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第2話:部活作り

3.変化

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「なんでも部って…どういうことですか?」

今野君はそう言った。

「たまにさ、部活の人手不足の話聞かない?」

そーいちは言った。

「まあ、聞く気がするけど…。」

俺はそう言った。

「それを助けるのがなんでも部だよ!他にも、学校外でも人の手を借りたい人がいるかもしれない。それの手助けを俺たちがするってこと!」

そーいちはそう言った。

「いいですね!オレ賛成です!」
「でも、なんでも部って名前少しダサくない?」

俺はそう言った。

「じゃあ他に名前の案ある?」
「あー、なんだろう。ヒーロー部とかいいんじゃないの?人助けだし。」

俺はそう言った。

「ダメだよ。」

そーいちはそう言った。

「え?」

俺はそーいちがそう言うとは思わず、びっくりしてそう言った。

「ヒーローというのとは違うと思う。俺は部員たちができる範囲でなんでもするというのにしたいんだ。」

そーいちはそう言って、紙を俺となぎさに見せた。そこにはそーいちが言った、『部員たちができる範囲でなんでもする!それがなんでも部!』と書いてあった。

「できる範囲って大事ですね。オレ、なんでも部って名前でいい気がしてきました!他に案浮かばないですし。」

と、今野君は言った。

「ひろきもこれで大丈夫?」

そーいちはそう言った。

「ああ、うん。大丈夫。」

俺は、まさかそーいちが『ヒーロー部』という名前を拒否するとは思っていなかったから、少しびっくりしたせいか、そう曖昧に返した。まあ、俺も『ヒーロー部』なんて部活名適当に言っただけなんだけれど。

「よし、じゃあなんでも部に決定!」

そーいちがそう言うと、そーいちとなぎさは拍手した。俺もそれを見て、拍手した。

「じゃあ、この後ポスターやチラシ作りに入る?」

そーいちはそう言った。

「あーオレ、この後クラスのみんなで親睦会することになってるんですよ。断れなくて。もう学校出ないと間に合わない気がするんですよ。」

今野君はそう言った。

「そうなんだ。じゃあ、今日は帰るか。教室の鍵俺ら返しとくから、先帰っていいよ。」

そーいちはそう言うと、今野君は学生鞄を持ち、「ありがとうございます!」と言いながらお辞儀をして、教室をダッシュで出ていった。

「よし、じゃあ俺らも帰るか。」

そーいちはそう言うと、学生鞄を持って立ち上がった。

「う、うん。」

俺はそう言って、学生鞄を持った。

「ねえ、折れてくれないの?部員になる約束。」
「折れる理由がないし。」
「じゃあ、なりたくない理由あるの?」

そーいちはそう言った。

俺らは教室を出て、そーいちは教室の鍵を閉める。

「まあ、言いたくないならいいよ。」

そーいちはそう言った。

「別にそんな、大したことじゃないし。」
「そう。」
「ていうかさ、俺少しびっくりしちゃった。そーいちが『ヒーロー部』にしなかったの。てっきり受け入れると思ってた。」
「そうかなあ。」

そーいちはそう言って、腕を組んだ。

「そうだよ。」

俺はそう言った。

「そう言うけど、あの提案適当に言ったでしょ?」
「え、まあそうだけどさ。」
「それに、その名前にした時嫌だと思うのひろきの方な気がするけど。」
「え、俺?」
「うん。」

そーいちはそう言った。

「別にそんなことない気するけど…。」
「あ、そうだ!帰りに肉まん食べない?」
「急すぎてびっくりするんだけど。いいよ。」
「じゃあ、職員室で鍵返した後コンビニまで競争ね。負けた方奢りで。」
「わかった。」

俺は少し笑ってそう言った。中学校違うから、知らない間に俺ら変わったのかなと一瞬思ったけど、そんなこともないような気がした。
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