【完】BLゲームに転生したオレは鬼畜王子から逃げだしたい

たれぽんた

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ろく

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    「クラウスは甘い物が好きだったよね?」
侍女さんに支度を命じながら殿下が聞いてくる。
「はい、好きです」
オレの答えに殿下はまた頬を染める。殿下の質問は、オレが好きだと答えるものが多い。わざとなのか?そして殿下。なぜ隣に座る?膝が当たってるって!こんな風に可愛く慕ってくれてる分にはいいんだが。どこでこじらせて監禁陵辱コースになっていくんだ?この美少年が『抱いて』って言ってくるなら考え…ゲフンゲフン!
    侍女さんが音をたてずにカップを置く。日本のゲームありがとう。食事事情は前世とほぼ同じ。ちょっとばかり前世の記憶が蘇った今でも美味しく食べられる。
「城下で人気の店のケーキなんだ。半分こしよう?そうしたら色んな種類が食べられる」
外では頑張って大人びた口調なのに、室内では年相応の言葉遣いで可愛くオネダリ。プラス上目遣い。殿下、それは計算ですね?あざとかわいいぢゃないかー。
「殿下の仰せのままに」
ニッコリ微笑めばまた頬を染める殿下。侍女さんに切らせたケーキをフォークに刺し、それをオレの口の前に持ってきた。もしやこれは!もしかして『あーん』ですかー!それ、多分不敬罪です。護衛さんがオレを睨んでますってー。
「殿下のお手をわずらわせて申し訳ありません」
殿下からさりげなくフォークを奪い取りケーキを口に入れる。
「とても美味しいです」
オレの皿が無いのでフォークは手に持ったままだ。えっ?殿下から舌打ちが聞こえた?すでに執着が始まってる?会えないってフラグは折ってるはずなのに。今の時点で他に出来ることは無いしなー。うん。聞かなかったことにしよう。
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