異世界働き方改革~エナドリ自販機で社畜を卒業します~

ゼニ平

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第2部 港町の黒焔鬼編

【エピローグ】「支部長としての朝」

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 カラーポルトの朝は、今日も海の匂いがした。

 街の復興はまだ途中で、焼け焦げた建物の影がそこかしこに残っている。
 それでも、人々は明るく笑いながら動いていた。

 ギルド員たちも、住民も、みんなが同じ方向を見ていた。

――この街を、また立て直すんだ。

 その中心に立つ少女は、今や迷っていなかった。

「じゃあ、今日の分の復興支援、いってきます!」

「支部長、無茶しないでくださいよ~」

 ルネおば様が口では呆れながらも、優しい目を向けてくれる。
 支部長なんて、ほんの数週間前まで、自分には荷が重い役目だと思っていた。

 でも――今は違う。

 だって、先生が信じてくれたから。

 ふと、港の出口の方を見る。
 そこは、知久がひっそりと出ていこうとした場所。

 何も言わず、気づかれないように。
 まるで風のように。

――だけど、私はもうあの時の私じゃない。

 泣いて逃げるだけの子供じゃない。

「先生……」

 胸がきゅっと締めつけられる。
 抱きついた時の、あのあったかさ。

 あの人がくれた言葉。
 あの人がくれた背中。
 
 全部が、私を支えてくれている。

「絶対に……負けませんから。ここは、私たちの家ですから」

 グラン・マリヌスを抱きしめるように握る。
 青い光がふわりと揺れ、まるで応援してくれるようだった。

「先生。またいつか……胸を張って会えるように、がんばりますね」

 潮騒が返事をする。

 少女は深呼吸し、前を向いた。

――支部長としての、新しい朝が始まる。
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