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十三話 ちゃんと子育てします
しおりを挟む小麦粉を得てからパンを作れるようになるまでも一波乱あったけど、とりあえず僕たちはパンを作れるようになった。
塔の近くには野菜を少し植えたりして、カイトくんの栄養が偏らないように頑張った。
幸運にもカイトくんは手のかからない子だった。
「あの…パンは僕が作ります」
「え?」
カイトくんは僕が五個作って一個ぐらいしかパン作りに成功しないのを見かけてパンを作ってくれたり、
「部屋片付けときましたよ」
「ありが…えぇ!?めっちゃ綺麗になってる!!え、魔法つかった?」
「魔法で片付けられるなら今度からはノアさんが片付けてください」
「いやできないできない!ありがとう~カイトくん」
塔の物置みたいになっている汚い部屋たちをきれいに整理整頓してくれたりした。
今となっては僕の方がカイトくんに面倒を見られている気がする…
保護者として、魔法や勉強…体術はユリがカイトくんに教えてあげている。
でも、それ以外ではほとんど保護者らしいことはしてあげれてない…
「カイトくんもまだまだ子供だしな…親に甘えたいとか思ってるのかな…?」
カイトくんとはほとんどいつも一緒にいる。でも、泣いていたり寂しがっている様子は見たことがない。
でも、両親を失って寂しくないわけがない。
(よし、今日はカイトくんに甘えさせてあげよう)
魔法を教えてる時は、頑張って厳しく接するようにしてる。
それ以外の時は僕は魔法使いがやっていた研究を引き継いだり、魔法の練習をしている。
カイトくんはいつもそばでそれを見てるけど、やっぱり退屈だと思う。
だから、今日はちゃんと構ってあげよう。
僕はそう決心した。
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