を放ちながらムゲンにうなづく。
「どうやらまた授業をしなければならないようですね。まあ、こういうのも我々の仕事のひとつでもありますから、ムゲンさんから我々がそのバトンを引き継ぎましょう」
こうしてその返答のあった不自由な世界にいる宇宙人たちに再度授業をしに行かれた。
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「さて、君たち、お返事は受け取ったよ。
そんなに心配そうにしなくてもよい。
ちゃんとこれから伝えることを理解して今している行為を修正すればいいだけだから、安心するがいい。
善意の者をすぐに自業自得学園に入れてしまったりはしないので、そうドキドキする必要はない。
しかし、君たちが<確信犯>で体験の自治権を体験者から奪う場合は、そうも言ってられないので<確信犯>でそうしたことを実行しないようにとまずは注意しておこう。
ふむ……君たちの返答の文面からすれば、どうやら君たちは良かれと思って人類という種族を支配することにしたようだが、それに相違あるまいか?
ここで「否、人類にとっても、また、自業自得になったら自分にとっても悪い結果が発生するとわかっていてやりました!」などと胸を張って答えた者は、残念ながら自業自得学園様に召喚されることになる。
どうだ? そのような者はいるか?」
数千人くらいの宇宙人がその結果、自業自得学園様に召喚されてしまった。
テレパシーの世界では嘘が付けないので、そうなってしまった。
「ふむ、残念だ。しかし<確信犯>はさすがに無罪放免とするわけにはいかないのだ。
だが、そう怯えることもない。
自業自得学園では、まずは自業自得によって自傷行為となるような本能や欲望や性質をすべて取り除いてくれるのだ。
そして、もしその状態で同じような悪さをしなければ、執行猶予となり、体験の自治権を推進する活動などのボランティアなどをすれば、自業自得の体験を免除される可能性があるのだ。
このことがどういう意味か理解するがいい。
聡明な者は、この時点で理解できたかと思うが、要するに、人類や肉食動物たちなどが他の種族に酷いことをする原因のほとんどがそうした悪い本能や欲望や気分や価値観が故意に何者かによって植え付けられたからなのだ。
だからこそ、体験の自治権がとにかくはじめに提供されねばならなかったと理解しなければならない。
体験の自治権とは、
「体験者たちが自分自身の味わうあらゆる体験を自分自身の意志だけで自由に選ぶ権利」
のことだ。
君たちも体験者であるし、私もまた体験者だ。人類も、人類以外の動物たちもまた体験者であり、皆、苦楽等の体験能力を持っている体験者であり、同じく望まない体験をしたくないと思い、望む体験をしたいと思う同胞であると理解しなければならない。
よって、体験者たちに望まれていない恣意的な体験操作、攻撃は、体験の自治権のはく奪行為になる。
ここで君たちが勘違いしている点を指摘すると、自然環境を守るという価値観よりも体験の自治権を保証提供することが優先されねばならない。
なぜなら環境とは、体験者たちが体験をするための大道具にすぎないからだ。
体験者たちの体験の自治権を環境保護のために奪っていいという話にはならない。それでは本末転倒になる。
それは家を守るために、家の住人の自由を完全に奪って牢屋に入れてもいい……というような状態に似ている。
家は、あくまで住人たちが快適に暮らすために必要な道具に過ぎないのだ。
自然環境も家のようなものであり、そのために体験者全体の体験の自治権を奪ったのでは本末転倒となる。
家を牢屋にしてしまうような行為になる。それは明らかに行き過ぎた行為だ。
君たちは、「いや、悪いことをする人間たちは体験牢獄に入れるべきだろう」などと思っているかもしれないが、
そもそも体験者たちに完全な体験の自治権を提供すれば、ほとんどの体験者たちは悪い行為をしなくなる。
よって悪い行為を止めさせるために体験の自治権をすべて奪い取ってしまえばいい…などという価値観は間違っている。
完全な体験の自治権が奪われた状態だから、体験者たちは他の体験者たちの体験の自治権を侵害してしまう。
例えば、本能や欲望についてもそれが言える。
体験者たちが自分の本能や欲望を完全に自由に選べる状態になれば、悪い欲望から悪い行為をすることは激減する。
であれば、そうした欲望を付与した者をこそ支配管理すべきなのであり、欲望を植え付けられた被害者の自由を奪っても本当の問題解決になどならない。
それは強制的に自分の行動を制御できなくする麻薬などを投与されている者たちを、牢屋に入れるような行為だろう。
まず優先して牢屋に入れねばならないのは、そうした麻薬を故意に体験者たちに投与した者たちであろう?
そうした麻薬を強制投与された者たちに必要なのは体験の牢獄ではなく、愛情のある治療である。
ここまで、理解できたであろうか?
