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33 国王の望み
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~~教会で暴れた日の夜~~
カウレシア王国王城。国王の寝室のソファーには、神聖な白いマントを纏い、顔をフードで隠した少女が静かに眠っていた。
国王セオドリクは騎士団長ウォルトから聞いた話を思い返していた。彼女は常にフードを被っており、その顔を誰も見たことがない。そして今、この少女は無防備な状態でソファーで眠っている。その顔を見る絶好の機会だ。
(だが、見ていいのだろうか?その顔には何か秘密があるのかもしれない。その秘密を知れば……いや、神竜様の件やカオル教会の問題も、彼女が助けてくれたのだ。それ以前に、女性の寝顔を見るのは紳士として無礼だ。)
さらに、知らない女性が王の寝室から出ていくという噂が立つのも避けたい。セオドリクはすぐに王妃を呼び、寝室に二人きりではない状況を作ることにした。そして、この少女を客室へ送るため、長年王城で働いているメイド長クロエを呼び寄せた。
ゴンゴン
「陛下、ミラでございます。」
「入れ。」
王妃ミラとメイド長クロエが王の寝室に入った。王妃が真っ先に目にしたのは、ソファーで眠る白いマントの少女だった。しかし、セオドリクは静かに「ジーッ」と指示を出し、少女が眠っていることを悟らせた。
「クロエ、この子をマントで覆い、誰にも顔を見せないように客室へ送ってくれ。夕食もまだのようだから、この子の着替えと食事も頼む。あなたも含めて、絶対にこの娘の顔を誰にも見せないように。ああ、それと、もしこの子が目を覚ましたら、彼女にこう伝えてくれ。“俺は彼女の顔を見ていない”と。」
「かしこまりました。」
メイド長クロエは外からマントを持ってきて、少女の上にそっと掛け、おんぶして寝室を後にした。王妃はソファーに座り、夫セオドリクの言葉を待った。
「ミラ、あの子は例の使者様だ。先程の雷鳴も聞こえただろう。それは恐らく彼女が教会の問題で何かをしていたのだと思う。もうすぐ宰相も報告に来る。彼女も女性だ、できれば事情を知っている女性がいる方が良い。だから一緒に報告を聞いてくれる?」
「まあ、あんな若い子が使者様とは。わたくしには何ができるか分かりませんが、あなたの悩みを半分背負いますわ。一緒にお聞きしましょう。」
その後、セオドリクはミラに、一昨日この少女と初めて会ったことや、使者らしい振る舞いを依頼したことを伝えた。
ゴンゴン
「陛下、夜分遅く申し訳ありません。宰相サイモンでございます。緊急の報告がございます。」
「入れ。」
宰相サイモンが扉を開けると、王妃ミラの姿が目に入り、一瞬驚いた。しかし、すぐに王の意図を察し、そのまま報告を続ける。
「教会による使者様への襲撃は、今回で三度目になります。さらに、彼女の小屋と聖樹も燃やされました。これを受け、使者様は司祭とその仲間たちを空へと浮かせ、天の雷による裁きを示しました。その後、信仰心に基づく寄付詐欺の問題を民衆の前で明らかにし、最後に聖王国へ警告を発しました。」
セオドリクとミラは報告を聞き、驚きを隠せなかった。セオドリクは、自らの想像を超える結果に、思わず声を上げる。
「ついに捕えたか!ミラ、ようやくあの司祭たちを捉えることができたぞ!…す、すまない、サイモン。取り乱してしまった。」
「いいえいいえ、セオ坊ちゃんは相変わらずでなによりですな。」
「もう、その呼び方はやめてくれ。いい歳なんだから…。」
「ですが、先王の遺志を成し遂げる時が来ましたな。どうやら天も陛下の味方のようです。最初に使者様から創造神の話を聞いた時の賭けは大勝ちでしたな。ほほっ。」
「ああ、確かにお前の言う通りだ。今回は確か“天”が俺たちの味方だ。だから彼女の信頼を失うことはできない。使者様の要望通り、貴族学校の制服を早めに用意しろ。」
「すでに準備は整えております。残るのは学園長との説明です。」
「それは頼む。俺は忙しくて行けないので、代わりに進めてくれ。それと、ウォルトに連絡して教会の捜査を開始させろ。財務記録を確認し、不正があれば関係者を捕えろ。」
「すでに騎士団長に指示を出し、捜査は始まっています。」
「良し。明日は国民にこの件を正式に伝え、王都の教会を創造神様と神竜様を祀る場に変えるつもりだ。民の意見を収集し、もし多数がカオル神の信仰を継続するなら、新しい教会を別の場所に建てる。」
