最強チート集団、雲上の支配者を地に落とす

ニャルC

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1章アンチチート編

第7話:チェックよ、アンノウン

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第7話:チェックよ、アンノウン

場所:仮設指揮所
指揮所の外に居並ぶ志願兵にナノハは告げる。
「志願者諸君の勇気に敬意を払う。だが、勇気と蛮勇は違う。
アンノウンを侮らないことだ。たとえ手負いのネコでも、
ネズミなら全滅だ。あなたたちは、そのネズミだ」

ナノハはネコの鋭い爪を表現しようと、無意識に両手を軽く丸め顔の横に掲げた。
ナノハ、全力の威嚇。
ブカブカな制服の袖からのぞく小さな指は、完璧なネコのポーズだった。
(セレスにはこう見えた:ネコ。今、閣下はネコになられた。計算ではなく、
真剣に。何故ここに画家がいないの?)

そのセレスを見た騎士団長はつぶやいた。
「侍従殿は閣下のプレッシャーに耐えきれず、震えている」
ナノハが場を締める。
「以上、無駄死には不要。状況開始!」

場所:森の中
斥候に捕捉された魔女。矢を射掛けようとすると、
魔女が炸裂音と目を焼く閃光を放つ。

「そこをどけッ!」
斥候は魔女に集中していて、劉斗に気付いてなかった。
体当たりで斥候の包囲網をこじ開ける。

「どうして戻ってきたの!」
劉斗は魔女の腕をひったくるようにつかむ。
「バカじゃないの!?せっかく私が囮に!」
と魔女が怒鳴ると、劉斗が珍しく怒鳴った。
「今更見捨てるものか!」
「計算が台無し。二人で逃げるわよ」
再度包囲網をこじ開けた。

場所:仮設指揮所
ナノハは地図の上の半透明のチェスの駒を見ていた。
ナノハのチート能力『ディープブルー』地図上に「チェスの駒」として、
敵味方をリアルタイムに表示する。
だが、未確認の敵は、ナノハの盤面には表示されない。
ポーンが2体、片方にノイズが混ざるのを凝視していた。

「閣下、目撃情報です。アンノウンは『完全に人間に見える』とのことです」
伝令が報告を読み上げる。
ナノハは自分の両手を見つめて、自嘲する。
「自分で確認に行きたいが、剣を振ろうとして、振り回される。
指揮官突撃しても、相手の手柄になるのがオチ。元帥も2階級特進するのか?」

ナノハは短くため息をつく。
「……余念が過ぎる。私の戦場は、ここ。一兵だって死なせない」
指揮所にナノハの声が響く。

「完全に人間に見えるなら、門番が見過ごす可能性がある。
都市は中に入り込まれれば脆い。アンノウンの都市侵入を阻止する」
言葉を継ぐ。
「時間は味方だ。相手は手負い。こちらは増援が期待できる。
包囲と封じ込めを維持しつつ、キルゾーンに追い込む」
指先で地図上の谷底を示す。そこは三方を崖に囲まれた袋小路。

地図上のアンノウンは、散発的なけん制によって、
着実に谷底へと追い詰められていく。
「相手は谷底。崖の上から矢と魔法を降らせる。
物理的な高低差と圧倒的な射程の暴力の前には、ただの的」
ナノハは、軍服の裾を折り返した足を組み、勝利を確信します。
「チェックよ、アンノウン」

場所:谷底
谷底に追い詰められた劉斗と亜智。
「射てッ!!」
兵士たちが一斉に弓を引き、攻撃開始のタイミングのその直前。

「……こっちだ!『坑道』だ!」
岩陰から突き出た手が、劉斗と亜智を強引に引き寄せた。
崖の下、ツタに覆われて隠れていた小さな穴。地図に載っていない廃坑跡。
三人が闇の中に転がり込んだ直後、背後の地面は矢の雨となった。
老人が言う。
「やれやれ、嬢ちゃん、大勢に追いかけられとったの」
「私にも熱心な追っかけファンがいるの。罪な女なのよ」

場所:仮設指揮所
二つのポーンは消滅ではなく地図の外へ移動した。
「盤外に逃げられました、か」
ナノハは立ち尽くす。

数時間後、ナノハはブカブカの制服の裾を整え、各指揮官を見渡します。
「今回の作戦結果を総括する。
第1目標、アンノウンの都市接近阻止、これは達成。
第2目標、情報収集、私の『ディープブルー』をバグらせ、
完全に人に擬態する能力があると判明。これは大きな収穫。
第3目標の撃破は逃したが、特筆すべきは戦死者が皆無である。
……諸君の献身に感謝する。以上、撤収!」
「部下の命をこれほどまでに慈しむ元帥がかつていただろうか」
指揮官達はそう言いながら退出していく。全員が去り、静まり返った指揮所。ナノハは力なく椅子に座り込みました。

緊張が解けた彼女は、取り逃した悔しさから、無意識にぷくーっと頬を膨らませます。それは元帥ではなく、ただの少女の顔。
セレスは見ていた。(ぷくー、って……!会議を完璧に締めた直後に、ぷくーっ、て!!誰もいないと思って油断されたお顔、これこそが真の宝)
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