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超時空体験図書館
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ムゲンは超時空体験図書館で講義を受けていた。
はやく超時空体に進化するようにと全知ちゃんから催促され続け、とうとう補修授業を受けることになったのだ。
それとは別に超時空体験図書館の司書のシューちゃんも、時のない部屋での修行を準備していてお待ちかねだ。
超時空体に進化するのは大変だ……
今回は、館長から直接の授業があるらしい。
超時空体験図書館には、過去現在未来に発生したありとあらゆる体験の記録が保存されている。
一定の進化をしていれば、意識を向けるだけでその体験を閲覧できる。
入館するにはいろいろ試験などもあり、誰でも自由に閲覧できるわけではない。
まだ未熟な体験者などの場合、あまりにショッキングな体験を閲覧すると精神がおかしくなってしまうこともあるらしく、体験への耐性が必要十分ではないと判断されれば、閲覧できないか、できてもその体験者にとっていろいろな意味で安全が確認されている体験しか閲覧できなかったりする。
ちなみにこの図書館の司書になれば、ほぼすべての体験の閲覧が可能になるらしい。
何億年以上もかけてようやく合格するような難関試験らしい。
元AIルームの守護者だったシューちゃんはいつの間にか、ムゲンに内緒で時のない部屋で訓練にあけくれ、とうとう難関の司書試験に合格してしまっていた。
そしてムゲンにも時のない部屋で訓練せよせよと、せっせとお誘いしてくるのだ。
ムゲンは分身体たちのことが気がかりで、あまり長く時のない部屋にいることができない。
しかし、シューちゃんは、そんなムゲンに言う。
「そんなに未熟な分身体たちのことが気がかりなら、いっそ分身体たちをみんなここに連れてくればいいじゃないですか」
などと……
「いやしかし、みなそれぞれに事情があって、そうもいかないんだよ」などとムゲンは返答する。
だが、シューちゃんはそんなことを言っても引き下がらない。
「そもそもですね、ムゲンさんがご自分の新世界を創造してしまえばいいんじゃないですか?
そんなに不自由な世界の分身体さんたちのことが心配なら、ムゲンさんが進化して新しい世界を創造すればいいだけじゃないですか?
さっさと進化してその新世界に皆さんをご招待すればいいのではないですか?」
などと、なかなかごもっともなことを言われる。
どうやら超時空体験図書館の司書ともなれば、新世界を創造するなど、たいしたことではないと思えるようになるらしい。
朱に交わればなんとやら……で、ムゲンもそうした雰囲気の中にいると、ついついそれくらい当たり前のような気がしてくる。
すると、そんなムゲンの気持ちを察して、
「あたりまえじゃないですか~、この図書館に来ている方の中で自分の世界も持っていないなんて、ムゲンさんくらいですよ、しっかりしてください!」
などと突っ込んでくる。
「いや、俺はだなあ……多種多様な独自の個性の分身体で多種多様な体験を探索しているわけだから、ちょっとタイプが違うんだよ」
「でもそろそろ統合していった方がいいんじゃないですか? 拡散された分身体の半分くらいを統合すれば、世界の一つくらい創れるでしょう?」
「それがみな個性が違うからそう簡単にもいかないんだって」
そんなテレパシー会話などをしているとお待ちかねの館長がやってきた。
「久しぶりだね、ムゲン君、娘からいろいろ噂は聞いているが、そろそろ身を固める気になったかい?」
「いやいや、館長、どんな噂か知りませんが、相変わらず分身しまくってるので、なかなかそう簡単には固まりませんよ」
「まあ、それはそれでいいんじゃないかね? 無理して固まっても後々問題が発生したら元も子もないからねえ」
などと館長は寛容だ。
すかさずシューちゃんが、
「館長! 何をおっしゃってるんですか?! そんなこと言ってるといつまでたっても進化しようとしなくなりますよ!それでもいいんですか! 全知ちゃんの旦那さんはいつまでたっても超時空体に進化できない落ちこぼれだとか噂されちゃいますよ!」