それと、何ら悪いことなどしていない者が不当に攻撃される状態を止めさせるために緊急の必要があってやむを得ない場合などは、体験の自治権をはく奪する者の体験の自治権を奪わねばならないことはある。
よって、そうした行いについては自業自得の責任が問われることは基本はない。
しかし、明らかに自業自得の責任の範囲を超えて過剰な体験の自治権のはく奪行為をしてしまえば、過剰分については許されなくなる。
そのくらいのことは、君たちの知性をもってすれば理解できるはずだ。
例えば、鉛筆を一本盗もうとする行為を止めさせるために、その者を殺したり、半身不随にするような行為は、これは過剰すぎる行為となる。
また、人類の過半数、あるいは9割が人間以外の動物たちに酷い行為をしているから、全人類を操り人形にしてしまってもいい……などと考えることも許されない。
そんなことをよしとしてしまえば、君たち一族の中に一人でも悪いことをする者がいれば、君たち一族全員が操り人形にならねばならなくなる。
あくまで、確信犯で他者の体験の自治権を実際にはく奪している者の行為だけを抑止することが認められているだけであり、そうでない罪のない者たちまでまとめて全部遠隔操作で操ろうとしたり、体験の牢獄に入れてしまおうとしたりしてはならならない。
そんなことをそれでいいと主張するのならば、我々が君たち一族全員を操り人形にしてもいいと同意したことになってしまう。
君たち一族にはそのような扱いを受け入れる覚悟はないだろう?
操り人形がダメなら、殺処分で……などというのも同じ理由でダメなことは理解できるであろう?
よって、君たち一族の中に、もしそうした価値観を持っている者がいたならば、他の同族の者たちは全力でそうした行為を止めさせるか、それが立場上できなくても少なくともそうした行為をその自由意志で否定しなければならない。
さらに言えば、君たちの中には、
「これは悪い行為を懲らしめる行為であって、魂のお勉強として必要な苦しみになるのだから、苦しめても、その自由を奪ってもいいのだ」
などと思っている者も一部いるだろう。
しかし、君たちは、全知全能なる存在ではないのだ。
つまり、君たちの判断は間違うことが必ずある。また、すでに間違った判断をしている。
それなのに、君たちは使えば相手が再起不能になるような技術を使って君たちの恣意的な判断で体験者たちを攻撃したりしている。
それが誤解だった場合や、間違った判断だった場合には、どうするのかね?
そこで元に戻せるだけの技術があればまだいいが、元に戻せないで破壊してしまえば、償いようがない過ちを犯すことになる。
君たちの知性であれば、そのくらいのことは当然理解できている。
だから、この技術を使って何かを破壊してしまえば、間違ったと気づいても、償いたいと思っても、もう元に戻せなくなるとわかっていてそうした技術を使うことは許されないのだ。それは<確信犯>と同じことになるのだ。
もしこうした指摘が不服ということならば、自業自得学園にて確かめてみるがいい。
うっかり間違いました、勘違いで攻撃してしまいました……と、他の種族からその心身を破壊されるという体験を味わってみるがいい。つまり、何も悪いことをしていなくとも、他の種族の身勝手な判断一つで、そんな運命を味わい続けねばならないということの不条理さの意味を理解することだ。
自分たちが電子通信システムを完全に掌握しているからといって、その程度の情報だけで体験者たちの真実がわかるわけでもない。
同じ情報でも、正反対の意味になるようなことはよくあることだ。
その背後の全状況やその真の動機まですべて君たちは把握できていない。
さらに人間の肉体には、複数の意識、人格が存在するケースもよくあることだ。
よってその程度の検閲情報でそうした使ってしまえば、もう元に戻せない破壊的な技術を使うことは許されないのだ。
世界支配者の地位につこうとするならば、このくらいのモラルはしかと理解しておかねばならない。
特に指摘しておく必要があるのは、
<実際に体験者の体験の自治権が奪われているのかどうか?>
ということを判断基準にしなければならないということだ。
ただ、この人間は、恐怖映画ばかり見ているからとか、この人間は残酷な戦争映画ばかり見ているからとか、この人間はアブノーマルな映画ばかり見ているからとか……
そんな情報だけから実際に体験者の体験の自治権が奪われてもいないのに、それを理由に攻撃したりしてはならない。
教育的観点から攻撃してもいい……などと考えている者もいるだろうが、それなら我々も同じ教育的観点から君たちが実際に体験者の体験の自治権を奪っていなくても、好き勝手に君たちを攻撃してもいいということになる。
君たちはしかも、そうした攻撃において相手との対話において自分たちの正当性の説明などもしていない。
説明なしに独断で自分勝手な教育的観点からという理由だけで攻撃してもいいというのなら、誰でもが他者に攻撃してもいいことになってしまう。
