大魔法使いに生まれ変わったので森に引きこもります

かとらり。

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四話 和解

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 勇者が出て行ったので僕はアイツを処理することにした。

 棚にすっぽり収まっているそいつ。
 僕に悪戯したスライムだ。

 倒してやろうと思ったが、どうやらこいつ、意思があるらしい。

 僕が杖を構えるとぷるぷると震え出した。

 やめろよ僕が悪者みたいじゃないか。

「く…後味悪いからほっといてあげるよ。またあんなことしたら次は殺すからね」

 スライムはぶにょんと身体を歪めた。
 頷いてるらしい。

「ところで、お前がさっき吸ってたのって、僕の魔力?魔力吸うと力強くなったりするの?」

 スライムはまた頷いた。

「ふぅん…強くなったら何かできんの?しゃべれたりするの?」

 スライムはまた頷いた。

「すごいじゃん!しゃべってみてよ。僕の魔力使っていいから!でもさっきみたいに服溶かしたら殺すよ」

 スライムは僕の手にくっついて魔力を吸った。
 力が抜ける感じがした。

 しばらくしてスライムは僕の手からはなれた。

「どう…?」
「お前の魔力、すごく美味しい!」
「お、お前…!?」

 スライムはぶにょぶにょと動いて喜びを示した。

「ね、お前の記憶、借りていい?」
「記憶…?」
「お前が一番可愛いと思うもの、思い浮かべて」

 可愛いって、いきなり!?
 可愛い……といえば、僕が推してたアイドルのユリちゃん、かな?

「へぇ、おまえそういう女がタイプなの?じゃあそれにするか」
「へ?」

 スライムはいきなり発光し始めて、その眩しさに僕は目を細めた。

 光が収まり、視界が戻ったとき、そこには

「…だれ?」
「お前が推してたアイドルのユリちゃんだよ!!!」

 こじんまりとした少女がいた。
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