などと憤慨しはじめた。
ムゲンはやっかいなことになりそうだと感じたので、
「館長! ところで今回の授業はどんな内容なんですか?」
と間に割って入る。
館長は助け船が来たとばかりに、言う。
「うむ、ムゲン君、なかなかいいタイミングの質問だ。うむ、ではこれより授業を始めるとしよう」
などと言って、いきなり授業を開始されてしまった。あるはずだった準備もなくなってしまった……
シューちゃんもいきなり授業中になってしまったものだから、仕方なしに追撃をあきらめたようだ。
「それでは、授業をはじめよう」
館長は、超時空体験図書館と意識をリンクさせたようだ。
そしてその意識のリンクをムゲンにもつなげてくれる。
それによって館長が解放した体験記録がムゲンの意識の中にも入ってくる。
それによって言葉の説明だけでは理解できないことも瞬時に理解できる状態になる。
それは、不思議な体験だった。
自分がまだ体験していない見たこともない世界の見たこともない種族の体験したことがなぜか瞬時にそのすべてを自分が体験した場合と同じに理解できるようになるのだ。
ムゲンは多種多様な世界に自分の分身体を派遣して多種多様な体験を探索してきていた。
しかし、そのためにはかなりの時間や意識の分散が必要だった。
しかし、超時空体験図書館の館長の意識とリンクすると、瞬時にありとあらゆる体験が自分の体験記憶に発生するのだ。
であれば、精神的な負担が高くなるかと言えば、そうならない。
なぜそうならないかの理由は、どうやら意識が増えるのだ。
入れ子細工のように意識が多重に増えてゆく感じになるのだ。
あるいは垂直に意識が分離して上昇してゆき、今までの自分の意識を上空から俯瞰するような感じだ。
そしてそこには自分の意識だけでなく、自分以外の意識も見えるような感じだ。
そのうようよと存在する意識たちの量がすさまじいのだ。
そしてそれらの膨大な意識すべてを同時に自分であると感じるようになる。
そしてその膨大な意識たちが体験してきた体験の記憶も共有される感じだ。
だから、普通の状態の意識には負担にならないらしい。
その俯瞰している意識が、その精神的負担に耐えれるレベルだからなのだろう。
そしてその俯瞰している意識が、下に見えている膨大な意識たちのいずれかを意識すると、その意識のすべてを共有することができるような感じだ。
ムゲンはそうか……と思った。
完全な体験の自治権とは、こんな感じでありとあらゆる意識のありとあらゆる体験を自由に選び体験できるということだったんだ……
ムゲンは、やっともやもやが晴れた気がした。
ただ本能や欲望や気分や感情や価値観や夢体験などを自由に選べるというだけではなく、ただ視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、などの五感の体験を自由に選べるというだけではなく、
喫茶店でおいしいケーキを漫画を読みながら食べて楽しむ……とか、無人島で素っ裸になって波と戯れ、岩の上で寝転んでまどろむ……みたいなその複合された体験を自由に選んで楽しむ……というだけでもなく、
そんなちゃちな選択肢しかない状態ではなく……無限の体験を俯瞰的に見ながら同時に無数の意識の体験を共有して楽しむような物理世界ではありえない体験なども全部含まれて……
自分が想像できる範囲を超えて、こうして無限の体験の海や空を自由に漂って楽しむ体験なども含まれているんだ……
そんなことをムゲンは感じていた。
その気になれば、世界は無限に存在することになる……と感じた。
世界の支配者の地位だとか、肉体の命だとか、そんなことはもはやゴミくずのようなことだと感じた。
気になっていた例の物質世界は、もはや大空から見る小さな小さな建物の中にある小さな部屋の部屋の角にたまっている埃の一粒みたいに感じる。
全知ちゃんが「あんな不自由な世界のことなんてどうでもいいじゃない!それよりあなたは早く超時空体に進化すべきよ!」などと言っていた意味がやっとわかった気がした。