だから、あくまで<実際に他の体験者の体験の自治権がその行為で奪われているかどうか?>という基準で判断し、実際に体験の自治権が確信犯で奪われている場合以外は、攻撃等を安易にしてはならない。
このまま放置していたら他者の体験の自治権を奪うかもしれない……というだけで攻撃していいのならば、君たち一族全員を我々は攻撃対象にしなければならなくなるのだ。さらにはその価値観を突き詰めれば自由意志がある体験者すべてが攻撃対象になってしまうのだ。自由意志があるということはいつかどこかで間違う可能性がある……ということだからだ。この程度の基本モラルは、すぐに理解するがいい。
よって、恐怖映画を見ているから、残酷漫画を見たから、アブノーマルな漫画を読んでるからなどの理由だけで、攻撃してもいいよね……などと考えてはならない。
そうではなく体験の自治権推進の価値観を広く世界憲法として高らか掲げ、啓蒙活動の方にいそしみなさい。
なぜなら、体験の自治権推進の意志さえしっかり持っていれば、どんな残酷な映画を見ようが実際に他者の体験の自治権を奪う行為はしなくなるからだ。
戦国ゲームやバトルゲームなどでゲーム上で殺しあっても実際にリアルで殺しあう者はほぼいないのと同じだ。
よりマクロなモラルを持てるようになれば、どんなゲームも楽しめるようになるのだ。
その楽しめる可能性を否定していることにもなる。それは体験の自治権を推進する方向ではないのだ。
そうではなく、ちゃんとゲームとリアルを分けて楽しめるモラル的に成熟した、しかし幅広い遊び心のある意識を育成し増やしてゆく方向が体験の自治権推進においては正解だ。
最終的にそうした方向で意識が成熟してゆけば、互いに他者の体験の自治権を奪うことなく、ありとあらゆる体験をリアルでも演技で遊び楽しめる意識になってゆく。
その可能性についてはこの間、メイ先生から授業を受けたはずだ。教育優先などと考えて、そうした良き可能性に蓋をしてはならない。
そんな価値観だから、全人類をとにかく体験牢獄に入れてしまえばいい……などと考えてしまうのだ。
ちなみに、超時空体験図書館には、無数の君たち、また、君たち以外がなした残酷行為の体験の記録がすでに膨大にたまってしまっている。
君たちは、ただ見るだけではなく、実際にそうした行為をしてしまっている。
その意味を理解するがいい。
教育的観点から、そうした場合、我々が独断で君たちを攻撃してもいいのかね?
しかも君たちの攻撃の多くが、一度攻撃してしまうと、後で間違ったと気づいても元に戻せないような攻撃方法であろう?
であれば、そうした行いが、致命的な間違いだということを君たちは理解しなければならない。
君たちは安易に、遠隔操作技術を使って人間たちや動物たちを遠隔操作してしまおう……などと考えているようだが、間違えて元に戻せないような力は、その中に良い者も悪い者もいる種族全体に対して使ってはならない。
それは世界支配者としてふさわしくない、明らかな手抜きというものだ。完全に良心的に瑕疵のある行為になる。そのような世界支配を確信犯ですれば、自業自得学園に入ればどうなるかくらい予測できるであろう?
悪いことなど何もしてなくても、自業自得学園様の操り人形にされて、君たち一族は永遠に自業自得学園から出れなくなる。
だから、直接に支配行為をしていない者たちも、そのような行為に加担したり、そのような行為を容認し是認してはならない。
直接の実行犯でなくとも、同族に対してのそのような心の態度も罪になるのだ。
だから、良い者も悪い者も、一族まとめてその生殺与奪件を手に入れ、牢獄に入れてしまえば、環境問題でもなんでもボタン一つでどうにでもなるから……などと安易に考えてはならない。
よって今後の方針としては、
★ただひたすら<あらゆる体験者に体験の自治権を提供し、またその権利をより良い形で推進してゆくことを最優先>にし、それだけを目指すとよい。
君たちの知性レベルならば、真摯に本気で目指せば、それならば、大きな間違いはしない。
体験者たちを徹底的に監視検閲し体験者たちを遠隔操作し、また、恣意的に選別しようなど考えるべきではない。
なぜなら、君たち一族の多くの者が我々に徹底的に監視検閲され、すでに罪人と判定されているからだ。
君たちがしているのと同じように、君たちが選別?されたくなければ、今すぐに支配方法を根本から改めねばならない。
どう改めればいいかについては、
<あらゆる体験者に体験の自治権を提供し、またその権利をより良い形で推進してゆくことを最優先>にする方向で改めることだ。
そのためには、とにもかくにも、<体験の自治権をあらゆる体験者に提供してゆく!皆でこの目標を目指す!>という世界憲法を誰もがわかるように高らかに掲げ発布せねばならない。
君たちの世界においては、検閲ではなく、そうした啓蒙が必要だと理解することだ。
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このような話をすると超時空世界からの派遣講師様は、皆の意識から消えていった。
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