「かしこまりました。現場を見た私が報告書をまとめます。」
「頼む。最後に、使者様の言葉をそのまま聖王国へ伝えろ。彼らは自称“中立”国だ。もし動くようなら、こちらには神竜様がいる。詳細は明日の会議で決める。」
「承知しました。では、お先に失礼いたします。」
宰相サイモンが王の寝室を後にすると、部屋にはセオドリクと王妃ミラだけが残った。
「まさか神の雷を召喚することもできるのは、これはどこがただの人だ。」
「笑っていますわ、あなた。でもようやく達成出来ますわ、あなたの望みが。」
セオドリクは嬉しくて涙が出そうな顔でミラの手を取った。
「誓ってから20年、ようやく聖王国と教会への寄付金を止めることができた。それにマーカス司祭も捕まえる事が出来た。民の血税をやっと取り戻せる。」
「頑張ったわね。こっちにおいで。」
ミラはセオドリクをそっと抱きしめた。
「ミラもここまで付き合ってくれて、ありがとう。父上、母上、俺は成し遂げた、貴方達残された遺憾を…」
その夜、ミラはそのままセオドリクの寝室で一晩過ごした。王室の新しい命が生まれるまで……あと10ヶ月。
------------------------------------
その翌日、国王セオドリクは民に昨晩の出来事を詳しく説明し、王都の教会を創造神様と神竜様を祀る教会へと改めることを発表した。当然、反対意見もあったが、他の街のカオル教会はそのまま存続するため、大きな反発は起こらなかった。
そもそも、昨晩の現場で使者の圧倒的な力を目にした者が多く、さらに教会は長年にわたり民から金を騙し取っていた。その影響で王都のカオル教会はすでに信頼を失っていた。こうした背景を踏まえ、王国はこの世界初となる創造神と神竜を祀るトイエリ教会を建設することを決定した。
------------------------------------
一方、同じ頃、ジキタリス帝国では皇帝オリヴァーと英雄ユウジが宰相と共に会議室で話し合っていた。新しい王妃はすでに決まっており、現在は婚姻パーティーの日程を調整している段階だった。
帝国は表向きには未だアイビーを探しているものの、裏では彼女の発見を諦め、新たな王の血統を築くことに専念していた。そのとき、伝令が報告を持って会議室へと入ってきた。
「ご報告いたします!間者からの情報によると、ドラゴンがカウレシア王国王都近くの魔の森で発見されました。王国側は発見場所を封鎖し、立ち入り禁止としています。違反者には厳罰が科されるとのことです。それに加え、王国はこのドラゴンを神竜として扱い、さらにその傍らには神の使者がいると王都内で噂されています。」
皇帝オリヴァーは興味深そうに笑いながら答えた。
「なるほど、そのドラゴンが神竜とはな。カウレシアのセオドリクは慎重すぎる気もするが、あの魔の森に兵を派遣して討伐するのは難しいだろう。ユウジ殿、どう思う?」
ユウジは少し考えた後、答えた。
「そうですね……陛下。あの場所は王都のすぐ近くです。仮に討伐できたとしても、王国軍との戦闘になる可能性があります。軍を動かすのは得策ではないでしょう。王国もすでに封鎖措置を取っていますし、今はドラゴンの動向を監視し、もし別の場所へ移動した場合、あの子の仇として軍を動かすのが良いかと思われます。」
「ふむ、確かに。では、間者の数を増やし、ドラゴンの動きを厳しく監視させろ。動いたらすぐに報告するように。」
皇帝は続けて尋ねた。
「それと、アイビーはまだ見つかっていないのか?」
伝令は申し訳なさそうに報告を続ける。
「はい、未だに発見には至っておりません。しかし、新たな情報によると、街の者があの日の光を目撃し、その光は海の向こうへ飛んでいったとのことです。どうやら東の大陸にいる可能性が高いようです。」
皇帝オリヴァーは短く考えた後、即座に判断した。
「東のハヌーンか……いや、そこはやめろ。船を出して探す余裕はない。東の周辺を優先的に捜索しろ。」
「はっ!」
伝令はその命令を受け、会議室を後にした。
「陛下、では会議に戻りますが、婚姻パーティーは来月で宜しいでしょうか。王の婚姻では流石に他の貴族を招かないといけません。」
「わかった。宰相、パーティー手配は君に任せる、ただし今日からあの子と営みする、我が帝国には後継者がないと危ないんだ。」
「かしこまりました。ではすぐに公爵令嬢を寝室にお招きいたします。」
「うん。それと、キメラ級の魔石も引き続き探してくれ。余は先に夕食を取る。」
「は!」