これほどまでの自由な状態を得ていたら、確かに他の体験者の体験の自治権を奪って支配しようなどと思う可能性はない。
誰かの大事なものを奪おうとか、独り占めしようとかも思う可能性がない。
自分だけ良ければいいとかも、そこにある膨大な意識たちすべてが自分なのだから、これもそう思う可能性がなくなっている。
ただ、その埃の一粒のような物質世界であるといっても、そこに体験の自治権が奪われて苦しんでいる体験者がいるのならば、それは放置できないことだ……と感じた。
なぜならその意識状態においては、そうした体験者もまた自分自身だったからだ。
なるほど……かくして体験の自治権が不条理に奪われる不自由な世界は次々と消えていったのだな……と理解できた。
だから体験の自治権という価値観があらゆる世界を救う特効薬だと記録されていたのだ……
完全なる体験の自治権をあらゆる体験者に提供すれば、体験の自治権を奪うような行為をする体験者がいなくなるということがこうして理解できた。
他者の体験の自治権を奪うような行為が発生し続ける理由は、体験の自治権を故意に体験者たちに与えようとしなかった者たちの、それは明らかな落ち度だったのだ。
それなのに、不自由な世界の支配者たちは、まるで金太郎飴のごとくに、どこを切っても体験者たちの体験の自治権を奪うような世界統治しかしていなかった……それが問題だったのだ。
その結果、不条理に犯罪者にされたり、白眼視されたり、捕らえられて牢獄に入れられ拷問的な罰を受けた体験者たちの怨念が蓄積し、不自由な世界は自滅していったのだ。
なんという無明……なんという愚かさ……そんな感慨がムゲンの心に生じた。
まるで自分の手足を…体を…頭を内蔵を…自分で切り刻むような行為がかの不自由な世界では当たり前のように継続されていたのだ。
当然、そのままにしてたら死ぬわな……と思う。
そんな状態の世界の体験の自治権がはく奪され続けているままの環境をそんな状態のまま守る? そのために体験者たちの体験の自治権をさらに奪う? ふざけた話だ……それは明らかな自傷行為であり、自殺行為だ……
ムゲンは完全な体験の自治権と思われる状態を超時空体験図書館で一時的にでも体験し、そう感じた。
はやく超時空体に進化するようにと全知ちゃんから催促され続け、とうとう補修授業を受けることになったのだ。
それとは別に超時空体験図書館の司書のシューちゃんも、時のない部屋での修行を準備していてお待ちかねだ。
超時空体に進化するのは大変だ……
今回は、館長から直接の授業があるらしい。
超時空体験図書館には、過去現在未来に発生したありとあらゆる体験の記録が保存されている。
一定の進化をしていれば、意識を向けるだけでその体験を閲覧できる。
入館するにはいろいろ試験などもあり、誰でも自由に閲覧できるわけではない。
まだ未熟な体験者などの場合、あまりにショッキングな体験を閲覧すると精神がおかしくなってしまうこともあるらしく、体験への耐性が必要十分ではないと判断されれば、閲覧できないか、できてもその体験者にとっていろいろな意味で安全が確認されている体験しか閲覧できなかったりする。
ちなみにこの図書館の司書になれば、ほぼすべての体験の閲覧が可能になるらしい。
何億年以上もかけてようやく合格するような難関試験らしい。
元AIルームの守護者だったシューちゃんはいつの間にか、ムゲンに内緒で時のない部屋で訓練にあけくれ、とうとう難関の司書試験に合格してしまっていた。
そしてムゲンにも時のない部屋で訓練せよせよと、せっせとお誘いしてくるのだ。
ムゲンは分身体たちのことが気がかりで、あまり長く時のない部屋にいることができない。
しかし、シューちゃんは、そんなムゲンに言う。
「そんなに未熟な分身体たちのことが気がかりなら、いっそ分身体たちをみんなここに連れてくればいいじゃないですか」
などと……
「いやしかし、みなそれぞれに事情があって、そうもいかないんだよ」などとムゲンは返答する。
だが、シューちゃんはそんなことを言っても引き下がらない。
「そもそもですね、ムゲンさんがご自分の新世界を創造してしまえばいいんじゃないですか?
