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一話 大魔法使いになってしまったのですが?
高校生の春。
少し寂しい卒業式を終え、大学生活に心躍らせる帰り道、僕は車にはねられて死んだ。
目が覚めると、僕はなにやら不気味なものが置かれてる部屋に寝転んでいた。
死後の世界ってほんとにあったんだ、と思いながら僕は起き上がって辺りを見回す。
(何だこの部屋…ドクロやら魔女が使うような大鍋…もしかして地獄に堕ちちゃった?)
しかし足元を見るとなになら魔法陣のようなものが書かれている。
「なんだ、これ」
どちらかといえば地獄というよりファンタジーの世界のようだった。
とりあえず何が起きてるのか周りを見てみる。
するとすぐそばに鏡があった。
僕は立ち上がって鏡を覗き込んだ。そこには、
「は…?これ、だれ?!」
鏡に映ったのは生前の僕ではなく、長い銀髪と青い瞳の青年だった。
(この人誰…?というかなんか見覚えあるような…)
すぐには思い出せなくてとりあえず周りを探ってみることにした。
すると机の上にいかにもな本が開いていた。
「あれ…見たことない字なのに、読める」
開かれたページにはこう書かれていた。
『異世界から解放された魂を呼び出す魔法』
「魔法?…あぁー!!!」
そうだ。銀髪に碧眼。
見覚えがあると思ったら、かつてやっていたRPGの大魔法使いだ。
中ボスのくせにやけに強くて何度もやられたからよく覚えてる。
「異世界から魂を呼び出す…ってことは、俺が呼び出されたってこと?」
よく見てみれば部屋には微妙に不気味な人形が置いてあった。
そういえば大魔法使いはあんなルックスの使い魔を連れてた気がする。
もしかしたらあの人形に僕の魂を入れようとちょうど死んで自由になってた僕の魂を召喚したら、自分の体に入ってしまったのかもしれない。
「あほな魔法使い…」
まぁ、でも僕からすれば運が良かった。
まだ死ぬには早すぎたし。
魔法使いになれたなら好都合だ。
魔法使いなんてそうそうに死ぬことはない…
「……いや、死ぬじゃん」
そうだった。
大魔法使い、勇者に倒されるんだった。
どうする?
転生してまたすぐ死ぬなんて、そんなの嫌なんですが?
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