帝国は未だに平和だ。ドラゴンを討伐できるのは帝国だけだと思い込んでいるが、その幻想がいつ終わるのだろうか。
カウレシア王国王城。国王の寝室のソファーには、神聖な白いマントを纏い、顔をフードで隠した少女が静かに眠っていた。
国王セオドリクは騎士団長ウォルトから聞いた話を思い返していた。彼女は常にフードを被っており、その顔を誰も見たことがない。そして今、この少女は無防備な状態でソファーで眠っている。その顔を見る絶好の機会だ。
(だが、見ていいのだろうか?その顔には何か秘密があるのかもしれない。その秘密を知れば……いや、神竜様の件やカオル教会の問題も、彼女が助けてくれたのだ。それ以前に、女性の寝顔を見るのは紳士として無礼だ。)
さらに、知らない女性が王の寝室から出ていくという噂が立つのも避けたい。セオドリクはすぐに王妃を呼び、寝室に二人きりではない状況を作ることにした。そして、この少女を客室へ送るため、長年王城で働いているメイド長クロエを呼び寄せた。
ゴンゴン
「陛下、ミラでございます。」
「入れ。」
王妃ミラとメイド長クロエが王の寝室に入った。王妃が真っ先に目にしたのは、ソファーで眠る白いマントの少女だった。しかし、セオドリクは静かに「ジーッ」と指示を出し、少女が眠っていることを悟らせた。
「クロエ、この子をマントで覆い、誰にも顔を見せないように客室へ送ってくれ。夕食もまだのようだから、この子の着替えと食事も頼む。あなたも含めて、絶対にこの娘の顔を誰にも見せないように。ああ、それと、もしこの子が目を覚ましたら、彼女にこう伝えてくれ。“俺は彼女の顔を見ていない”と。」
「かしこまりました。」
メイド長クロエは外からマントを持ってきて、少女の上にそっと掛け、おんぶして寝室を後にした。王妃はソファーに座り、夫セオドリクの言葉を待った。
「ミラ、あの子は例の使者様だ。先程の雷鳴も聞こえただろう。それは恐らく彼女が教会の問題で何かをしていたのだと思う。もうすぐ宰相も報告に来る。彼女も女性だ、できれば事情を知っている女性がいる方が良い。だから一緒に報告を聞いてくれる?」
「まあ、あんな若い子が使者様とは。わたくしには何ができるか分かりませんが、あなたの悩みを半分背負いますわ。一緒にお聞きしましょう。」
その後、セオドリクはミラに、一昨日この少女と初めて会ったことや、使者らしい振る舞いを依頼したことを伝えた。
ゴンゴン
「陛下、夜分遅く申し訳ありません。宰相サイモンでございます。緊急の報告がございます。」
「入れ。」
宰相サイモンが扉を開けると、王妃ミラの姿が目に入り、一瞬驚いた。しかし、すぐに王の意図を察し、そのまま報告を続ける。
「教会による使者様への襲撃は、今回で三度目になります。さらに、彼女の小屋と聖樹も燃やされました。これを受け、使者様は司祭とその仲間たちを空へと浮かせ、天の雷による裁きを示しました。その後、信仰心に基づく寄付詐欺の問題を民衆の前で明らかにし、最後に聖王国へ警告を発しました。」
セオドリクとミラは報告を聞き、驚きを隠せなかった。セオドリクは、自らの想像を超える結果に、思わず声を上げる。
「ついに捕えたか!ミラ、ようやくあの司祭たちを捉えることができたぞ!…す、すまない、サイモン。取り乱してしまった。」
「いいえいいえ、セオ坊ちゃんは相変わらずでなによりですな。」
「もう、その呼び方はやめてくれ。いい歳なんだから…。」
「ですが、先王の遺志を成し遂げる時が来ましたな。どうやら天も陛下の味方のようです。最初に使者様から創造神の話を聞いた時の賭けは大勝ちでしたな。ほほっ。」
「ああ、確かにお前の言う通りだ。今回は確か“天”が俺たちの味方だ。だから彼女の信頼を失うことはできない。使者様の要望通り、貴族学校の制服を早めに用意しろ。」
「すでに準備は整えております。残るのは学園長との説明です。」
「それは頼む。俺は忙しくて行けないので、代わりに進めてくれ。それと、ウォルトに連絡して教会の捜査を開始させろ。財務記録を確認し、不正があれば関係者を捕えろ。」
「すでに騎士団長に指示を出し、捜査は始まっています。」
「良し。明日は国民にこの件を正式に伝え、王都の教会を創造神様と神竜様を祀る場に変えるつもりだ。民の意見を収集し、もし多数がカオル神の信仰を継続するなら、新しい教会を別の場所に建てる。」
「かしこまりました。現場を見た私が報告書をまとめます。」
「頼む。最後に、使者様の言葉をそのまま聖王国へ伝えろ。彼らは自称“中立”国だ。もし動くようなら、こちらには神竜様がいる。詳細は明日の会議で決める。」