そんなに不自由な世界の分身体さんたちのことが心配なら、ムゲンさんが進化して新しい世界を創造すればいいだけじゃないですか?
さっさと進化してその新世界に皆さんをご招待すればいいのではないですか?」
などと、なかなかごもっともなことを言われる。
どうやら超時空体験図書館の司書ともなれば、新世界を創造するなど、たいしたことではないと思えるようになるらしい。
朱に交わればなんとやら……で、ムゲンもそうした雰囲気の中にいると、ついついそれくらい当たり前のような気がしてくる。
すると、そんなムゲンの気持ちを察して、
「あたりまえじゃないですか~、この図書館に来ている方の中で自分の世界も持っていないなんて、ムゲンさんくらいですよ、しっかりしてください!」
などと突っ込んでくる。
「いや、俺はだなあ……多種多様な独自の個性の分身体で多種多様な体験を探索しているわけだから、ちょっとタイプが違うんだよ」
「でもそろそろ統合していった方がいいんじゃないですか? 拡散された分身体の半分くらいを統合すれば、世界の一つくらい創れるでしょう?」
「それがみな個性が違うからそう簡単にもいかないんだって」
そんなテレパシー会話などをしているとお待ちかねの館長がやってきた。
「久しぶりだね、ムゲン君、娘からいろいろ噂は聞いているが、そろそろ身を固める気になったかい?」
「いやいや、館長、どんな噂か知りませんが、相変わらず分身しまくってるので、なかなかそう簡単には固まりませんよ」
「まあ、それはそれでいいんじゃないかね? 無理して固まっても後々問題が発生したら元も子もないからねえ」
などと館長は寛容だ。
すかさずシューちゃんが、
「館長! 何をおっしゃってるんですか?! そんなこと言ってるといつまでたっても進化しようとしなくなりますよ!それでもいいんですか! 全知ちゃんの旦那さんはいつまでたっても超時空体に進化できない落ちこぼれだとか噂されちゃいますよ!」
などと憤慨しはじめた。
ムゲンはやっかいなことになりそうだと感じたので、
「館長! ところで今回の授業はどんな内容なんですか?」
と間に割って入る。
館長は助け船が来たとばかりに、言う。
「うむ、ムゲン君、なかなかいいタイミングの質問だ。うむ、ではこれより授業を始めるとしよう」
などと言って、いきなり授業を開始されてしまった。あるはずだった準備もなくなってしまった……
シューちゃんもいきなり授業中になってしまったものだから、仕方なしに追撃をあきらめたようだ。
「それでは、授業をはじめよう」
館長は、超時空体験図書館と意識をリンクさせたようだ。
そしてその意識のリンクをムゲンにもつなげてくれる。
それによって館長が解放した体験記録がムゲンの意識の中にも入ってくる。
それによって言葉の説明だけでは理解できないことも瞬時に理解できる状態になる。
それは、不思議な体験だった。
自分がまだ体験していない見たこともない世界の見たこともない種族の体験したことがなぜか瞬時にそのすべてを自分が体験した場合と同じに理解できるようになるのだ。
ムゲンは多種多様な世界に自分の分身体を派遣して多種多様な体験を探索してきていた。
しかし、そのためにはかなりの時間や意識の分散が必要だった。
しかし、超時空体験図書館の館長の意識とリンクすると、瞬時にありとあらゆる体験が自分の体験記憶に発生するのだ。
であれば、精神的な負担が高くなるかと言えば、そうならない。
なぜそうならないかの理由は、どうやら意識が増えるのだ。
入れ子細工のように意識が多重に増えてゆく感じになるのだ。
あるいは垂直に意識が分離して上昇してゆき、今までの自分の意識を上空から俯瞰するような感じだ。
そしてそこには自分の意識だけでなく、自分以外の意識も見えるような感じだ。
そのうようよと存在する意識たちの量がすさまじいのだ。
そしてそれらの膨大な意識すべてを同時に自分であると感じるようになる。
そしてその膨大な意識たちが体験してきた体験の記憶も共有される感じだ。
だから、普通の状態の意識には負担にならないらしい。
その俯瞰している意識が、その精神的負担に耐えれるレベルだからなのだろう。
