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きゅうじゅうご
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「たった3日でか?」
『殿下』が鼻で笑う。ま、言い訳にしか聞こえないね。
「偶然、彼が近隣諸国にはない食物の名前を口にするのを聞きました」
「それで?」
「その名前を私も知っていました。そこから同じ国、同じような時代の記憶を持っていることが分かったのです」
コーヒーを注ぎ、『殿下』の前に置く。
「お互い、誰とも共有できないと思っていました。自分はおかしいのではないかと考えたこともあります。でも彼の記憶が私を肯定してくれた。彼もまた同じです。私達の記憶は大まかな面でほとんど一致していたのです」
オレはネルの中のコーヒー粕をゴミ箱に捨てに立った。『殿下』の前に座りなおす。
「自分が狂っているわけではない。私達はそれを相互確認したくて会って話しをするのです。決してコンラート様が考えてらっしゃるような間柄ではありません」
盛り盛りだよ、うん。これくらいオーバーに言わないと作り話にされて終わりだよなー。『殿下』は思案する顔でコーヒーに視線を落としている。つい、と顔が上がった。
「どのような、共通の記憶があるのだ?」
歌とかアイドルとかお笑いとか小説とか映画とかドラマとかアニメとか流行語です。って、どう言い換えたらいいんだ?
「そうですね。生活全般がそうですが、特に歌でしょうか」
ストレス発散は2人ともカラオケだったからね。
「何か歌ってみろ」
えっ?今?伴奏無し?カラオケ欲しい・・・
「歌えないのか?」
あー、また『殿下』の顔が意地悪くなったよ。どーする?何歌う?うーん、うーん、うーん。ああ、そーだ、あれ。
オレは男性シンガーソングライターの人魚姫を題材にした歌を歌った。頭の中では日本語なのに、口はちゃんとこの世界の言葉に翻訳して歌ってた。ゲーム設定すげー。
この歌、微妙にオレの気持ちとかぶるとこがあるんだわー。1番を歌って終わりにしようとしたら、無言で続きを促された。なんの羞恥ぷれい!!心で泣きながらフルに歌ったよ。終わったのを確認して、『殿下』はテーブルに右肘をついた。
「人魚姫とは、お前の前世のお伽噺なのか?どのような話しだ?」
「人魚の姫が人間の王子の愛を求めますが、叶わずに死んでしまう話しです」
はい、ざっくりですー。『殿下』は顎に手をあてて考えてますー。この世界にある歌とはぜんぜん雰囲気が違うのは分かってくれたかな?『殿下』がオレを見た。
「今は嘘だと断言する必要はないように思う。お前の記憶とやらが役に立つかもしれんしな」
イ、イヤダナー。ヤタライイエガオガコワイデスー。ドコデマチガエタカナ?
『殿下』が鼻で笑う。ま、言い訳にしか聞こえないね。
「偶然、彼が近隣諸国にはない食物の名前を口にするのを聞きました」
「それで?」
「その名前を私も知っていました。そこから同じ国、同じような時代の記憶を持っていることが分かったのです」
コーヒーを注ぎ、『殿下』の前に置く。
「お互い、誰とも共有できないと思っていました。自分はおかしいのではないかと考えたこともあります。でも彼の記憶が私を肯定してくれた。彼もまた同じです。私達の記憶は大まかな面でほとんど一致していたのです」
オレはネルの中のコーヒー粕をゴミ箱に捨てに立った。『殿下』の前に座りなおす。
「自分が狂っているわけではない。私達はそれを相互確認したくて会って話しをするのです。決してコンラート様が考えてらっしゃるような間柄ではありません」
盛り盛りだよ、うん。これくらいオーバーに言わないと作り話にされて終わりだよなー。『殿下』は思案する顔でコーヒーに視線を落としている。つい、と顔が上がった。
「どのような、共通の記憶があるのだ?」
歌とかアイドルとかお笑いとか小説とか映画とかドラマとかアニメとか流行語です。って、どう言い換えたらいいんだ?
「そうですね。生活全般がそうですが、特に歌でしょうか」
ストレス発散は2人ともカラオケだったからね。
「何か歌ってみろ」
えっ?今?伴奏無し?カラオケ欲しい・・・
「歌えないのか?」
あー、また『殿下』の顔が意地悪くなったよ。どーする?何歌う?うーん、うーん、うーん。ああ、そーだ、あれ。
オレは男性シンガーソングライターの人魚姫を題材にした歌を歌った。頭の中では日本語なのに、口はちゃんとこの世界の言葉に翻訳して歌ってた。ゲーム設定すげー。
この歌、微妙にオレの気持ちとかぶるとこがあるんだわー。1番を歌って終わりにしようとしたら、無言で続きを促された。なんの羞恥ぷれい!!心で泣きながらフルに歌ったよ。終わったのを確認して、『殿下』はテーブルに右肘をついた。
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「人魚の姫が人間の王子の愛を求めますが、叶わずに死んでしまう話しです」
はい、ざっくりですー。『殿下』は顎に手をあてて考えてますー。この世界にある歌とはぜんぜん雰囲気が違うのは分かってくれたかな?『殿下』がオレを見た。
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