「承知しました。では、お先に失礼いたします。」
宰相サイモンが王の寝室を後にすると、部屋にはセオドリクと王妃ミラだけが残った。
「まさか神の雷を召喚することもできるのは、これはどこがただの人だ。」
「笑っていますわ、あなた。でもようやく達成出来ますわ、あなたの望みが。」
セオドリクは嬉しくて涙が出そうな顔でミラの手を取った。
「誓ってから20年、ようやく聖王国と教会への寄付金を止めることができた。それにマーカス司祭も捕まえる事が出来た。民の血税をやっと取り戻せる。」
「頑張ったわね。こっちにおいで。」
ミラはセオドリクをそっと抱きしめた。
「ミラもここまで付き合ってくれて、ありがとう。父上、母上、俺は成し遂げた、貴方達残された遺憾を…」
その夜、ミラはそのままセオドリクの寝室で一晩過ごした。王室の新しい命が生まれるまで……あと10ヶ月。
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その翌日、国王セオドリクは民に昨晩の出来事を詳しく説明し、王都の教会を創造神様と神竜様を祀る教会へと改めることを発表した。当然、反対意見もあったが、他の街のカオル教会はそのまま存続するため、大きな反発は起こらなかった。
そもそも、昨晩の現場で使者の圧倒的な力を目にした者が多く、さらに教会は長年にわたり民から金を騙し取っていた。その影響で王都のカオル教会はすでに信頼を失っていた。こうした背景を踏まえ、王国はこの世界初となる創造神と神竜を祀るトイエリ教会を建設することを決定した。
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一方、同じ頃、ジキタリス帝国では皇帝オリヴァーと英雄ユウジが宰相と共に会議室で話し合っていた。新しい王妃はすでに決まっており、現在は婚姻パーティーの日程を調整している段階だった。
帝国は表向きには未だアイビーを探しているものの、裏では彼女の発見を諦め、新たな王の血統を築くことに専念していた。そのとき、伝令が報告を持って会議室へと入ってきた。
「ご報告いたします!間者からの情報によると、ドラゴンがカウレシア王国王都近くの魔の森で発見されました。王国側は発見場所を封鎖し、立ち入り禁止としています。違反者には厳罰が科されるとのことです。それに加え、王国はこのドラゴンを神竜として扱い、さらにその傍らには神の使者がいると王都内で噂されています。」
皇帝オリヴァーは興味深そうに笑いながら答えた。
「なるほど、そのドラゴンが神竜とはな。カウレシアのセオドリクは慎重すぎる気もするが、あの魔の森に兵を派遣して討伐するのは難しいだろう。ユウジ殿、どう思う?」
ユウジは少し考えた後、答えた。
「そうですね……陛下。あの場所は王都のすぐ近くです。仮に討伐できたとしても、王国軍との戦闘になる可能性があります。軍を動かすのは得策ではないでしょう。王国もすでに封鎖措置を取っていますし、今はドラゴンの動向を監視し、もし別の場所へ移動した場合、あの子の仇として軍を動かすのが良いかと思われます。」
「ふむ、確かに。では、間者の数を増やし、ドラゴンの動きを厳しく監視させろ。動いたらすぐに報告するように。」
皇帝は続けて尋ねた。
「それと、アイビーはまだ見つかっていないのか?」
伝令は申し訳なさそうに報告を続ける。
「はい、未だに発見には至っておりません。しかし、新たな情報によると、街の者があの日の光を目撃し、その光は海の向こうへ飛んでいったとのことです。どうやら東の大陸にいる可能性が高いようです。」
皇帝オリヴァーは短く考えた後、即座に判断した。
「東のハヌーンか……いや、そこはやめろ。船を出して探す余裕はない。東の周辺を優先的に捜索しろ。」
「はっ!」
伝令はその命令を受け、会議室を後にした。
「陛下、では会議に戻りますが、婚姻パーティーは来月で宜しいでしょうか。王の婚姻では流石に他の貴族を招かないといけません。」
「わかった。宰相、パーティー手配は君に任せる、ただし今日からあの子と営みする、我が帝国には後継者がないと危ないんだ。」
「かしこまりました。ではすぐに公爵令嬢を寝室にお招きいたします。」
「うん。それと、キメラ級の魔石も引き続き探してくれ。余は先に夕食を取る。」
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