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03 トライアル (1)マリーン探し
07 Vesta (ファースト・レッスン)
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「まず、フライトヘルメットをすること。シートベルトをすること。これが第一だよ。次にエラーが出ていないか確認する。いい? 動かすのは難しいことじゃないんだ。確認して一つも事故が起こらないようにするのがパイロットの仕事」
「はい」
アラスターは本当に次の週末、バルと俺の住んでいる社宅の屋上に、自分のエアランナーで来てくれた。
「かしこまらなくていいよ。気楽にね。モニタを見て。ブルーの画面でシグナルはない。これが正常。何かシグナルが出ていたら根本的に解決するまで絶対に動かさないこと。操縦桿を持って」
言われて両手で持ってみる。硬い。これ、動くの?
「今はロックがかかってる。基本的にね、操縦桿で何かするのは離着陸の時と緊急の時だけ。いい? 両方の操縦桿のトップのボタンを同時に押す」
アラスターが後ろから両手を俺の手に添える。エアランナーは縦に二人並んで乗るタイプで、腕が長いアラスターは後ろの席からでもそのまま操縦桿を握ることができる。
「こう、ね。ロックが外れたのがわかる?」
「うん」
「飛ぶよ」
「え? だ……」
「大丈夫だよ」
目の前のモニタに「READY」と表示される。アラスターがゆっくり操縦桿を引く。ふわりと機体が上がったのがわかった。
「ね? 簡単。ロックを外すと離陸体制になる」
「わ……ど……」
「音声入力」
『音声入力開始します』
「シティ・ゲームセンター屋上ポート」
『WILLCO シティ・ゲームセンター屋上ポート』
音もなく機体が高く上がって行く。
「あとは着陸の時までオートで行くよ。今日は風もないし天気もいいからね」
「うう……怖い! どきどきする」
「慣れだよ。二人乗りの家庭用エアランナーなら飛行時間40時間で受験資格」
「今日のは入らない? よね?」
「入るよ。君がパイロットなんだから」
だって運転してない! 俺が操縦桿を持って座ってるとアラスターの長い腕が後ろから伸びてきて操縦してくれる。
「一番最初はそんなもんだよ。眺めでも見なよ」
「ふふ。アラスターエアラインだ」
「そう。この間のは局のランナーだったけど今日のは本物だ」
今週も本当に天気が良かった。街の景色が眼下に見える。オートキャリアの列が光を返す。
「まもなく到着です。さあ。操縦桿を握って。オートパイロットの時はロックがかかってるから、また外すよ。今日は一緒にやろう」
モニタにポートのマークが出ている。大きな手が俺の手をすっぽりと包んでボタンを押す。操縦桿がカチンと軽くなる。
「離陸の時は引く。着陸は押す。ゆっくりだよ。いきなり押すと墜落してしまう。空気圧がかかってそんなに急にぎゅっと押せないようになってるから大丈夫。パイロットがやらないといけないのは機首の向き。変な方向を向けると出づらいからね」
ゆっくり押す? こんな感じ?
「もう少し……まだ浮いてる。ごめんね」
アラスターが身を乗り出して操縦桿を押す。俺を後ろから抱きしめるような格好になる。初めてパルスガンを撃った時、バルにこんな風にされたのを思い出してどきっとする。機体がやっと接地した。
「はい。よくできました」
「全然できてないよ!」
「いやあ、上出来だよ」
アラスターはにっこり笑って、エアランナーから降りようとする俺に手を差し伸べてくれた。
「帰りもやって、まあ30分かな。とりあえずゲームしよう! 先週の続きだ」
「あんな最初の方の面、アラスターはとっくにクリアしてるんじゃないの?」
「でもヴェスタとクリアするのは初めてだろ?」
なんか、アラスターってほんとうに……なんていうか……。
「すごい紳士なの?」
「はは、そうでもないよ」
「はい」
アラスターは本当に次の週末、バルと俺の住んでいる社宅の屋上に、自分のエアランナーで来てくれた。
「かしこまらなくていいよ。気楽にね。モニタを見て。ブルーの画面でシグナルはない。これが正常。何かシグナルが出ていたら根本的に解決するまで絶対に動かさないこと。操縦桿を持って」
言われて両手で持ってみる。硬い。これ、動くの?
「今はロックがかかってる。基本的にね、操縦桿で何かするのは離着陸の時と緊急の時だけ。いい? 両方の操縦桿のトップのボタンを同時に押す」
アラスターが後ろから両手を俺の手に添える。エアランナーは縦に二人並んで乗るタイプで、腕が長いアラスターは後ろの席からでもそのまま操縦桿を握ることができる。
「こう、ね。ロックが外れたのがわかる?」
「うん」
「飛ぶよ」
「え? だ……」
「大丈夫だよ」
目の前のモニタに「READY」と表示される。アラスターがゆっくり操縦桿を引く。ふわりと機体が上がったのがわかった。
「ね? 簡単。ロックを外すと離陸体制になる」
「わ……ど……」
「音声入力」
『音声入力開始します』
「シティ・ゲームセンター屋上ポート」
『WILLCO シティ・ゲームセンター屋上ポート』
音もなく機体が高く上がって行く。
「あとは着陸の時までオートで行くよ。今日は風もないし天気もいいからね」
「うう……怖い! どきどきする」
「慣れだよ。二人乗りの家庭用エアランナーなら飛行時間40時間で受験資格」
「今日のは入らない? よね?」
「入るよ。君がパイロットなんだから」
だって運転してない! 俺が操縦桿を持って座ってるとアラスターの長い腕が後ろから伸びてきて操縦してくれる。
「一番最初はそんなもんだよ。眺めでも見なよ」
「ふふ。アラスターエアラインだ」
「そう。この間のは局のランナーだったけど今日のは本物だ」
今週も本当に天気が良かった。街の景色が眼下に見える。オートキャリアの列が光を返す。
「まもなく到着です。さあ。操縦桿を握って。オートパイロットの時はロックがかかってるから、また外すよ。今日は一緒にやろう」
モニタにポートのマークが出ている。大きな手が俺の手をすっぽりと包んでボタンを押す。操縦桿がカチンと軽くなる。
「離陸の時は引く。着陸は押す。ゆっくりだよ。いきなり押すと墜落してしまう。空気圧がかかってそんなに急にぎゅっと押せないようになってるから大丈夫。パイロットがやらないといけないのは機首の向き。変な方向を向けると出づらいからね」
ゆっくり押す? こんな感じ?
「もう少し……まだ浮いてる。ごめんね」
アラスターが身を乗り出して操縦桿を押す。俺を後ろから抱きしめるような格好になる。初めてパルスガンを撃った時、バルにこんな風にされたのを思い出してどきっとする。機体がやっと接地した。
「はい。よくできました」
「全然できてないよ!」
「いやあ、上出来だよ」
アラスターはにっこり笑って、エアランナーから降りようとする俺に手を差し伸べてくれた。
「帰りもやって、まあ30分かな。とりあえずゲームしよう! 先週の続きだ」
「あんな最初の方の面、アラスターはとっくにクリアしてるんじゃないの?」
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なんか、アラスターってほんとうに……なんていうか……。
「すごい紳士なの?」
「はは、そうでもないよ」
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