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第3話:佐野昌志は知っている
3.噂
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「やばい。やばい。やばい。やばい。」
嘉瀬君が帰った後、今野君はそう言った。
「ひろき、ちゃんと具体的に考えてたりしてない?」
「なんで俺に聞くんだよ。してないに決まってるだろ、正式な部員じゃないんだから。」
俺はそーいちに言ったことに対してそう言った。まあ、正式な部員だったとしても考えてなかったかもだけど。
「どうしましょう先輩たち。大ちゃんが入ってくれなかったら。」
「誤魔化してしまったのバレバレだよなあ、あれは。アウトだろうなー。」
と、頭を抱えながらそーいちは言った。
「とりあえず、みんながなんでも部のことで浮かぶだろう疑問を出していって、考えていこう。」
そーいちはそう言った。そして、俺たちは疑問を出しては考えていき、解決できなかった疑問は明日考えることにした。
こうして、今日の部活は終わった。
次の日。休み時間、俺の前の席の原口が話しかけてきた。
「どう?部活。」
「どうって言われてもな…。」
「部員増えたの?」
「この間言ったそーいちの後輩以外は入ってないよ。体験に来た子は1人いるけど。」
「へえ。」
原口は興味なさそうにそう言った。お前から聞いてきたくせに。
「でも、その子昌志の知り合いでさ、もしかして、昌志から『なんでも部の体験入学視察しに行って』とか言われて来たのかなーとか思っちゃってさ。絶対俺が考えすぎてるだけだと思うんだけど。」
「まさしって、あの、お前の友達の眼鏡かけた背が低いやつ?」
「うん。あ、背が低い的なことあいつに言うなよ。地雷踏む可能性あるから。」
「あー面倒臭いタイプね。なるほど。」
「あんま面倒臭いタイプとか言うなよ。」
「で、お前は結局なんでも部に入るの?」
「どうだろう。人数はあと2人だけど…。」
俺はそう言った。
「なるほど。もし約束が守られなかったらさ、俺たちの部活に…」
「結構です。」
俺が原口の言葉を遮ってそう言うと、原口は「チッ。」と舌打ちをした。
「舌打ち!?あのさ、今まで断ってきたお前らの誘いを急に引き受けるわけないだろ。」
「『なんで俺たちの部活はダメで、なんでも部はいいんや!!』って先輩がうるさいんだよ。猿みたいに。」
「あーやっぱりあいつか。というか、まだなんでも部の部員じゃ…」
「あーあ、宏生って変に弱いとこあるから、どうせなんでも部に入るんだろうなー。」
原口は少し大きな声で言った。
「…あのな、お前らの部活に入りたくない理由がいっぱいあるんだよ。だから、入らねえの。」
俺はそう言った。
そんな話をしていると、誰かが廊下を走ってくる音が聞こえてきた。そして、俺と原口の近くの窓が開いた。
「ひろくーん!」
窓を開けた人物、るいがそう言った。
「るい、俺ここ。」
「あ、窓の近くなんだ。いいね!便利。」
「お前、常に教科書を借りようとしてるだろ。」
「あ、バレました?いやー、うっかりうっかりで忘れ物しちゃうんだよねー。」
そう言いながら、るいは頭をかいた。
「何?なんでも部の仲間?さっき言ってたそーいちの後輩?」
原口は俺にそう言った。
「いや、違…」
「あ、もしかしておれ邪魔してました?ごめんね。おれは、杉浦るい。ひろくんとは中学からの友達です!」
るいは原口にそう言った。
「へえ、俺は原口翼。よろしく。」
「で、早速なんだけど、ひろくん古文の教科書貸してくれない?」
「やっぱり。でもごめんな、るい。今日俺のクラス、古文ないんだよ。」
「ええっ。ガーン。」
るいは床に手をついて言った。
「あ、俺持ってるよ。置き勉してるからさ。」
原口はそう言った。
「置き勉バレたら先生に怒られるから気をつけろよ。」
俺はそう言った。
「ありがとう、原口君!」
るいは立ち上がり、教科書を受け取ってそう言った。
「あ、そういえばこーんな噂知ってる?」
るいは何か思い出したのか、そう言った。
「何を?」
俺はそう言った。
「2階の左奥に教室あるでしょ?」
るいがそう言うと、原口が
「あー宏生の部活の部室ね。」
と言った。
「俺の部活というか、俺が入るかもしれない部活な。なんかそれだと、語弊がある感じするから。」
「でねでね!そのひろくんの部活のぶし…え!?ひろくん、部活!?」
るいが大きな声で言ったせいで、クラス全員がこっちを向いていた。
「ちょっと、るい声でかい!」
「まさか、ひろくんがまた部活に入るかもなんて…!もう2度と部活には入らないと思ってた。」
「今その話はいいから、話の続きして。もしかしたら、部活する上で重要なことかもしれないから。」
俺はそう言った。そーいちたちに言わないとやばいことかもしれないもんな。
「あ、うん。その教室ね…」
るいがそう言ったのと同時に授業のチャイムが鳴った。