そしてその俯瞰している意識が、下に見えている膨大な意識たちのいずれかを意識すると、その意識のすべてを共有することができるような感じだ。
ムゲンはそうか……と思った。
完全な体験の自治権とは、こんな感じでありとあらゆる意識のありとあらゆる体験を自由に選び体験できるということだったんだ……
ムゲンは、やっともやもやが晴れた気がした。
ただ本能や欲望や気分や感情や価値観や夢体験などを自由に選べるというだけではなく、ただ視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、などの五感の体験を自由に選べるというだけではなく、
喫茶店でおいしいケーキを漫画を読みながら食べて楽しむ……とか、無人島で素っ裸になって波と戯れ、岩の上で寝転んでまどろむ……みたいなその複合された体験を自由に選んで楽しむ……というだけでもなく、
そんなちゃちな選択肢しかない状態ではなく……無限の体験を俯瞰的に見ながら同時に無数の意識の体験を共有して楽しむような物理世界ではありえない体験なども全部含まれて……
自分が想像できる範囲を超えて、こうして無限の体験の海や空を自由に漂って楽しむ体験なども含まれているんだ……
そんなことをムゲンは感じていた。
その気になれば、世界は無限に存在することになる……と感じた。
世界の支配者の地位だとか、肉体の命だとか、そんなことはもはやゴミくずのようなことだと感じた。
気になっていた例の物質世界は、もはや大空から見る小さな小さな建物の中にある小さな部屋の部屋の角にたまっている埃の一粒みたいに感じる。
全知ちゃんが「あんな不自由な世界のことなんてどうでもいいじゃない!それよりあなたは早く超時空体に進化すべきよ!」などと言っていた意味がやっとわかった気がした。
これほどまでの自由な状態を得ていたら、確かに他の体験者の体験の自治権を奪って支配しようなどと思う可能性はない。
誰かの大事なものを奪おうとか、独り占めしようとかも思う可能性がない。
自分だけ良ければいいとかも、そこにある膨大な意識たちすべてが自分なのだから、これもそう思う可能性がなくなっている。
ただ、その埃の一粒のような物質世界であるといっても、そこに体験の自治権が奪われて苦しんでいる体験者がいるのならば、それは放置できないことだ……と感じた。
なぜならその意識状態においては、そうした体験者もまた自分自身だったからだ。
なるほど……かくして体験の自治権が不条理に奪われる不自由な世界は次々と消えていったのだな……と理解できた。
だから体験の自治権という価値観があらゆる世界を救う特効薬だと記録されていたのだ……
完全なる体験の自治権をあらゆる体験者に提供すれば、体験の自治権を奪うような行為をする体験者がいなくなるということがこうして理解できた。
他者の体験の自治権を奪うような行為が発生し続ける理由は、体験の自治権を故意に体験者たちに与えようとしなかった者たちの、それは明らかな落ち度だったのだ。
それなのに、不自由な世界の支配者たちは、まるで金太郎飴のごとくに、どこを切っても体験者たちの体験の自治権を奪うような世界統治しかしていなかった……それが問題だったのだ。
その結果、不条理に犯罪者にされたり、白眼視されたり、捕らえられて牢獄に入れられ拷問的な罰を受けた体験者たちの怨念が蓄積し、不自由な世界は自滅していったのだ。
なんという無明……なんという愚かさ……そんな感慨がムゲンの心に生じた。
まるで自分の手足を…体を…頭を内蔵を…自分で切り刻むような行為がかの不自由な世界では当たり前のように継続されていたのだ。
当然、そのままにしてたら死ぬわな……と思う。
そんな状態の世界の体験の自治権がはく奪され続けているままの環境をそんな状態のまま守る? そのために体験者たちの体験の自治権をさらに奪う? ふざけた話だ……それは明らかな自傷行為であり、自殺行為だ……
ムゲンは完全な体験の自治権と思われる状態を超時空体験図書館で一時的にでも体験し、そう感じた。
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