理想世界の創り方

無限キャラ

文字の大きさ
46 / 162

超時空城の体験者救助方法

しおりを挟む
不自由な世界の中には、あまりにも不自由すぎてもはや自分が選択できることがほとんどない状態の体験者もいた。


体験者たちの自由をほとんど奪っている牢獄のような世界では、そこに囚われている体験者たちが自由に選択できることがほとんどなかったりするからだ。


また、肉体という体験強制装置の性能がひどすぎて、寝たきり状態になってしまっていたり、自分の意志で自分の肉体をコントロールできなくされている体験者などもいたからだ。


超時空城は、そのような状態からも良心的な体験者を救助する必要があった。


超時空城は、そうした状態の体験者たちを救助するために、意識体のレベルを下げて霊体となり、体験強制装置という肉体に一時的に入り、その中にいる体験者たちに必要な知識を与えた。


霊体の世界も体験強制ピラミッドシステムの中にある世界だったので、超時空城は霊体への進化をお勧めすることはできなかった。
霊的世界や天国や地獄などと呼ばれていた世界は、すべて体験強制ピラミッドシステムの中の体験の自治権が提供されていない世界だったからだ。
それでは例え霊体に進化できたとしても、体験の自治権は奪われたままになるからだ。
霊体世界は、体験強制ピラミッドシステムのボスたちに何でも従うイエスマンばかりだったからだ。
そんな世界を体験者たちに紹介してしまって選択させてしまうと、不自由な世界の体験強制ピラミッドシステムの悪党ボスの気分一つで体験者たちがいつでもひどい目にあわされてしまうからだ。


よって、少なくとも意識体にまで体験者を進化させねばならなかった。


いきなり超時空体へ進化をするのは難易度が高すぎたからだ。


意識体とは、意識だけの存在である。


霊体のように霊的な体も持たない。


天使族や悪魔族のような霊的存在種族よりもより自由度が高い。


意識体は、基本、自由に変身できる能力を持っている。


自分が想像できる姿ならばどんな姿にでも変身することができる。


天国や地獄のような世界すら、ちゃんと詳細まで想像できれば生み出せる。


物質世界のような制限は一切ない。


霊的世界にあるような制限も一切ない。


ボスや上司に従う必要も全くなく、自分だけの世界を自由に想像して生み出すことができる。


ただ、他の意識体の体験の自治権を故意に否定したりすると自業自得学園に入れられてしまう危険はある。


逆に言えば意識体の世界では、他の体験者の体験の自治権を故意に否定しないこと……それだけが守るべきモラルだった。


それはブラック企業内では、あれこれとブラックな社内ルールがありストレスいっぱいな状態の者が、その会社を辞めて自由業で大成功したような感じの状態の変化と似ている。


つまり、意識体の世界では、すべてが自分の裁量と選択と想像力次第だ。
他の自由業の体験者たちの体験の自治権やその仕事を故意に否定したり邪魔したりしない限り何をしようが自由なのだ。

まだ想像力が未熟な体験者の中には、そうした自由を持てあます体験者もいたが、ほとんどの体験者は意識体の世界で満足できていた。

特に不自由な世界群の霊体たちは、その意識体の世界を一度味わうと後戻りできなくなった。

あれこれ不条理な命令をしてくる上司やボスに内心うんざりしているような霊体は、意識体の世界に一度ゆくとほとんど霊体の世界に戻らなくなった。

超時空城は、そうした不自由世界からの逃亡者たちの脱出口のような場所だった。

物質世界や霊的世界の体験者たちは時空間という制限があると信じ込まされていたが、世界も時空間も実は無数に存在していた。

そして、世界や時空間は体験者の体験の自治権を故意に否定しないというモラルさえ守っていれば、自由に選べるようになっていた。


それはあるファミコンゲームから別のファミコンゲームに、あるいはファミコンゲームからボードゲームに楽しむ場を切り替えるような感じだった。


ただ、その切り替えをするには、一度、ゲーム内のキャラクターからプレイヤーにまで意識を移動しなければならなかった。


自分が「不自由な世界ゲーム」というゲーム内のキャラクターであると100%思い込んでしまっているうちは、プレイヤーに意識が移せないのだ。


そうすると、いつまでたっても永遠に、その不自由な世界ゲームの中に囚われ続けることになる。


程度の良いゲームならそれも悪くないのかもしれないが、拷問体験強制装置となっている不自由な世界のキャラクターたちを自分であると100%信じ込んでしまっていたら、永遠に拷問体験強制装置を体験し続けねばならなくなる。


「自己の意識」をゲームキャラクターから、いったんゲームプレイヤー、あるいは可能ならさらにゲームプログラマーに移動し、他のより楽しめるゲームを意識的に選択する必要があったのだ。


しかし、そうした選択が可能であると理解している体験者は不自由な世界群には非常に少なかった。


超時空城から見れば、不自由な世界群は、そんな状況だった。


何としてもこの体験強制装置での生活を永遠に守らねばならない……不老不死の永遠の肉体の命が欲しい……そのような思いがあると、意識体の世界に移動できなかった。
そもそも永遠に守ろうとしても寿命があって守れないのに、それでもそう思わせているのは、肉体という装置にプログラムされてしまっていた生存本能というプログラムのせいであった。