「え、チャイム!?あ、ごめん続き放課後ー!!」
るいはそう言って、自分の教室へと走っていった。…噂か。
嘉瀬君が帰った後、今野君はそう言った。
「ひろき、ちゃんと具体的に考えてたりしてない?」
「なんで俺に聞くんだよ。してないに決まってるだろ、正式な部員じゃないんだから。」
俺はそーいちに言ったことに対してそう言った。まあ、正式な部員だったとしても考えてなかったかもだけど。
「どうしましょう先輩たち。大ちゃんが入ってくれなかったら。」
「誤魔化してしまったのバレバレだよなあ、あれは。アウトだろうなー。」
と、頭を抱えながらそーいちは言った。
「とりあえず、みんながなんでも部のことで浮かぶだろう疑問を出していって、考えていこう。」
そーいちはそう言った。そして、俺たちは疑問を出しては考えていき、解決できなかった疑問は明日考えることにした。
こうして、今日の部活は終わった。
次の日。休み時間、俺の前の席の原口が話しかけてきた。
「どう?部活。」
「どうって言われてもな…。」
「部員増えたの?」
「この間言ったそーいちの後輩以外は入ってないよ。体験に来た子は1人いるけど。」
「へえ。」
原口は興味なさそうにそう言った。お前から聞いてきたくせに。
「でも、その子昌志の知り合いでさ、もしかして、昌志から『なんでも部の体験入学視察しに行って』とか言われて来たのかなーとか思っちゃってさ。絶対俺が考えすぎてるだけだと思うんだけど。」
「まさしって、あの、お前の友達の眼鏡かけた背が低いやつ?」
「うん。あ、背が低い的なことあいつに言うなよ。地雷踏む可能性あるから。」
「あー面倒臭いタイプね。なるほど。」
「あんま面倒臭いタイプとか言うなよ。」
「で、お前は結局なんでも部に入るの?」
「どうだろう。人数はあと2人だけど…。」
俺はそう言った。
「なるほど。もし約束が守られなかったらさ、俺たちの部活に…」
「結構です。」
俺が原口の言葉を遮ってそう言うと、原口は「チッ。」と舌打ちをした。
「舌打ち!?あのさ、今まで断ってきたお前らの誘いを急に引き受けるわけないだろ。」
「『なんで俺たちの部活はダメで、なんでも部はいいんや!!』って先輩がうるさいんだよ。猿みたいに。」
「あーやっぱりあいつか。というか、まだなんでも部の部員じゃ…」
「あーあ、宏生って変に弱いとこあるから、どうせなんでも部に入るんだろうなー。」
原口は少し大きな声で言った。
「…あのな、お前らの部活に入りたくない理由がいっぱいあるんだよ。だから、入らねえの。」
俺はそう言った。
そんな話をしていると、誰かが廊下を走ってくる音が聞こえてきた。そして、俺と原口の近くの窓が開いた。
「ひろくーん!」
窓を開けた人物、るいがそう言った。
「るい、俺ここ。」
「あ、窓の近くなんだ。いいね!便利。」
「お前、常に教科書を借りようとしてるだろ。」
「あ、バレました?いやー、うっかりうっかりで忘れ物しちゃうんだよねー。」
そう言いながら、るいは頭をかいた。
「何?なんでも部の仲間?さっき言ってたそーいちの後輩?」
原口は俺にそう言った。
「いや、違…」
「あ、もしかしておれ邪魔してました?ごめんね。おれは、杉浦るい。ひろくんとは中学からの友達です!」
るいは原口にそう言った。
「へえ、俺は原口翼。よろしく。」
「で、早速なんだけど、ひろくん古文の教科書貸してくれない?」
「やっぱり。でもごめんな、るい。今日俺のクラス、古文ないんだよ。」
「ええっ。ガーン。」
るいは床に手をついて言った。
「あ、俺持ってるよ。置き勉してるからさ。」
原口はそう言った。
「置き勉バレたら先生に怒られるから気をつけろよ。」
俺はそう言った。
「ありがとう、原口君!」
るいは立ち上がり、教科書を受け取ってそう言った。
「あ、そういえばこーんな噂知ってる?」
るいは何か思い出したのか、そう言った。
「何を?」
俺はそう言った。
「2階の左奥に教室あるでしょ?」
るいがそう言うと、原口が
「あー宏生の部活の部室ね。」
と言った。
「俺の部活というか、俺が入るかもしれない部活な。なんかそれだと、語弊がある感じするから。」
「でねでね!そのひろくんの部活のぶし…え!?ひろくん、部活!?」
るいが大きな声で言ったせいで、クラス全員がこっちを向いていた。
「ちょっと、るい声でかい!」
「まさか、ひろくんがまた部活に入るかもなんて…!もう2度と部活には入らないと思ってた。」
「今その話はいいから、話の続きして。もしかしたら、部活する上で重要なことかもしれないから。」
俺はそう言った。そーいちたちに言わないとやばいことかもしれないもんな。
「あ、うん。その教室ね…」
るいがそう言ったのと同時に授業のチャイムが鳴った。
「え、チャイム!?あ、ごめん続き放課後ー!!」
るいはそう言って、自分の教室へと走っていった。…噂か。
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