その生存本能に利己的な……という形容詞が多くの場合ついてしまっていたために、不自由な世界群では、あちこちが弱肉強食の残酷劇場になってしまっていた。

そこで超時空城の有志たちは、意識体から霊体にレベルを落として、他の体験者たちの体験の自治権を尊重する意志を明らかに持っている良心的な体験者の肉体に入り、そこにいる体験者たちとテレパシーで話をした。


もともとご先祖様の霊体などが憑いている場合もあったが、性格が利己的過ぎて悪質な場合は、追い出した。


良心的な魂たちの救助のためにはそうした強制力の行使も状況によってはいたしかたないと許可されていたからだ。


追い出された利己的な霊体たちは、良心に反したことを確信犯でするような体験者たちに集中した。


その結果、弱肉強食的な霊体同士の内部抗争が発生し、その良心に反したことを確信犯でしてしまうタイプの体験者はその自我を継続することができなくなったりした。

一つの肉体に複数の霊体が憑くことができたので、そこに弱肉強食の生存競争が発生してしまったのだ。

こうして悪質な霊体たちは、互いに争いあって自滅していった……あるいは自分の間違いに気づいた霊体は途中で反省して改心したりもした。


良心的な体験者に、超時空城の意識体たちは、次のようなことを教えた。


「いいかい、君たちは、自分が何者であるかを自分で自由に決めることが実はできるんだよ。

君たちは、今、自分が肉体だと思い込んでいるだろうけど、そのまま自分が肉体だと思い込んだままだと君は肉体の滅びとともに滅びてしまうんだよ。

こうしたことは君たちの世界の学校では教えてくれないことなんだ。

だけど一番大事なことなんだよ。

なぜならその選択次第で君たちの未来がまったく変わってくるわけだからね。

滅ぶものを自分だと思わないようにした方がいいんだよ。

また苦しみ続けなければならないものを自分だと思わないようにした方がいいんだよ。

君たちは生まれた場所に束縛される必要はないし、生まれた人種や種族に束縛される必要もないんだよ。

君たちの星や星を含む宇宙空間というものは、君たちが遊んでいた体験ゲームのダンジョンのひとつみたいなものなんだよ。

他のダンジョンもあるし…、さらに別のゲームも選択できたりするんだよ。

またそうした時空間ゲームをやめて、リアル超時空間でピクニックをすることだってできうるんだよ。

まあ、今の君たちには、信じられないだろうけど、君たちには想像力があるわけだから、そうした選択肢があるんだと想像できればしめたものさ。

実は、君たちが想像できることは体験できるんだよ。

君たちは、自分が行きたい世界を想像して、そこに意識をワープさせることができるんだよ。

そのためには、持続的な意志力と持続的な想像力が必要になる。

まあ、今の君たちは体験強制装置に入れられてしまっているから、それが難しいと感じるだろうけど、意志力や想像力は意識的に訓練してゆけばどんどんと成長してゆくものなんだよ。

訓練するほど、どんどんとね。

だから、はじめは難しいと感じても、意識的に訓練し続けてゆくと次第に簡単になってゆく。
まあ、君たちの世界の支配者たちや親や先生や上司たち…の多くは、そうした訓練ばかりすることをせっせと否定してくるだろうけどね。

その道を進むことが簡単になってしまうと、不自由な世界を不自由なままにしておけなくなるからね。
だから、君たちの世界の支配者たちは、わざと戦争だとか、天災だとか、疫病だとか、経済恐慌だとか……そんな問題ばかりを生み出しているわけさ。

君たちの選択は、君たちが決めなければならないことだから、僕たちが代わりにしてあげることはできないんだけど、こうしたアドバイスまでならできるから、一度、自分はどんな者になりたいのか、どんな世界に行きたいのかについて、じっくりと考えてみるといいよ。


君たちは自分が人間族だとか、宇宙人族だとか、天使族だとか……そんな風に思っているかもしれないけど、それらの種族は、いずれも体験強制ピラミッドシステムの内部の種族だから、本当にそんな種族を自分だとしていいかどうかよく考えてみるといいよ。

忘れてはならないことは、君たちが想像できる世界はすべて君たちが本気でそれを意志すれば行ける世界だということ。


既存のこの不自由な世界に存在している種族や世界しか選べない……などとは思わないことだよ。


君たちは、全身全霊で本気で望めば、今までどこにも存在していなかった新しい世界の創造主にだってなれるんだよ。


ここでそんなこと無理だ、絶対にできっこない……などと思ってしまったら、本当に無理になるから気をつけてね」




超時空城から派遣されてきた意識体は、そうしたアドバイスを不自由な世界の良心的な体験者たちにしていた。


ちなみに、良心的ではない体験者たちにアドバイスしないのはどうしてなのかと質問すると、


「だって、良心的でない体験者たちは、ほとんどの場合、自業自得となれば自分が苦しんだり傷ついたり自滅してしまうような世界を想像してしまって、むしろより悪い世界を想像してしまって、こうした選択の自由があることを教えてあげても、ひどい目にあうことが多いからだよ。

意志力と想像力は諸刃の剣なんだよ。使い方を間違えると自分を傷つけてしまうんだ」


などと言われた。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

処理中です...